同調査は薬局自らが自己点検し、十分でないことに気づいた場合に改善を促すもの。
今回調査は、昨年10月から12月にかけて調査票を配布、回収した。
対象薬局・店舗数は4万9293軒で、このうち4万352軒から点検を実施した旨の報告が得られた。
報告のあった薬局・店舗数のうち、「該当する全項目について適切に実施していることを確認できた」のは97.5%だった。
会見に臨んだ安部好弘副会長は、今回から本来は規制の対象となっていない総合感冒薬等についても「濫用等のおそれのある医薬品」と同様に取り扱うことなどをチェック項目にしたことを説明した。
記者から自己点検の評価がほぼ満点の100%に近い状態であることから、「今後、第三者の調査も交えるなどの調査手法変更の予定はあるか」と質問が出ると、磯部総一郎専務理事は、「担当役員とも話しているのは、自己点検を実施した薬局の比率がまだ81.9%であり、この期間で点検できなかった薬局においてもまずはしっかり点検してほしいということがある」と述べた。
加えて、磯部氏は、「どうやって改善につなげていくかが重要だ」との考えを示した。
「国の方では覆面調査をしているが、覆面調査がいいのか、という話もある。どの薬局の、どこが悪かったのかがわからないと、改善につなげにくい。気づかせて、改善につながるサイクルについて県の薬務課と都道府県薬剤師会と順次、お話し合いをさせていただいているところ」と指摘した。「国に対しても薬局が悪かったところを理解して、分かった上で次につながる方向を(日薬)担当役員と厚労省でも話を進めている」と話した。
また、安部好弘副会長は「100に近いからやっても意味がないというものではなく、繰り返していくことが重要だと考えている。ルールが少しずつ変わることもあるので、その確認も含めて自己点検を繰り返していくことは重要だと考えている」と話した。今回から総合感冒薬を複数購入などのチェックに加えたことについても、「自分の薬局で販売しているOTC医薬品の成分を把握して、これもリスクを減らしていただくための気づきに生かしてほしいということ」とした。

【薬剤師会】医薬品販売制度の自己点検調査/総合感冒薬も複数購入チェック
【2022.03.02配信】日本薬剤師会は3月2日に定例会見を開き、「医薬品販売制度対応に関する自己点検」の実施結果について報告した。今回調査から、規制の対象となっていない総合感冒薬等についても「濫用等のおそれのある医薬品」と同様に取り扱うことなどをチェック項目にした。
関連する投稿
【日本薬剤師会】“アクションリスト”、「早急に」作成・公表/地域医薬品提供体制強化で
【2025.04.10配信】日本薬剤師会は4月10日に定例会見を開き、地域医薬品提供体制強化のための「アクションリスト」について、「早急に」作成、公表したい考えを示した。
【日本薬剤師会】公式キャラクター「ふぁるみん」47都道府県ご当地版作成/LINEスタンプも
【2025.04.10配信】日本薬剤師会(日薬)は4月10日に定例会見を開いた。この中で公式キャラクターである「ふぁるみん」について、47都道府県ご当地版を作成したと報告した。日薬版ではLINEスタンプの配信も開始した。
【日薬_岩月進会長】「賃上げ・物価高騰に対応した財源を要望」/第105回臨時総会会長演述で
【2025.03.15配信】日本薬剤師会は3月15日に第105回臨時総会を開いた。この中で会長の岩月進氏は会長演述を行った。医療分野における賃上げ・物価高騰に対応した適切な財源を、引き続き政府に要望していく考えを示した。薬剤師においては、「今後は、処方箋調剤にとどまらず、健康サポート機能のさらなる充実、さらには人口減少地域や山間へき地、島しょ部への対応、休日・夜間や在宅医療等における医薬品提供の確立や、 OTC 医薬品や検査薬や衛生用品などを含めた供給拠点としての地域の薬局が必要な機能を発揮できるよう体制を整えていかなくてはならない」とした。
【日本薬剤師会】カスハラ防止ポスターを作成/HPからダウンロード可能
【2025.02.25配信】日本薬剤師会(日薬)は2月25日、「カスタマーハラスメント防止啓発ポスター」を作成したと公表した。日薬のホームページからダウンロードを可能とした。
【日本薬剤師会】TV アニメ『薬屋のひとりごと』とコラボ/描き下ろしお薬手帳
【2025.02.21配信】日本薬剤師会は2月21日、TV アニメ『薬屋のひとりごと』とのコラボレーション企画を実施すると公表した。「薬剤師や薬局の役割をより身近に感じていただくため」としている。
最新の投稿
【規制改革WG】事前処方・調剤の質疑への回答公表/在宅医療における円滑な薬物治療の提供で
【2025.05.01配信】規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ(第5回)」が5月1日、開催された。その中で令和7年3月14日に開催された「第2回健康・医療・介護 WG」に関する委員・専門委員からの追加質疑・意見に対する厚生労働省の回答を公表した。
【東京都薬務課】健康食品試買調査結果、79%が違反/効能効果の標榜に販売店のチラシなども注意
【2025.04.30配信】東京都薬務課は4月30日に定例会見を開き、都が毎年行っている健康食品試買調査の結果を説明した。124製品中、98製品、79%に不適正な表示、広告が発見されたという。医薬品的な効能効果の標榜を禁止している薬機法違反も多いが、景品表示法、食品表示法、特定商取引法などの違反も見られる、都では複数の法律で規制されている健康食品を取り扱う事業者に向けて講習会を開いており、講習会参加なども生かして法令遵守に取り組んでほしいとしている。
【厚労省_疑義解釈(その24)】DX加算のマイナ保険証利用率について
【2025.04.28配信】厚生労働省は4月25日、診療報酬改定についての「疑義解釈(その24)」を発出した。「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の1つであるマイナ保険証利用率について回答。4月については在宅患者を分母から引いて構わないとしている。現在は通常の外来患者がマイナ保険証を利用した場合のみが反映されているため。5月以降については、居宅同意取得型のオンライン資格確認によるマイナ保険証利用件数が社会保険診療報酬支払基金から通 知するマイナ保険証利用率集計に含まれる予定。
【日本薬剤師会】電子お薬手帳ビューワー、他職種への周知を依頼
【2025.04.26配信】日本薬剤師会は電子おくすり手帳簡易ビューワーアプリ「e薬 SCAN」について、他職種への周知依頼を都道府県薬剤師会宛てに発出した。
【財政審】 後発薬調剤体制加算等、政策目標の達成状況を踏まえ「必要に応じ報酬体系の再編を」
【2025.04.23配信】財務省は4月23日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開催した。