インタビューの中で原氏は、日本医療ベンチャー協会は「オンラインが対面と共存できる」との立場であるとし、オンライン特化薬局などを要望している経団連(日本経済団体連合会)のスタンスとは一線を画していることを示唆した。
ヘルステック議連に関しても、事業者だけでなく医療者、患者が重要性を認識していることが普及につながるとの考えから、勉強会などを支援しているとした。
一方、経団連などが要望しているオンライン特化薬局が登場するような規制撤廃後の未来予想に関しては、「ゼロか100ではない」としつつも、「10%でもオンライン化するようであれば業界へのインパクトは大きい」などと話した。
■有料版「ドラビズfor Pharmacy」で詳報
「ドラビズfor Pharmacy」の媒体概要は下記より
https://www.dgs-on-line.com/boards/5

日本医療ベンチャー協会・原聖吾理事(取材はオンラインで行われた)
編集部コメント/オンライン服薬指導の議論が見えづらい/WGの議論に注目
原理事はインタビューの中で、「オンライン服薬指導に関する表立った議論が見えづらい」と述べていた。オンライン診療に関しては厚労省で指針の見直しに関する検討会が行われており、そういった議論の積み上げが中医協でも「対面との適切な組み合わせ」に決着した背景があるのではないだろうか。
■当メディア関連記事
【中医協】オンライン診療の評価、対面の9割水準か/対面診療との「適切な組み合わせ」で決着
https://www.dgs-on-line.com/articles/1372
一方、オンライン服薬指導に関しては昨年11月30日に厚労省からパブコメ募集された改正案が出て、12月29日にパブコメは終了しているものの、その後、規制改革推進会議と厚労省の間で調整が続いているとされる。薬局関係者のほとんどからはその議論の過程は見えづらいといえるのではないか。
ただ、厚労省は「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の下に設置した「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」(WG)の第2回の議論でオンライン服薬指導を議論する予定にしている。この場で、これまでの議論の過程や論点がある程度、明らかになるとみられる。要注目だ。
なお、第2回WGの議題は以下の通り。
【第2回:薬剤師・薬局のDX】
① 薬剤師が在宅(薬剤師の自宅等)での服薬指導を認めるべきとの意見についてどのように考えるか。
② どのような場合にオンライン不可で対面が必要となるか。
③ 電子処方箋、オンライン服薬指導、マイナポータルを通じた各種医療情報の共有等のデジタル技術の進展を踏まえ、薬局薬剤師の業務はどのように変化していくべきか。