同日の会見で「OTC医薬品産業グランドデザイン改訂版 to 2025」を提示した。
その中で、「残り3ヵ年で重点的に取組む政策課題、 及び追加するもの」として以下の5項目を示した。
1)健康・くすり教育支援
学校教育等で、 健康・くすり教育に活用できる教育資材を作成。今後は、それを使って教育支援が具体的に進められるよう行政や関係方面への働きかけを実施。(オンラインでの教育対応も準備)
2)医師、 薬剤師等、専門家との連携強化
今回のコロナ禍で、 医師とのセルフメディケーション連携は必要不可欠と判断。 従来からの薬局やドラッグストア等からのOTC医薬品販売と合わせて、医師によるオンライン健康相談等でセルフメディケーション普及啓発と適切な0TC医薬品の勧奨を強化。
3)スイッチOTCと検査薬の拡大
スイッチ評価検討会議、 内間府規制改革推進会議、 薬食審体外診断薬部会等への働きかけ強化。検査薬では、臨床検査薬協会と合同部会&WG再編成し、 協働で検査薬OTC化に向けて活動。スイッチ候補成分は、2025年度迄に各社の承認申請がスムーズに進められるよう環境整備。
4)セルメ税制改正で更に普及啓発を強化
今回の対象品目拡大とスマートレシートやオンライン対応による申告手続きの簡素化で活用実績を伸ばし、それに基づき5年後の税制改正で更なる対象範囲拡大を実現する。
5)環境保全活動を4つ目の環境整備として追加
これまで各社で取り組んできた環境保全など、 SDGs活動について、協会として最大公約的に取りまとめ、 関係団体と共に目標を持って取り組む。→会員企業ごとで全ての達成を求めるものではなく、 団体としての総和で達成を目指す
上記の通り、セルフメディケーションの推進として医師との連携に光を当てている。
協会は診療報酬上の手当てもセルフメディケーションに必要と提案しているとされるが、このことに対し記者から質問が出ると、黒川達夫理事長は「協力の中には第一線の医師や薬剤師、医療従事者のご理解を得て利便性と健康の提供を実現していく必要があり、(診療報酬上の施策も)重要なポイントである」と語った。その上で、「実現にあたっては今の制度がある」ともし、政治家や行政で議論をしてもらっている最中で連携をしていくとの考えを示した。
さらに抗原検査薬を含めたOTC薬の範囲拡大について黒川理事長は、「特に感染症関連のOTCに対しての期待は国民の声でもあると思っている。前向きにお役に立てないかという姿勢で望んでいる」と話した。
加えて記者から緊急避妊薬のOTC化への考えを改めて問われると、黒川理事長は「OTC薬として適切な使用が確保できるような方策を関係者、専門家のみなさまと意見交換し、社会の声に応えていきたいと思っている。転売への危惧などのご意見あるが薬剤師の方々のご尽力などで克服できるという声もある。状況は急がれるという中で協会としても前向きに提案をし、できるような工夫はあるのではないかとの意見を出しながら事案に望んでいるところ」とした。

【日本OTC医薬品協会】「医師によるオンライン健康相談等でセルフメディケーション啓発」をグランドデザインに
【2022.05.16配信】日本OTC医薬品協会は5月16日に会見を開き、OTC医薬品産業のグランドデザインなどを説明した。この中で「医師によるオンライン健康相談等でセルフメディケーション啓発」を行うことなどを記載した。
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