【ドラッグストア協会】調剤基本料3-ハ、「根拠がない」/不快感を表明

【ドラッグストア協会】調剤基本料3-ハ、「根拠がない」/不快感を表明

【2022.02.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は2月17日に定例会見を開いた。この中で記者から今春の調剤報酬改定で新設される調剤基本料3-ハに関しての見解を聞く質問が出ると、池野隆光会長は「全く根拠がない。不愉快だ」と述べた。


 記者から、調剤実施店舗数300店舗以上で処方箋集中率85%以下の企業の調剤基本料を引き下げる調剤基本料3-ハについての見解について質問が出ると、池野隆光会長は「全く根拠がない。不愉快だ」と述べた。

 「なぜ店舗数で(引き下げを)やるのですか。その根拠がない。ドラッグストア狙い撃ちという指摘があるが、まさに狙い撃ちでしょうと思っている」(池野会長)と述べた。
 「どう考えても法律的におかしくないか。法律で動いているわけだから。全く法律と関係がない。店舗数で収益がいいということはない。佐渡のような採算の悪い店舗でも(ドラッグストア企業は)使命感から出店もしている。店舗ごとに許可を与えているはずだ」(池野会長)と述べた。

  なお、ドラッグストア7~8社が該当する見込みと述べた。
 その上で、「根拠はない。法律に合わないことをやろうとしている」(池野会長)と述べた。

 根津孝一副会長も「国は面分業はもういいやという考えなのか」と憤りをみせた。

 さらに専務理事の中澤一隆氏は「来週の協会の役員会で議論になると思う」と述べ、「あくまで私見」としたうえで、次のように述べた。

 「1つは集中率関係なく、基本料を減額するというのは、一線を越えた禁じ手ではないか。収益をめしあげる江戸時代みたいな話。2つ目は、自由主義経済を標ぼうする自由民主党がこれをいいと思うのか。2年後の重大な政治イシューになるのではないか。3つ目は薬剤師がドラッグストア業界でも何万人もいる。中医協の診療側に薬剤師の代表がいて、それを阻止できなかったのか。すでに(現場の薬剤師から)不満はきている。4月以降、さらに(不満の声が)大きくなるのではないか」(中澤専務)とした。

この記事のライター

関連する投稿


【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、物価上昇および賃上げ分を含めたプラス改定を求めている。


【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、いわゆる敷地内薬局を対象とした基本料である「特別調剤基本料A」に設けられている「7種類以上の内服薬を調剤した場合には薬剤料が90/100 に減算」となる報酬体系を撤廃することを求めている。


【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】調剤額伸び率鈍化、「まだ併設出店意欲ある」/今後の伸び率維持に自信

【ドラッグストア協会】調剤額伸び率鈍化、「まだ併設出店意欲ある」/今後の伸び率維持に自信

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日、定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】OTC類似薬の保険適用除外論議にコメント

【ドラッグストア協会】OTC類似薬の保険適用除外論議にコメント

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


最新の投稿


【販売中止】「フルナーゼ点鼻液」/グラクソ・スミスクライン

【販売中止】「フルナーゼ点鼻液」/グラクソ・スミスクライン

【2025.06.16配信】グラクソ・スミスクラインは6月16日、同社が販売する「フルナーゼ点鼻液」について、年内を目途に販売を中止することを公表した。


【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。


【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。


【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。