【日本薬剤師会】規制改革への意見「従来から変わっていない」/薬剤調製の外部委託や薬剤師の員数規定見直し議論に

【日本薬剤師会】規制改革への意見「従来から変わっていない」/薬剤調製の外部委託や薬剤師の員数規定見直し議論に

【2022.04.28配信】日本薬剤師会(日薬)は4月28日に定例記者会見を開いた。この中で前日に開かれていた規制改革推進会議ワーキング・グループ(WG)で答申への検討項目案として薬剤調製の外部委託実現や薬剤師の員数規定見直しが挙げられたことに関連して、会長の山本信夫氏は、「従来からスタンスは変わっていない」と述べ、改めて反対との姿勢を示した。


対人シフト、「モノの手を抜けということではない」

 規制改革推進会議WGでの議論に対し、山本信夫会長は「会議が開かれるということは聞いているが、クローズドな会議だと承知しており、まだ十分に確認はできていない状態だ」と断りを入れた上で改めて日薬として外注や薬剤師員数規定の見直しについては反対との立場を示した。

 「骨太(の方針)と合わせていくのか、最終的にどんな形に規制改革が進められるのかの文言はみえていない。昨年来の規制改革推進会議の場で誰がどういうスタンスでいるのか把握できないが、調剤の外注という話が出ている。ことの起こりは一包化をどうするかだと思っているが、いつのまにか調剤に変わっているという意味ではわれわれ会内でも気にしながら議論している。薬剤師の員数規定や外注の問題について従来通りのスタンスが変わっているつもりはない。当方は当方の意見を言わせていただいている。(規制改革推進会議に対しては)こちらが主張していることについてはご理解いただきたいと思っている」(山本会長)と述べた。

 その上で、対人業務拡充の方向性については「モノの管理があって初めて正しく患者に(医薬品が)渡る」として、対物業務を軽んじるという意味ではないとの見解を示した。
 「薬剤師の立場からすれば処方箋40枚に1人の薬剤師でまかないきれるのかどうか。今回の調剤報酬改定も全体としてはモノからヒトへということで対人業務の充実をはかれということだが、その一方でモノに対する管理も手抜かりなくしろというのが国のスタンスだと思っている。モノの管理ということがあって初めて正しく患者の手に渡る。単純にモノからヒトへという理屈だけではことが済まないのが医療の世界だ。そういった意味では片方でモノの管理をしながら、加えて患者さん(の薬物療法)を個別化するために薬剤師が仕事をする。モノの手を抜いてもいいんだということは平仄があっていないと思っている」(山本会長)と述べた。

業務効率化、「“人減らし”ではなく“できる仕事を増やす”議論」

 加えて、業務の効率化についても“人減らし”ではなく、“できることを増やす”議論が重要だとの見解を示した。
 「効率化できる部分は効率化するのかもしれないが、それは“人減らし”ではなしに、仕事ができるためにできる仕事を増やしていこうということ。単純な省力化ということではない。1人で10人分の仕事ができるのか、単純に数を減らせばいいという話ではないと思っている。そうした議論が規制改革の中で、40枚に1人置けとか、調剤を外注してはいけないという規制をただ壊すというのは、それは改革ではなしに破壊だと思っている。しっかりとその中身について議論が必要だ。仮にそういう方向を出すのであればなぜそれがあったのか。それをなしに進めるのは、いささか私どもとしては心外。今でも外注については反対だし、どれぐらいの人が要るのかということについては一定のメルクマークは必要だと思うが、その中でどういう人の入れ方をするのかということについては専門職が判断するものであって、どれぐらいの専門職がその施設にいるのかは合理性がなくてはいけない。単に数の制限をするのはいかんと、処方箋40枚規定を俎上に載せるのは少しやりすぎではないかと今でも思っている」(山本会長)とした。

 「結果がどうなるか分からないが、あらゆる場、規制改革の場でも繰り返している」(山本会長)と述べた。

 「このニュースを見た規制改革の方々からけしからんと言われるのかもしれないが、われわれの主張は主張としてさせていただきたいと思っている」と述べた。

この記事のライター

関連する投稿


【日薬次期理事案】書面決議は可決、総会での信任投票へ/飯島氏、徳吉氏を削除した候補者議案の書面決議

【日薬次期理事案】書面決議は可決、総会での信任投票へ/飯島氏、徳吉氏を削除した候補者議案の書面決議

【2024.06.14配信】日本薬剤師会の次期理事候補者変更案について行われていた現執行部による書面決議が、このほど全員賛成で承認された。このあと、30日の総会で代議員による信任投票が行われる見通し。


