令和4年度調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師以外の薬剤師が、かかりつけ薬剤師と連携して必要な指導等を実施した場合の特例的な評価として、「服薬管理指導料の特例」59点を新設した。
算定対象は、当該保険薬局における直近の調剤において、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定した患者。
算定要件は、やむを得ない事情により、当該患者の同意を得て、当該指導料又は管理料の算定に係る保険薬剤師と、当該保険薬剤師の所属する保険薬局の他の保険薬剤師であって別に厚生労働大臣が定めるものが連携して、指導等を行った場合に、処方箋受付1回につき、算定する。
施設基準として、別に厚生労働大臣が定めるものは、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料に係る患者の同意を得た保険薬剤師と連携した指導等を行うにつき十分な経験等を有する者※(1名に限る。)であることとしていた。
「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」の要件として、以下の全て満たす保険薬剤師であることとした。
(1) 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。
(2) 当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること。
かかりつけ薬剤師による指導が望ましいものの、かかりつけ薬剤師が在宅業務など別の業務を行っている場合などを想定している。
算定に当たっては、かかりつけ薬剤師がやむを得ない事情により業務を行えない場合にかかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行うことについて、患者が希望する場合は、あらかじめ別紙様式2を参考に作成した文書で患者の同意を得ること。その場合、当該保険薬剤師の氏名について当該文書に記載することとしている。
かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師がかかりつけ薬剤師指導料の(6)に準じて、服薬管理指導料の注1に規定する指導等を全て行った場合に算定する。
かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師は、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化及び当該患者の指導において注意すべき事項等の情報をかかりつけ薬剤師と共有することとする。
かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行った場合は、当該服薬指導等の要点について薬剤服用歴等に記載するとともに、かかりつけ薬剤師に必要な情報を共有する必要がある。
【厚労省改定告示】“かかりつけ以外”の服薬管理指導料の特例、「薬局経験3年」「1年在籍」が要件
【2022.03.04配信】厚生労働省は3月4日、令和4年度診療報酬改定に係る省令・告知・通知を行った。新設された服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)」については、「薬局経験3年」「1年在籍」を要件とした。
関連する投稿
【中医協】医療DX推進体制加算、10月から3区分に/マイナ保険証利用率に応じて
【2024.07.17配信】厚生労働省は7月17日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、医療DX推進体制整備加算の取り扱いについて議論した。
【2024.06.29配信】日本薬剤師会は6月29日に定時総会を開催。午後に開かれたブロック代表質問では、令和6年度調剤報酬改定で新設された「医療DX推進体制整備加算」についてマイナ保険証の利用実績という要件の議論について質問があった。
【調剤報酬改定_疑義解釈(その8)】特定薬剤管理指導加算3ロ、「10月以前」算定可能/必要かつ十分な説明で
【2024.06.19配信】厚生労働省は6月18日、調剤報酬改定の「疑義解釈(その8)」を発出した。特定薬剤管理指導加算3ロについては、必要かつ十分な説明を行えば10月1日より前の時点でも算定可能とした。
【調剤報酬改定_疑義解釈(その8)】特定薬剤管理指導加算3のイロ、「初回」算定可能
【2024.06.19配信】厚生労働省は6月18日、調剤報酬改定の「疑義解釈(その8)」を発出した。
【日本薬剤師会】特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の算定、「現時点においては慎重に」
【2024.06.06配信】日本薬剤師会は6月5日、都道府県薬剤師会担当役員宛てに、「長期収載品の選定療養に係る調剤報酬点数の取り扱い(特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の算定)について」を発出した。「現時点においては慎重に考えていただく必要がある」としている。
最新の投稿
【日本薬剤師会_新理事の“横顔”④】小黒佳代子氏/「患者のための行動が、社会のためになり、自分を高める」
【2024.09.19配信】日本薬剤師会は岩月進新会長の下、6月30日の総会をもって新執行部を立ち上げた。本紙では、その中でも新たに理事になったメンバーに焦点を当てて取材、紹介する。第4回は小黒佳代子氏。
【厚労省】小林製薬“紅麹”問題、食品衛生法上の措置「必要」/プベルル酸を発生させない製造条件等
【2024.09.18配信】厚生労働省は9月18日、「紅麹関連製品に係る事案の健康被害情報への対応に関するワーキンググループ」(WG)を開いた。 その結果、小林製薬の紅麹関連製品に関して、食品衛生法上の措置が必要との結論にいたった。今後、プベルル酸を発生させない製造条件等を検討することになる。
【一次医療圏の薬局における夜間休日対応】市町村カバー率は85%
【2024.09.18配信】厚生労働省は9月18日に「第9回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」を開いた。この中で一次医療圏ごとの薬局における夜間休日対応の状況について速報値を公開した。速報値によると、市区町村1741のうち、薬局があるのは1603、このうち夜間・休日対応薬局があるのは1479だった。市町村のカバー率は85.0%の計算になる。
【“紅麹”問題】厚労省、新WG設置/小林製薬3製品への措置を検討
【2024.09.17配信】厚生労働省は9月17日、小林製薬株式会社の紅麹を使用した機能性表示食品(3製品)に係る健康被害情報に対して、食品衛生法上の措置の要否を検討する新たなワーキンググループ(WG)を設置した。
【電子処方箋推進会議】導入予定の公立病院名を公表/面的広がりに期待
【2024.09.12配信】厚生労働省は9月11日、「第3回電子処方箋推進会議」を開き、導入の課題や対応などについて議論した。