【中医協薬価専門部会】赤名専門委員、財務省の毎年改定の資料に「理解しがたい」

【中医協薬価専門部会】赤名専門委員、財務省の毎年改定の資料に「理解しがたい」

【2022.11.09配信】厚生労働省は11月9日、中央社会保険医療協議会 薬価専門部会を開催した。同日は医政局で開催している「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の議論の状況が報告された。この中で、専門委員の赤名正臣氏(エーザイ常務執行役)は、財政審の資料に関してコメント。制度が全く異なる米国において薬価を引き下げる法案が成立したことを引き合いに毎年改定を「完全実施」すべきとする提言には「理解しがたいものがある」と述べた。


米国の薬価引き下げ法案を引き合いにすること、「制度が全く違う」

 赤名氏は、11月7日に財政審で出された資料の中で、毎年改定において「完全実施」と提言されていることに触れ、米国で薬価を引き下げる法案が成立されたことが引き合いに出されていることに反論した。
 「アメリカで国民負担を軽減するために特例的にメディケアという公的保険で薬価を引き下げる法案が成立されたということが(財政審資料で)引き合いに出されていた。米国は全く違う薬価制度。自由薬価であり、日本のように定期的な引き下げはなく、むしろ企業が薬価を引き上げていくことが許容されている仕組みのマーケットだ。こういったマーケットと単純に国民負担の軽減という文脈のみ切り取って、前提がまったく異なる国の事例を引き合いに、四大臣合意である基本方針を超える改定を行う主張はなかなか理解しがたいものがあるのではないか」(赤名氏)と述べた。

 そのほか、赤名氏は物価高騰・円安の影響を説明し来年度の改定の実施是非も含め慎重さを求める意見があることを紹介。実施する場合も改定率の緩和、もしくは新薬創出加算品目や基礎的医薬品などは改定から除外する措置を検討すべきとした。適用するルールについては市場実勢価格に基づき行うもの、実勢価改定と連動してその影響を補正するもの、そういったものに限定されるべきではないかとした。新薬創出加算の累積額の控除、もしくは長期収載品の特例引き下げ、Z2、G1、G2などは実施しないことが極めて妥当と考えているとした。

この記事のライター

関連するキーワード


中医協 薬価改定

関連する投稿


【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】中医協の場で糾弾/日薬「報酬返還だけでなく薬事対応を」

【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】中医協の場で糾弾/日薬「報酬返還だけでなく薬事対応を」

【2026.03.11配信】厚生労働省は3月11日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、ウエルシアホールディングスのグループ会社であるコクミンの不祥事について特別にコメントし、「報酬返還だけでなく薬事上の対応を」と求めた。


【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【中医協】短冊修正点/服用薬剤調整支援料2の研修について追記

【2026.01.30配信】厚生労働省は1月30日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、次期調剤報酬改定の個別改定項目、いわゆる短冊の修正点を議題とした。調剤報酬に関しては、服用薬剤調整支援料2の研修について追記した。


【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【中医協】後発薬調剤体制加算を廃止、医薬品の安定供給体制評価を新設

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。後発薬調剤体制加算を廃止し、医薬品の安定供給体制評価を新設するとした。


【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【中医協】オンライン診療施設を設置する薬局は「敷地内薬局」

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。保険薬局と同一敷地内においてオンライン診療受診施設を設置する場合、当該保険薬局は敷地内薬局が算定する「特別調剤基本料A」を算定するとした。


【中医協】敷地内薬局“ただし書き”削除/遡求は「当面の間」適用外

【中医協】敷地内薬局“ただし書き”削除/遡求は「当面の間」適用外

【2026.01.23配信】厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題とした。項目を列記するもので点数は未定。敷地内薬局(調剤基本料の特別調剤基本料A)の除外規定である「建物内に診療所にが所在している場合を除く」との“ただし書き”規定を削除する。遡求適用については「当面の間」、該当しないとした。


最新の投稿


【東京都薬剤師会】「薬局の大規模化」提唱に疑問/髙橋会長

【東京都薬剤師会】「薬局の大規模化」提唱に疑問/髙橋会長

【2026.05.08配信】東京都薬剤師会は5月8日、定例会見を開いた。


【日本薬剤師会】「1点10円見直し一策」、「言っていない」/岩月会長

【日本薬剤師会】「1点10円見直し一策」、「言っていない」/岩月会長

【2026.05.08】日本薬剤師会は5月8日に定例会見を開いた。


【財政審】門前薬局等立地依存減算「既存薬局も含めた対応」の検討提案

【財政審】門前薬局等立地依存減算「既存薬局も含めた対応」の検討提案

【2026.04.28配信】財務省は4月28日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開いた。


【財政審】薬局の“小規模分散”の問題指摘/中医協「調剤その2」の資料引用

【財政審】薬局の“小規模分散”の問題指摘/中医協「調剤その2」の資料引用

【2026.04.23配信】財務省は4月23日、財政制度等審議会「財政制度分科会」を開き、「財政各論」の資料を提示した。この中で薬局について、昨年の中央社会保険医療協議会(中医協)の資料「調剤その2」の資料も引用しつつ、“小規模分散”の問題を指摘した。小規模分散の体制は、対人業務の充実や安定的な医薬品供給の観点から問題があるとした。


【令和8年度調剤報酬改定】施設基準届出チェック/6月1日期限は11項目

【令和8年度調剤報酬改定】施設基準届出チェック/6月1日期限は11項目

【2026.04.21配信】厚生労働省は4月20日、「令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリスト」を発出した。令和8年6月1日が届出期限となっているのは11項目。


ランキング


>>総合人気ランキング