【日本保険薬局協会】薬価中間年改定廃止要望/調剤報酬や卸との価格交渉も厳しく「経営に影響大きい」

【日本保険薬局協会】薬価中間年改定廃止要望/調剤報酬や卸との価格交渉も厳しく「経営に影響大きい」

【2024.12.12配信】日本保険薬局協会は12月12日に定例会見を開き、「薬価制度における中間年改定の廃止に関する要望書」を提出したことを報告した。


 会見の冒頭で挨拶した協会会長の三木田慎也氏は、薬価中間年改定によって、医薬品の製造・販売に影響を及ぼし、結果的に医薬品供給が不安定になっており、患者の治療に影響を及ぼす事態も起きていると危機感を表明し、反対を各党に申し入れていると説明した。

 さらに、薬局経営への影響を提示。物価及び賃金の高騰や、医薬品供給の不安定化による仕入れ価の上昇等の影響により、薬局経営は厳しさを増しているとした。薬価改定ごとに医薬品在庫の資産目減りの影響を受ける状況にあり、「大手企業では億単位になると聞いている」と話した。

 また薬価中間年改定だけでなく、卸との薬価交渉も厳しくなっていることに加え、「消耗品の材料がインフレ や物価高騰によって次々値上げされてくる」と苦境を訴えた。

 関連して先頃、薬価平均乖離率(速報値)が5.2%と公表されたことについて記者から質問が出ると、三木田会長は「向かうべき方向ではないか」としつつ、「一方で、過去には(薬価改定による医薬品在庫の)評価損を各社が飲み込めた時代から、なかなか厳しいという状況になっているのではないか」と率直な感触を示した。

 医薬品を患者へタイムリーに渡すことが使命、ともし、役割を果たしていくことには決意も示した。

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