【社保審医療保険部会】健保連・佐野氏、リフィルとフォーミュラリに「しっかり取り組んでいただきたい」/日薬は敷地内薬局に言及

【社保審医療保険部会】健保連・佐野氏、リフィルとフォーミュラリに「しっかり取り組んでいただきたい」/日薬は敷地内薬局に言及

【2021.06.26配信】厚生労働省は6月25日に社会保障審議会医療保険部会を開いた。その中で健康保険組合連合会副会長の佐野雅宏氏は、骨太方針に明記された反復利用処方箋やフォーミュラリについて、「しっかり取り組んでいただきたい」と述べた。


藤井委員、セルフメディケーションの政策強化を要望

 同日の部会では、議題として、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)、「成長戦略(2021年)」及び「規制改革実施計画」についてが取り上げられていた。

 健保連の佐野氏は、骨太方針に関して意見を述べ、「フォーミュラリの活用や、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策、いわゆるリフィルなどについて、しっかり取り組んでいただきたい」と話した。

 一方、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、敷地内薬局と後発医薬品の政策について言及した。

 敷地内薬局については、地域包括ケアの方針にもそぐわないとの考えを表明した。
 「敷地内薬局は、医療機能を分化・連携し、地域に患者を戻していく政策を阻害する要因にもなると強い懸念を持っている。適切な医薬分業のためはもちろん、かかりつけ機能の推進ともかけ離れている」として、検討を求めた。

 また、後発医薬品については、「薬剤師は今後も推進に協力していく」との前提を示したうえで、不祥事により信頼が大きく損なわれていることや安定供給にも支障が生じている現状を説明。先ごろの東京都薬剤師会の調査結果も紹介し、65%が調剤業務への影響を経験しているとした。
 その上で、「まずは信頼回復を最優先してほしい」と述べた。

 日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏は、コロナ禍における医療費減少の要因の一つとしてインフルエンザの減少なども考えられると説明されたことに関連して、「手洗い、消毒、うがいなどの自助による予防策の重要性が再認識された」とした。その上で、「コロナ対策として多額の医療費がかかる。コロナ対策だけでなく、新たな新薬の登場などもある。国民の間にセルフメディケーションの理解を進める施策をお願いしたい」と述べた。

 こうした自助の取り組みの重要性に関しては、慎重論もある。
 日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦氏は、藤井委員の発言に関連して、「一般感染症が減少しているのは事実だが、RSウイルス感染症など増えてきているものもあり、自助だけでは解決しない問題もあることも申し上げておきたい。経過をみていく必要がある」と述べた。

この記事のライター

関連する投稿


【日薬】骨太方針等でコメント/薬局情報のDX「質的向上に向けた大きな一歩」

【日薬】骨太方針等でコメント/薬局情報のDX「質的向上に向けた大きな一歩」

【2024.06.24配信】日本薬剤師会は6月24日、「経済財政運営と改革の基本方針 2024」及び「規制改革実施計画」等の 閣議決定を受けて、山本信夫会長名でコメントを発表した。薬局情報のDXに関する記載については「質的向上に向けた大きな一歩」として評価した。


【社保審】「令和6年度診療報酬改定の基本方針」議論/「薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価」例として記載

【社保審】「令和6年度診療報酬改定の基本方針」議論/「薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価」例として記載

【2023.09.29配信】厚生労働省は9月29日、社会保障審議会(社保審)医療保険部会および医療部会を開き、「令和6年度診療報酬改定の基本方針」について検討した。物価高騰・賃金上昇踏まえた対応のほか、「薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価」などを例として記載した。


【社保審】「薬剤自己負担の見直し」議論

【社保審】「薬剤自己負担の見直し」議論

【2023.09.29配信】厚生労働省は9月29日、社会保障審議会(社保審)医療保険部会を開き、「薬剤自己負担の見直し」の議論を開始した。


【骨太方針閣議決定】トリプル改定、「物価高騰・賃金上昇」踏まえた「必要な対応」明記

【骨太方針閣議決定】トリプル改定、「物価高騰・賃金上昇」踏まえた「必要な対応」明記

【2023.06.16配信】政府は6月16日、「経済財政諮問会議」と「新しい資本主義実現会議」の合同会議を開催。「経済財政運営と改革の基本方針 2023」(骨太方針)などをとりまとめ、その後開いた臨時閣議で閣議決定した。次期診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定については、「物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスが受けられるよう、必要な対応を行う」と明記した。原案では負担について「抑制の必要性を踏まえ」との記載があったが、「抑制」というネガティブな記述から変更があった。


【骨太方針2023原案公表】トリプル改定、物価・賃金上昇や人材確保の必要性から「必要な対応」

【骨太方針2023原案公表】トリプル改定、物価・賃金上昇や人材確保の必要性から「必要な対応」

【2023.06.07配信】政府は6月7日、経済財政諮問会議を開催し、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2023」原案を公表した。来春の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービスのトリプル改定に関しては、物価高騰・賃金上昇、 経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性から「必要な対応を行う」とした。ただ、「患者・利用者負担・保険料負担の抑制の必要性」も踏まえるとした。さらに与党とも調整を続け、今月中旬にとりまとめを目指す。


最新の投稿


【厚労省_一般用薬乱用防止事業】登録販売者会がオブザーバー参加

【厚労省_一般用薬乱用防止事業】登録販売者会がオブザーバー参加

【2024.10.22配信】日本医薬品登録販売者会(略称:日登会、会長:横山英昭氏=コスモス薬品社長)は、一般用医薬品の乱用防止事業にのワーキングスループにオブザーバー参加する。


【ドラッグストア協会】医薬品“声掛け”キャンペーン実施

【ドラッグストア協会】医薬品“声掛け”キャンペーン実施

【2024.10.21配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月18日に会見を開き、10月から年末にかけて、医薬品情報提供の「声掛け強化」キャンペーンを実施するとした。協会・業務執行理事の貞方宏司氏(サンドラッグ代表取締役社長CEO)が説明した。


【病院薬剤師会】薬剤師以外へのタスクシェア検討へ

【病院薬剤師会】薬剤師以外へのタスクシェア検討へ

【2024.10.19配信】日本病院薬剤師会は10月19日に地方連絡協議会を開催した。


【ドラッグストア協会】衆議院選の推薦、比例は「ほぼ公明党」

【ドラッグストア協会】衆議院選の推薦、比例は「ほぼ公明党」

【2024.10.18配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月18日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】顧問に磯部総一郎氏が就任/OTC薬協理事長と兼務

【ドラッグストア協会】顧問に磯部総一郎氏が就任/OTC薬協理事長と兼務

【2024.10.18配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月18日に定例会見を開いた。


ランキング


>>総合人気ランキング