藤井委員、セルフメディケーションの政策強化を要望
同日の部会では、議題として、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)、「成長戦略(2021年)」及び「規制改革実施計画」についてが取り上げられていた。
健保連の佐野氏は、骨太方針に関して意見を述べ、「フォーミュラリの活用や、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策、いわゆるリフィルなどについて、しっかり取り組んでいただきたい」と話した。
一方、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、敷地内薬局と後発医薬品の政策について言及した。
敷地内薬局については、地域包括ケアの方針にもそぐわないとの考えを表明した。
「敷地内薬局は、医療機能を分化・連携し、地域に患者を戻していく政策を阻害する要因にもなると強い懸念を持っている。適切な医薬分業のためはもちろん、かかりつけ機能の推進ともかけ離れている」として、検討を求めた。
また、後発医薬品については、「薬剤師は今後も推進に協力していく」との前提を示したうえで、不祥事により信頼が大きく損なわれていることや安定供給にも支障が生じている現状を説明。先ごろの東京都薬剤師会の調査結果も紹介し、65%が調剤業務への影響を経験しているとした。
その上で、「まずは信頼回復を最優先してほしい」と述べた。
日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏は、コロナ禍における医療費減少の要因の一つとしてインフルエンザの減少なども考えられると説明されたことに関連して、「手洗い、消毒、うがいなどの自助による予防策の重要性が再認識された」とした。その上で、「コロナ対策として多額の医療費がかかる。コロナ対策だけでなく、新たな新薬の登場などもある。国民の間にセルフメディケーションの理解を進める施策をお願いしたい」と述べた。
こうした自助の取り組みの重要性に関しては、慎重論もある。
日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦氏は、藤井委員の発言に関連して、「一般感染症が減少しているのは事実だが、RSウイルス感染症など増えてきているものもあり、自助だけでは解決しない問題もあることも申し上げておきたい。経過をみていく必要がある」と述べた。