同社は中期経営計画「Vision2026」を昨年からスタートしている。2026年5月期に売上高5000億円を目指すもの。青木社長は「数値ありき、力まかせで進めるのではなく、ビジョンや重点施策を実現することでお客様に支持をされることで5000億円を達成したい」と話した。
その上で、初年度の取り組み総括と2年目からの今期見通しを説明した。
中計では重点施策を3つ掲げている。
1つはフード&ドラッグへの転換、2つ目が調剤併設率70%、3つ目がドミナント化への移行だ。
1つ目の「フード&ドラッグ」に関しては、これまでのメインフォーマットであった300坪タイプから新しいフォーマットである400坪フォーマットへの転換を進めることで生鮮売場の充実を目指す考え。これまでは300坪タイプと450坪タイプがあったが、300坪では同質化競争に巻き込まれやすく、450坪では多店舗展開ができない課題があったとした。2020年10月に1号店を出店した400坪タイプでは他社との差別化ができる手ごたえを感じているとして、前期出店数では理想とする50%の比率で400坪タイプの出店ができており、多店舗化できることも確認できたとする。
野菜、肉の品揃えを強化することで「スーパーに行かなくても夕食の買い物ができる」店舗を目指す。
今期中に400坪タイプの完成を目指し、年末までに300坪タイプから400坪への改装店舗として、250店舗を目指す。3年間かけて300坪タイプをすべて400坪へ転換する。
2つ目の「調剤」については、生鮮強化で集客力が強化されているものの、信頼と利益獲得には必須との考え。
中計の初年度である前期は「ロケットスタート」をしたいとの思惑から、同社初となる年間3桁である100薬局の開局を実施。2年目となる今期も100薬局の開局を継続する。
併設率は今期末で61.8%を見込み、中計の目標である併設率70%へ向けて順調に進捗しているとした。
同社は新店では調剤室を設けた設計にしているため、開局への追加投資は最小限で済むという。またドラッグストアの売り場を縮小する必要もないため、開局によって売上の上乗せが可能とした。
調剤併設の最大の課題として新卒薬剤師の採用を挙げたが、昨年4月に100名の採用がかなったといい、今年4月には141名を採用した。さらに、来年4月には150名の採用を計画しているという。
3つ目の重点施策である「ドミナント化への移行」については、これまでのエリア拡大、高速出店の方針を転換し、既存営業エリアにおけるドミナントを強化する。
出店についても前期は102店舗の過去最高となったが、今期は90店舗とする。ただ、400坪タイプへの改装を実施するため、実質的な売り場の拡大は継続される見込み。
店舗増加率は前期12.3%、今期9.3%の計画だが、店舗大型化を考慮すると売り場増加率は15.4%の計算になるという。
投資額も前期を上回る302億円を計画する。
出店も既存エリアを強化。自社競合により売上引き下げ圧力がかかるが「地場固めが将来的な利益につながる」との考え。
出店ではM&Aも拡充する。エリアごとのM&Aによって生鮮MDを充実させるほか、好立地物件の獲得を目指す。過去のスーパーマーケットのM&Aでも、ドラッグ店への改装を実施している。地場スーパーマーケットのM&Aは継続していく考え。
同社では中計において、“ありたい姿”として、「あなたの町で便利な暮らしと笑顔につながる健康を支えるドラッグストア」を掲げており、「もっと便利に ずっと笑顔で」をキャッチフレーズにしている。

【クスリのアオキHD決算説明会】調剤を積極展開/今期100薬局の開局を継続/来年4月に150名の新卒薬剤師の採用計画
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