池野会長は会長就任中だった2年(一社化前を含めると3年)を振り返り、変化が非常に速くなっているとの感触を示した。
「コロナは落ち着いたと思ったらロシアの問題が起こった」と話した。
海外情勢に関連して仕入れ値が上昇している一方、売価に転嫁しづらい環境を憂慮した。
「海外からの商品の調達か多いので仕入れ値が影響を受けている。しかし、売価は上げづらい環境がある。ただ、それでいいのかとどうしても思ってしまう。ある程度、価格を上げていかないと。安く納品してよと言い続けると問屋やメーカーがダメになっていく。過度に要求してはだめだよねと話している」と語った。
加えて、物流に関しても人手不足やコスト上昇の中で共同物流を広げていく必要性に触れた。
「物流が悪くて届かなくなっているという話が聞こえてくる。共同物流という考え方が必要ではないか。運転手がいない、トラックがないと、もたなくなること懸念している」と話した。
佐渡地方などでは大手ドラッグストア企業が連携する物流がスタートしているというが、「同じドラッグストア業界だけでなくもっと広げて、スーパーとも共同物流することも考えていく必要があるのではないかと思っている」とした。
以前から協会が強化している環境問題への対応に関しては、ペットボトル回収などは根付いてきているものの、シャンプーや洗剤の容器の回収はまだ難しい面があると指摘。ただ、「回収に容器を持ってくる人はきれいに洗ってくる。消費者の意識も変わってきているのではないか」と変化を語った。
調剤を含めた医療行政に関しては「医療行政も大変だ」とした上で、「生活用品の供給基地としてのドラッグストアがぶれないようにしていく。地域住民の方々に迷惑をかけたり、住民の方の暮らしが息詰まっていくということがないようにと決意している」と強調した。
調剤に関しては「調剤併設のドラッグストアが増えている」と指摘し、「増えているということはそれにまつわる規制とか、きちっとした対応ができるようになる必要がある。ドラッグストアの調剤はだめだよねとならないようにしたい」とし、質の向上に注力していく意向を示した。
【日本チェーンドラッグストア協会】池野会長「ドラッグストアの調剤はだめだよねとならないように」/質向上へ注力意向
【2022.06.14配信】日本チェーンドラッグストア協会は6月14日に会見を開き、一般社団法人化から2期目となる会長就任が決まった池野隆光氏が挨拶した。池野氏は過疎地を含めた物流対策を強化する必要性などを指摘した上で、「商品供給拠点というドラッグストアの軸がぶれないようにしていきたい」と強調した。併設が増えている調剤に関しては「ドラッグストアの調剤はだめだよねとならないように」と語り、質向上に注力する方針を示した。
関連する投稿
【ドラッグストア協会】かかりつけ薬剤師「在籍年数」延長に反対
【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。かかりつけ薬剤師指導料の要件見直しについても要望した。
【ドラッグストア協会】敷地内薬局「ただし書き」撤廃でも、「新規開局に限定を」
【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。敷地内薬局について、施設基準において「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」を削除すべきとの意見が出ていることに対し、撤廃でされたとしても新規開局に限定すべきといった要望を表明した。
【ドラッグストア協会】敷地内薬局「連座制導入」なら「薬局事業撤退せざるを得ない」
【2025.12.05配信】日本チェーンドラッグストア協会12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定要望をを表明した。その中で、敷地内薬局「連座制導入」なら薬局事業から撤退せざるを得ないなどと、強い抵抗感を示した。
【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表
【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。
【ドラッグストア協会】若手経営者ディスカッションを開催/ドラッグストアショーで
【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日、定例会見を開き、8月8日から開催する第25回JAPANドラッグストアショーで若手経営者によるパネルディスカッションを開催すると説明した。
最新の投稿
【保険薬局協会】地域加算「基本料1」と「それ以外」で点数・実績要件統一を/次期改定要望
【2025.12.11配信】日本保険薬局協会は12月11日に定例会見を開き、会長の三木田慎也氏が次期調剤報酬改定の要望事項を説明した。調剤基本料に紐づいて区分のある地域支援体制加算について、「基本料1」と「それ以外」での要件や点数を統一することを求めた。
【病院薬剤師会】診療報酬改定議論「期待」/転所時評価などの要望反映で
【2025,12.10配信】日本病院薬剤師会(日病薬)は12月10日に定例会見を開き、厚労省中医協で議論の進んでいる次期診療報酬改定について、期待できるとの見方を示した。日病薬が要望事項に挙げていた転所時の情報共有への評価などが俎上にのっていることなどを評価した。
【2025.12.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は12月5日に定例会見を開き、中医協で規模の小さな薬局が該当することが多い「調剤基本料1」の除外範囲を拡大するとの議論について言及。特に大阪府と東京都に該当地域のある「特別区」が名指しされていることについて、都薬会長の髙橋正夫氏は、「大阪府薬が会見で“絶対に許さない”と表明されているが、都薬も同じ考えだ」と話した。
【ドラッグストア協会】かかりつけ薬剤師「在籍年数」延長に反対
【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。かかりつけ薬剤師指導料の要件見直しについても要望した。
【ドラッグストア協会】敷地内薬局「ただし書き」撤廃でも、「新規開局に限定を」
【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。敷地内薬局について、施設基準において「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」を削除すべきとの意見が出ていることに対し、撤廃でされたとしても新規開局に限定すべきといった要望を表明した。