【薬剤師会】改定答申への見解を公表「地域医療における薬剤師·薬局の貢献がさらに重要性を増している」

【薬剤師会】改定答申への見解を公表「地域医療における薬剤師·薬局の貢献がさらに重要性を増している」

【2022.02.09配信】日本薬剤師会は2月9日、令和4年度診療報酬(調剤報酬) 改定に係る答申を受けて、会見を開き、答申への見解を示した。「地域医療における薬剤師·薬局の貢献がさらに重要性を増している」などとした。


 日本薬剤師会が公表した見解(文書)は以下の通り。

■令和4年度診療報酬(調剤報酬) 改定に係る答申を受けて

 本日、中央社会保険医療協議会において、 令和4年度診療報酬改定について後藤厚生労働大臣に答申がなされました。

 今回は、社会保障審議会(医療保険部会 医療部会)の改定基本方針で示された「新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的·効果的で質の高い医療提供体制の構築」 「患者·国民にとって身近であって、 安心·安全で質の高い医療の実現」「効率化適正化を通じた制度の安定性·持続可能性の向上」等に基づき、調剤関連では「かかりつけ薬剤師の機能の評価」 「薬局・薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進」 「医療における ICT利活用· デジタル化への対応」 などを中心に議論が行われました。

 具体的には、かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合の評価、医療的ケア児に着目した薬学的管理の評価、オンライン資格確認システムを通じた患者情報等の活用等に係る評価などが新設されました。 一方、 服薬情報等提供料、服用薬剤調整支援料、 後発医薬品調剤体制加算等の見直しも行われました。
 
 さらに、地域支援体制加算については地域医療への貢献に係る体制や実績に応じた類型化と連携強化加算が新設され、 地域医療における薬剤師·薬局の貢献がさらに重要性を増しているものと理解しております。

 また、これまで指摘されてきた調剤料の在り方については、 調剤料と薬剤服用歴管理指導料に係る業務内容を整理し、新たに 「薬剤調製料」「調剤管理料」 「服薬管理指導料」として再編成されました。 これは、 対物中心から対人中心へ業務の転換を進める観点から、 薬剤師薬局業務の評価の在り方が患者志向へと前進したものと考えております。

 さらに、症状が安定している患者について、 薬剤師による服薬管理の下、 一定期間内に処方策の反復利用を可能とするリフィル処方箋の仕組みが導入されました。リフィル処方箋の導入によって、 医師・薬剤師の連携体制の強化を目指すうえで、薬剤師の担う責任はさらに大きくなると同時に、 薬物治療における薬剤師の役割に期待が寄せられているものと受け止めております。

 今回の改定は、2024年の診療報酬と介護報酬の同時改定、2025年の地域包括ケアシステムの実現を見据えた超高齢化社会を意識した内容となっており、 地域住民·患者への医薬品アクセスや安全·安心な医薬品使用の確保等について、 薬剤師·薬局が多職種と連携し、 その機能をさらに発揮することへの期待を鮮明に示した内容と理解しております。 本会としては、今改定の趣旨やそこに込められた社会からの期待や要請に的確に応えられるよう、 引き続き努力して参る所存です。

令和4年2月9日
日本薬剤師会会長
山 本 信夫

この記事のライター

関連するキーワード


日本薬剤師会 調剤報酬改定

関連する投稿


【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。


【日薬】医薬品情報共有「N-Bridge」運用開始/薬剤師会に対しては従来のFAXコーナーから切り替え

【日薬】医薬品情報共有「N-Bridge」運用開始/薬剤師会に対しては従来のFAXコーナーから切り替え

【2025.10.08配信】日本薬剤師会は10月8日に定例会見を開き、医薬品情報共有機能を含めた薬局DX基盤サービス「N-Bridge」の運用を開始すると説明した。薬局に対しては、電子お薬手帳・処方箋受付・医薬品情報共有・医薬品発注等の機能を統合したシステムを提供する。電子お薬手帳システム等を続合し、各都道府県・地域・支部 薬剤師会に対して従来のFAXコーナーから切り替えを行う見込み。


【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【2025.09.30配信】医薬品の流通を担う社会インフラ企業であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介氏)は、2025年10月12日(日)~13日(月・祝)に国立京都国際会館にて開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」に出展する。「かかりつけ薬剤師の新たな挑戦!健康・生活を支える商品と信頼」をテーマに、医療現場の業務効率化と患者様の満足度向上に貢献するソリューションを紹介する予定。


【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。


【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開いた。その中で岩月進会長は、10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で、「調剤」の議題の中で「病院薬剤師」について多くの意見が挙がったことについてコメントした。


最新の投稿


【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC

【2025.10.20配信】あすか製薬ホールディングスは10月20日、子会社のあすか製薬が緊急避妊薬「ノルレボ」の製造販売承認を取得したと公表した。承認取得を受け、第一三共ヘルスケアが同品の販売元として、発売に向けた情報提供体制の整備を進めるという。


【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。


【日薬・NPhA・JACDS】「安心を守る」薬剤師の役割で共同広告

【日薬・NPhA・JACDS】「安心を守る」薬剤師の役割で共同広告

【2025.10.16配信】公益社団法人日本薬剤師会(日薬)、一般社団法人日本保険薬局協会(NPhA)、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の3団体は、「国民の健康維持・増進を支援する」ため、薬剤師の役割と機能を広く発信する共同広告企画を実施する。


【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表

【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表

【2025.10.13配信】日本ジェネリック・バイオシミラー学会のOTC医薬品分科会(分科会⾧・武藤正樹氏)はこのほど、活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書を公表した。10月11日に盛岡市で開催された「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 第19回学術総会」「OTC医薬品分科会」のシンポジウムの場で示したもの。シンポジウムは日本OTC医薬品協会当の共催。


【日本薬剤師会】地域連携薬局「基本的な考え方」で質疑/奈良県薬・後岡会長

【日本薬剤師会】地域連携薬局「基本的な考え方」で質疑/奈良県薬・後岡会長

【2025.10.11配信】日本薬剤師会は10月11日、都道府県会長協議会を開催。質疑の中で地域連携薬局の「基本的考え方」について質問が出た。奈良県薬剤師会会長の後岡伸爾氏が質問した。