【日本薬剤師会】“アクションリスト”、「早急に」作成・公表/地域医薬品提供体制強化で

【日本薬剤師会】“アクションリスト”、「早急に」作成・公表/地域医薬品提供体制強化で

【2025.04.10配信】日本薬剤師会は4月10日に定例会見を開き、地域医薬品提供体制強化のための「アクションリスト」について、「早急に」作成、公表したい考えを示した。


都道府県薬剤師会、地域薬剤師会、個々の薬局のそれぞれのレベルで「アクションリスト」具体的に記載へ

 医薬品の提供体制に関しては、特に在宅医療現場において訪問看護師が訪問した際に患者が薬剤を入手できないなどの指摘を受け、厚労省「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で対応について議論されてきたもの。

 3月31日に同検討会の「議論のとりまとめ」公表を受け、10日の日薬定例会見では、都道府県薬剤師会に向け、周知の連絡を発出したことを報告。文書では「喫緊にこの課題に取り組む」べく、「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト(仮称)」を策定中であり、今年度早期に公表する見込みとなっているとした。

 同日の会見で「どのような内容になるのか」との質問が記者から出ると、同会専務理事の上野清美氏は、同検討会で日薬が提示したフロー図の内容がベースになると説明した。

 同検討会では3月10日の第13回において日薬常務理事の橋場元氏が資料を提示、説明していた。その中にあったフロー図では、都道府県レベルでは都道府県薬剤師会が他職種や行政と連携・調整すること、市町村等のレベルでは地区薬剤師会が「地域の薬剤師機能の把握・分析及び周知広報」「地域の薬局が連携して薬剤師サービスを提供する体制づくり(休日・夜間対応を含む)」「地域の使用医薬品や在庫状況・流通実態の情報収集、地域関係者への周知」などを行うことが列挙されていた。個々の薬局でも「地域の在宅医療ニーズの再確認」等をした上で、「地域の薬局・他職種と連携して薬剤師サービスを提供」することなどとしていた。

 上野専務理事は、「検討会で提示したパワーポイントの資料に沿った内容を、噛み砕いたもので準備をしている」と明かした。「誰に向けてか」という点については、「各薬局レベル、地域薬剤師会レベルなど、できるだけ具体的に」記載を模索しているとした。
 

「リスト」は“一例”、各地域それぞれが議論・検討する必要あり

 「地域医薬品提供計画」は日薬が政策提言に掲げる政策であり、会長の岩月進氏が最優先事項として掲げている施策になる。
 医薬品を提供するという、薬局の基本的な役割に疑義が生じている中、漏れのない地域医薬品提供体制を構築できるか否かは、将来の薬局の存在を左右することになるであろう。
 地域の使用薬剤の把握などは、医薬品供給に悩む患者に対して薬局が能動的に解決策を示すことにもなるだろう。
 それぞれの主体が何を実行すればいいのか、“アクションリスト”の公表が注目される。

 一方、上野専務理事はアクションリストはあくまで一例であるとの考えも示した。 
 「日薬としてまとめたとしても、地域の実情に応じて各薬局、各薬剤師会が他職種や関係の団体、行政と連携・協議しながらやっていただき、状況に応じて対応いただくことになる。参考にしていただくものであり、一例としての提示だ」(上野専務理事)。そのため、単にリストに準拠するのではなく、各地域でそれぞれの主体が議論、検討する必要がある。
 
 公表の時期については、明言を避けた。ただ、「早急にやらなければいけないこと」(上野専務理事)とし、急ピッチで作成が進められていること、そして近々の公表を示唆した。5月中か、少なくとも夏にずれ込むことはなさそうな模様だ。

この記事のライター

関連するキーワード


日本薬剤師会

関連する投稿


【日本薬剤師会】会長候補者選挙、現職の岩月氏が挙手多数で当選

【日本薬剤師会】会長候補者選挙、現職の岩月氏が挙手多数で当選

【2026.03.29配信】日本薬剤師会は3月29日、臨時総会にて次期会長候補者選挙を行った。その結果、唯一の立候補者となっていた現職の岩月進氏が挙手多数で当選した。正式な就任は6月の総会となる。


