米国の薬価引き下げ法案を引き合いにすること、「制度が全く違う」
赤名氏は、11月7日に財政審で出された資料の中で、毎年改定において「完全実施」と提言されていることに触れ、米国で薬価を引き下げる法案が成立されたことが引き合いに出されていることに反論した。
「アメリカで国民負担を軽減するために特例的にメディケアという公的保険で薬価を引き下げる法案が成立されたということが(財政審資料で)引き合いに出されていた。米国は全く違う薬価制度。自由薬価であり、日本のように定期的な引き下げはなく、むしろ企業が薬価を引き上げていくことが許容されている仕組みのマーケットだ。こういったマーケットと単純に国民負担の軽減という文脈のみ切り取って、前提がまったく異なる国の事例を引き合いに、四大臣合意である基本方針を超える改定を行う主張はなかなか理解しがたいものがあるのではないか」(赤名氏)と述べた。
そのほか、赤名氏は物価高騰・円安の影響を説明し来年度の改定の実施是非も含め慎重さを求める意見があることを紹介。実施する場合も改定率の緩和、もしくは新薬創出加算品目や基礎的医薬品などは改定から除外する措置を検討すべきとした。適用するルールについては市場実勢価格に基づき行うもの、実勢価改定と連動してその影響を補正するもの、そういったものに限定されるべきではないかとした。新薬創出加算の累積額の控除、もしくは長期収載品の特例引き下げ、Z2、G1、G2などは実施しないことが極めて妥当と考えているとした。