【ドラッグストア協会】「ワクチン・検査パッケージ」、店舗販売業でも許可を/内閣府に要望

【ドラッグストア協会】「ワクチン・検査パッケージ」、店舗販売業でも許可を/内閣府に要望

【2022.01.21配信】日本チェーンドラッグストア協会は1月21日、定例会見を開いた。この中で、政府が進める「ワクチン・検査パッケージ」に関わる抗原検査やPCR検査において、希望者が限られた店舗に殺到している状況を受け、「店舗販売業でも担えるよう内閣官房に要望している」と明かした。希望者に応えられるよう、拠点数を増やしたい考えだ。


 日本チェーンドラッグストア協会は、「ワクチン・検査パッケージ」において抗原検査などの対応拡充について政府から要請がきていることを明かした。
 協会会員企業において、協力店舗の拡大を進めており、現時点で5000店舗程度が協力しているという。
 一方、協会は「大規模会場では、薬剤師の立ち会いなく検査が行われている」と、薬局での検査との齟齬を指摘。
 「一般のドラッグストア(店舗販売業)を登録検査場所にするよう、内閣府に要望している」と明かした。

 協会会長の池野隆光氏は、「コロナ禍で店頭には検査をしてほしいという人がたくさんきている。その上、こうした希望者は事前に店舗に電話をかけてくるため、店舗のスタッフからは通常業務に支障が出ているとの声が挙がっている」と明かした。検査前の書類記入などにも時間を要しているとした。

 一方、通常業務と並行して行わなければならず、通常の患者と検査希望者との動線をどう確保するかなどで苦慮している点も説明した。

編集部コメント/検査希望に応えるには単純な「販売」を補助対象とすべきではないか

 検査の拠点増のために、店舗販売業での検査許容を求めているとしたドラッグストア協会だが、実際は、協会が指摘している通り、通常の患者と検査希望者の動線をどう分けるか、あるいは検査の立ち合いをするスペースをどう確保するかも大きな課題となっている。加えて、感染リスク拡大の懸念から二の足を踏む店舗もある。

 感染リスク低減のためにも、医療用抗原検査の単純な「販売」も補助(無料)の対象にすべきではないだろうか。
 医療用抗原検査については、薬局での販売解禁を受けて、仕入れている薬局も少なくないが、有料である抗原検査キットの販売よりも、無料の「ワクチン・検査パッケージ」のスキームに生活者が押し寄せている実情もあるのではないだろうか。

 こうした点について、協会は、「購入し、そのあとに購入者の申請によって償還払いにするなど、いろいろな方法は相談している」と話した。

 実は薬局からは、動線やスペースの確保ができないことを理由に、検査パッケージに参加しずらいとの指摘が出ている。特に都心の薬局ではビルテナント内の出店も多く、構造上の問題からスペースを確保しずらい事情がある。

 感染予防と経済活動の速やかな両立のためにも、いま取り組むべきは、検査実施の増加だ。市中の薬局に出回っている抗原検査キットを有効に活用するためにも、単純な“販売”の補助対象化を進めるべきではないだろうか。

この記事のライター

関連する投稿


【ドラッグストア協会】ショー来場者9万7944人/昨年より3万9000人増

【ドラッグストア協会】ショー来場者9万7944人/昨年より3万9000人増

【2024.09.02配信】日本チェーンドラッグストア協会は「第24回JAPANドラッグストアショー」の来場者が昨年より3万9072人多い9万7944人だったと公表した。


【日本チェーンドラッグストア協会】ショー内でフェムケアゾーン展開/女性の“生きやすさ”にも貢献へ

【日本チェーンドラッグストア協会】ショー内でフェムケアゾーン展開/女性の“生きやすさ”にも貢献へ

【2024.08.30配信】日本チェーンドラッグストア協会の主催で8月30日~9月1日まで開催しているJAPANドラッグストアショー。展示場の中ではフェムケアコーナーを設置し、午前には会見が行われた。


【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【一般用抗原定性検査キット】コロナ“第11波”で薬局入手困難に

【2024.08.29配信】新型コロナウイルス感染症の“第11波”ともいわれる感染拡大で、一般用抗原定性検査キットが不足している。日本薬剤師会は厚生労働省に対し、不足解消に向けた措置を要望した。


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【ドラッグストアショー】8月30日(金)〜9月1日(日) の3日間開催/日本チェーンドラッグストア協会

【ドラッグストアショー】8月30日(金)〜9月1日(日) の3日間開催/日本チェーンドラッグストア協会

【2024.06.25配信】日本チェーンドラッグストア協会は「第24回JAPANドラッグストアショー」を2024年8月30日〜9月1日の3日間にかけて東京ビッグサイトで開催すると公表した。


最新の投稿


【調剤医療費の伸び】日薬森副会長「処方箋単価は薬剤料減少、中間年改定は慎重に」/中医協

【調剤医療費の伸び】日薬森副会長「処方箋単価は薬剤料減少、中間年改定は慎重に」/中医協

【2024.09.11配信】厚生労働省は9月11日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催した。この中で、令和5年度医療費動向について議論した。


【全薬工業】防災士と「危機備えバッグ・ポーチ」をコラボ開発/かぜ薬ブランド“ジキニン”で

【全薬工業】防災士と「危機備えバッグ・ポーチ」をコラボ開発/かぜ薬ブランド“ジキニン”で

【2024.09.10配信】全薬工業株式会社 (本社:東京都文京区 代表取締役社長 橋本弘一氏)は、同社かぜ薬ブランド“ジキニン”で、「危機備えバッグ・ポーチ」を開発した。同社は、2022年から、生活者の暮らしにゆとりをうむことを目的とした“ゆとりうむプロジェクト”(https://yutorium.jp/)とともに、「かぜ備えプロジェクト」を展開している。今年はその第3弾として、「危機備え」習慣を発表。具体的なコンテンツとして、ゆとりうむプロジェクト理事・料理研究家・防災士である島本美由紀氏とともに、日常のピンチに対応する「危機備えバッグ・ポーチ」を開発した。


【日本薬剤師会_新理事の“横顔”③】小笠原俊拓氏/従来から医療保険委員会に所属、事業継続性の面を支える

【日本薬剤師会_新理事の“横顔”③】小笠原俊拓氏/従来から医療保険委員会に所属、事業継続性の面を支える

【2024.09.10配信】日本薬剤師会は岩月進新会長の下、6月30日の総会をもって新執行部を立ち上げた。本紙では、その中でも新たに理事になったメンバーに焦点を当てて取材、紹介する。第3回は小笠原俊拓氏。


【メディカル一光】三重県薬の会営薬局2店舗を譲受

【メディカル一光】三重県薬の会営薬局2店舗を譲受

【2024.09.09配信】株式会社メディカル一光グループの連結子会社である株式会社メディカル一光は9月9日、同日開催の取締役会において一般社団法人三重県薬剤師会より2薬局を譲受けることについて決議したと公表した。


【日本薬剤師会_新理事の“横顔”②】山下由記氏/「ゆりかごから墓場まで、薬剤師ができることは何か」

【日本薬剤師会_新理事の“横顔”②】山下由記氏/「ゆりかごから墓場まで、薬剤師ができることは何か」

【2024.09.09配信】日本薬剤師会は岩月進新会長の下、6月30日の総会をもって新執行部を立ち上げた。本紙では、その中でも新たに理事になったメンバーに焦点を当てて取材、紹介する。第2回は山下由記氏。