【日本薬剤師会】ドーピング防止カードを作成

【日本薬剤師会】ドーピング防止カードを作成

【2026.03.25配信】日本薬剤師会は3月26日に会見を開いた。この中でドーピング防止カードを作成したことを報告。使用活用を促している。


【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】日薬岩月会長、「これから薬事監視入る」と予測

【ウエルシアHD傘下の薬局不祥事】日薬岩月会長、「これから薬事監視入る」と予測

【2026.03.11配信】日本薬剤師会は3月11日に定例会見を開いた。この中で会長の岩月進氏はウエルシアホールディングス子会社のコクミンにおける薬局不祥事について言及し、「おそらくこれから地元の厚生局などから薬事監視が入って人員の確保ができているかどうかを確認されると思う」と予測した。根本的な原因に人手不足があり企業責任は明白との考え。


【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【2025.12.23配信】日本薬剤師会は12月23日に定例会見を開き、日本薬剤師会の全国会員数調査報告について報告した。


【日薬】森副会長「基本料1の議論、手をつけること考えていない」

【日薬】森副会長「基本料1の議論、手をつけること考えていない」

【2025.12.03配信】日本薬剤師会は12月3日に定例会見を開いた。その場で中医協委員である副会長の森昌平氏は調剤基本料1を取り上げた議論に対して、日薬としては「対応は全く考えていない」と言及した。


最新の投稿


【日本保険薬局協会】地域連携薬局の新基準案にパブコメ出さず

【日本保険薬局協会】地域連携薬局の新基準案にパブコメ出さず

【2026.05.14配信】日本保険薬局協会は5月14日、定例会見を開催した。この中で地域連携薬局の新基準案に対して協会としてパブリックコメントを出す予定はないと説明した。


【日本保険薬局協会】財政審提言に反論「民間の薬局をどう大規模化・集約化するのか」

【日本保険薬局協会】財政審提言に反論「民間の薬局をどう大規模化・集約化するのか」

【2026.05.14配信】日本保険薬局協会(NPhA)は5月14日に定例会見を開き、財務省の財政制度等審議会(財政審)から薬局の大規模化・集約化などが提言されていることに反論した。「民間の薬局をどう大規模化・集約化するのか」との疑問を呈した上で、「規模の大小や立地ではなく役割や機能、アウトプットで評価すべき」との考えを示した。


【日本保険薬局協会】三木田会長、最後の会見「門前薬局は何一つペナルティとなることしていない」

【日本保険薬局協会】三木田会長、最後の会見「門前薬局は何一つペナルティとなることしていない」

【2026.05.14配信】日本保険薬局協会(NPhA)は5月14日に定例会見を行った。6月の総会で会長交代を予定している三木田慎也会長は、会長としての最後の会見となった。この中で三木田会長は門前薬局について患者の支持を得てきたとの信念を改めて語り、「門前薬局等立地依存減算」に対して「減算というのはペナルティに対して使う言葉。門前薬局は何一つペナルティとなることはしていない」と語った。


【厚労省】調剤ベースアップ評価料、賃上げの適切な実施を調査/中医協「入院・外来医療等の調査」

【厚労省】調剤ベースアップ評価料、賃上げの適切な実施を調査/中医協「入院・外来医療等の調査」

【2026.05.14配信】厚生労働省は5月14日、中央社会保険医療協議会を開いた。診療報酬調査専門組織「入院・外来医療等の調査・評価分科会」で、令和8年度・9年度における入院・外来医療等の調査について議論した。


【薬剤師・藤田洋司衆院議員】「全ての薬局で国民守っている」/国会質疑

【薬剤師・藤田洋司衆院議員】「全ての薬局で国民守っている」/国会質疑

【2026.05.13配信】2026年の衆院選で初当選した薬剤師の藤田洋司議員(京都2区)が、5月13日の衆議院厚生労働員会で初国会質疑に立った。財務省から薬局の総量コントロールの検討等が提案されていることを念頭に、形態や規模にかかわらず「全ての薬局で国民守っている」と主張し、現場の実態を踏まえた政策を求めた。


ランキング


>>総合人気ランキング