日本保険薬局協会(NPhA)は8月5日、定例記者会見を開いた。
会見では医療制度検討委員会が調査した薬局・薬剤師の機能発揮と評価の現状と後発医薬品供給に関する緊急アンケートの結果も公表された。
薬局・薬剤師の機能発揮と評価の現状については、新型コロナウイルスの感染症の流行を受けてすべての年代において前年比で処方箋受付回数が減っているなか、特に乳幼児・小児の受付回数最大で67.3%も減少していることが判明した。
同時にかかりつけ薬剤師指導料算定率は、乳幼児・小児、75歳以上の高齢者で高いことからも、かかりつけ機能を発揮することが患者の薬物治療の質の向上に寄与しているとし、「かかりつけ機能、医療機関等との情報連携、在宅医療への対応等、 薬局が果たしている機能に基づき、公正に評価されるべきである」と強調した。
また後発医薬品供給の現状については、相次ぐ自主回収や出荷調整による数十品目もの新規採用など在庫管理のみならず調剤業務も煩雑になっているほか、卸からの欠品連絡の発生や納品の見通しが立たないといった品目が多く業務がひっ迫していることがわかった。
患者からの後発医薬品の使用に不安を訴える声や欠品による銘柄変更、医師のGE医薬品不信などに対応するといった現場の苦労が浮き彫りになった。
個別の医薬品に関しても、広い領域で出荷調整や欠品などで納品されない事例が多くみられた。
中には後発医薬品で調整がつかず、先発品に変更するケースや医師と治療方針について相談する事案も発生していることがわかった。
さらに、昨年12月に発覚した小林化工の不祥事を受けて、多くの薬局で後発医薬品への変更率が直近の半年間で下降に転じ、83.7%まで減少した。
後発医薬品変更率が上昇傾向にあった311薬局のうち、297薬局がマイナスに転じ落ち込みが激しいことが判明したとした。
後発医薬品の変更率の減少が大きい