日本薬剤師会・山本信夫会長の「令和5年新年の挨拶」は以下の通り。
新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。また日頃から、日本薬剤師会の活動にご理解を賜り、ありがとうございます。
調剤報酬改定における調剤料等の再編、リフィル処方箋の導入、「薬学部の入学定員抑制」方針への転換等、昨年は薬剤師にとってエポックメーキングな年でありました。一方、政治面では、薬剤師参議院議員2人態勢の維持に寄せられた皆様のご支援、ご協力にあらためて厚く感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、多くの薬局・薬剤師は自らの感染リスクも顧みず、地域住民への医薬品や抗原定性検査キットの提供、ワクチン接種体制への協力に加えて、感染拡大防止・公衆衛生等の知識啓発にも存在感を発揮し、「いかなる時も、医薬品の供給体制は薬局・薬剤師が守る」気概を、広く社会に示せたものと確信しています。一方、新型コロナウイルス感染症を奇貨として、迅速な開発力を有する製薬産業育成に向け「産官学」一体の長期政策が求められ中、一部製薬会社の不祥事に伴う医薬品供給のひっ迫は未だ先行きが見えず、医薬品全般にわたる供給不足は医薬・医療関係者に新たな負担を強いるばかりか、適切な治療の維持をも脅かしかねず、こうした事態再発防止への早急な対策が求められます。
オンライン資格確認等システムや「電子処方箋」に対応すべく、薬剤師資格証(HPKIカード)の発行を進めておりますが、患者・医療現場に混乱が生じない「誰もが理解しやすい」仕組みとして活用できるよう積極的に関わって参りたく思います。
また、逼迫する医療費を抑制する方針の下、本年4月に予定される中間年薬価改定は「その及ぼす影響が甚大かつ広範囲」であることから、「改定の対象範囲厳守」を求める一方、新型コロナウイルス感染症の影響や物価高騰による薬局経営の悪化等も考慮して、薬局に対する必要な財政的支援を要望しています。
また、次期医療計画の基本方針や医療計画作成指針に、病院・薬局の薬剤師確保を盛り込み、医療計画全ての場面で的確な医薬品提供を可能とする、地域医療計画と整合性のある「地域医薬品提供計画」策定を要望しています。
一方、規制改革の圧力はなお衰えず、調剤業務の委受託、員数規制の緩和、専門家不在時のOTC薬販売など薬剤師として看過できぬ案件には、医療安全の確保や責任体制の明確化等の視点で、薬剤師の必要性を主張して参ります。
薬局・薬剤師も大きな業務の転換に迫られており、多職種連携、適切な患者フォローアップ、一元的・継続的な薬物療法の提供とともに、地域住民の健康維持支援の拠点としてその役割を着実に果たすことが求められています。
我が国の医薬品安全と医療提供体制の確保に向け、全国の薬剤師とともに諸課題解決に取り組んで参ります。
結びに、皆様のますますのご降盛を祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。
【日本薬剤師会・山本信夫会長/年頭所感】「調剤業務の委受託や員数規制の緩和、専門家不在時のOTC薬販売などの規制改革の圧力には薬剤師の必要性を主張していく」
【2023.01.01配信】日本薬剤師会会長の山本信夫氏は、2023年年頭にあたり、「新年の挨拶」を公表した。その中で、調剤業務の委受託、員数規制の緩和、専門家不在時のOTC薬販売などの薬剤師として看過できない規制改革の案件に対しては、「医療安全の確保や責任体制の明確化等の視点で、薬剤師の必要性を主張していく」とした。
関連する投稿
【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み
【2025.12.23配信】日本薬剤師会は12月23日に定例会見を開き、日本薬剤師会の全国会員数調査報告について報告した。
【日薬】森副会長「基本料1の議論、手をつけること考えていない」
【2025.12.03配信】日本薬剤師会は12月3日に定例会見を開いた。その場で中医協委員である副会長の森昌平氏は調剤基本料1を取り上げた議論に対して、日薬としては「対応は全く考えていない」と言及した。
【2025.12.03配信】日本薬剤師会(日薬)は12月3日に定例会見を開き、中医協での調剤報酬改定の議論について言及した。
【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。
【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に定例会見を開いた。その中で、岩月進会長が中医協での敷地内薬局をめぐる議論に対してコメントした。
最新の投稿
【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調
【2026.02.13配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は2月13日にメディア向け説明会を開いた。その中で、アフターピルの情報提供について触れ、慎重な対応を強調。ただ、メーカー資材を中心として「必要な時に必要な情報を届けられるようにすることも仕事」とし、取り組んでいることを説明した。
【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。後発薬調剤体制や供給体制、地域支援の要件を求める「地域支援・医薬品供給対応体制加算」はこれら要件の旧来の点数の合算から考えると3点の減点ともいえる。
【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点する。
【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長
【2026.02.12配信】日本保険薬局協会は2月12日に定例会見を開いた。この中で会長の三木田慎也氏は、次期調剤報酬改定の項目、いわゆる“短冊”について触れ、「門前薬局等立地依存減算」について「到底、受け入れらない」と強調した。「患者さんの動向、患者の志向、いわゆるマーケットインの発想が調剤報酬をつくる側に全く意識されていない結果」と述べた。
【緊急避妊OTC薬】取扱店検索システム提供/第一三共ヘルスケア
【2026.02.08配信】第一三共ヘルスケアは2月3日、緊急避妊薬「ノルレボ」の販売店検索システムを公開した。最寄りの取扱店舗を位置情報から検索できるほか、駅名・住所からも検索可能。