【日薬次期執行部人事】若手の飯島氏と徳吉氏の登用を断念

【日薬次期執行部人事】若手の飯島氏と徳吉氏の登用を断念

【2024.06.07配信】日本薬剤師会の次期執行部人事案の中で、若手である飯島裕也氏と徳吉雄三氏の登用を断念する方向となった。


【日本薬剤師会】特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の算定、「現時点においては慎重に」

【日本薬剤師会】特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の算定、「現時点においては慎重に」

【2024.06.06配信】日本薬剤師会は6月5日、都道府県薬剤師会担当役員宛てに、「長期収載品の選定療養に係る調剤報酬点数の取り扱い(特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の算定)について」を発出した。「現時点においては慎重に考えていただく必要がある」としている。


【日本薬剤師会】「自民党 薬剤師問題議員懇談会」開催/中間年改定への懸念示す

【日本薬剤師会】「自民党 薬剤師問題議員懇談会」開催/中間年改定への懸念示す

【2024.06.05配信】日本薬剤師会および日本薬剤師連盟は6月3日、「自民党 薬剤師問題議員懇談会」を開催した。5日の日薬定例会見で明らかにしたもの。


【岩月・次期日薬会長】「県薬との連携は重要」/“非会員”飯島氏の新理事入りへの反対意見に

【岩月・次期日薬会長】「県薬との連携は重要」/“非会員”飯島氏の新理事入りへの反対意見に

【2024.05.30配信】日本薬剤師会は5月29日、都道府県会長協議会を開催した。この中で、長野県薬剤師会は県薬非会員である飯島裕也氏(上田薬剤師会)の次期理事入りに対して、一部報道があった通り、反対意見を表明。次期会長候補である岩月進氏に見解を求める場面があった。


最新の投稿


【日登協】組織名変更、「日本医薬品登録販売者会」/職能団体としての位置づけを強化

【日登協】組織名変更、「日本医薬品登録販売者会」/職能団体としての位置づけを強化

【2024.06.14配信】日本医薬品登録販売者協会は6月14日に会見を開き、組織名を「日本医薬品登録販売者会」に変更すると公表した。職能団体としての位置づけを強化する。略称は「日登会」とする。


【日薬次期理事案】書面決議は可決、総会での信任投票へ/飯島氏、徳吉氏を削除した候補者議案の書面決議

【日薬次期理事案】書面決議は可決、総会での信任投票へ/飯島氏、徳吉氏を削除した候補者議案の書面決議

【2024.06.14配信】日本薬剤師会の次期理事候補者変更案について行われていた現執行部による書面決議が、このほど全員賛成で承認された。このあと、30日の総会で代議員による信任投票が行われる見通し。


【中医協】賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示

【中医協】賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示

【2024.06.14配信】厚生労働省は6月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬調査専門組織(入院・外来医療等の調査・評価分科会)を開催した。その中で賃上げにかかる調査・検証について把握方法を提示した。


【医薬品供給不安】安定確保薬の定期的な見直しを/日本医学会連合が提言

【医薬品供給不安】安定確保薬の定期的な見直しを/日本医学会連合が提言

【2024.06.14配信】日本医学会連合は6月12日、厚労省に「医薬品安定供給に関する提言を提出した。我が国の健康に関する安全保障上、国民の生命を守るため、切れ目のない医療供給のために必要で、安定確保について特に配慮が必要とされる医薬品である「安定確保医薬品」については、リストの定期的な見直しとその周知、政策への反映を求めている。


【チェーンドラッグストア協会】「調剤報酬委員会」常設に

【チェーンドラッグストア協会】「調剤報酬委員会」常設に

【2024.06.13配信】日本チェーンドラッグストア協会は6月12日、通常総会を開き、2024年度の組織人事並びに事業計画が承認された。


ランキング


>>総合人気ランキング