会見の冒頭で挨拶した協会会長の三木田慎也氏は、薬価中間年改定によって、医薬品の製造・販売に影響を及ぼし、結果的に医薬品供給が不安定になっており、患者の治療に影響を及ぼす事態も起きていると危機感を表明し、反対を各党に申し入れていると説明した。
さらに、薬局経営への影響を提示。物価及び賃金の高騰や、医薬品供給の不安定化による仕入れ価の上昇等の影響により、薬局経営は厳しさを増しているとした。薬価改定ごとに医薬品在庫の資産目減りの影響を受ける状況にあり、「大手企業では億単位になると聞いている」と話した。
また薬価中間年改定だけでなく、卸との薬価交渉も厳しくなっていることに加え、「消耗品の材料がインフレ や物価高騰によって次々値上げされてくる」と苦境を訴えた。
関連して先頃、薬価平均乖離率(速報値)が5.2%と公表されたことについて記者から質問が出ると、三木田会長は「向かうべき方向ではないか」としつつ、「一方で、過去には(薬価改定による医薬品在庫の)評価損を各社が飲み込めた時代から、なかなか厳しいという状況になっているのではないか」と率直な感触を示した。
医薬品を患者へタイムリーに渡すことが使命、ともし、役割を果たしていくことには決意も示した。

【日本保険薬局協会】薬価中間年改定廃止要望/調剤報酬や卸との価格交渉も厳しく「経営に影響大きい」
【2024.12.12配信】日本保険薬局協会は12月12日に定例会見を開き、「薬価制度における中間年改定の廃止に関する要望書」を提出したことを報告した。
関連する投稿
【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査
【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で、「OTCセルフケア推進委員会」を新設したと公表した。
【日本保険薬局協会】“処方箋40枚規定”にも提言を「挑戦」/医療制度検討委員会
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で医療制度検討委員会は、“処方箋40枚規定”に関する提言も「挑戦したい」とした。
【日本保険薬局協会】2025年5月1日時点の会員数公表/正会員は362社
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、5月1日時点での正会員数などを公表した。正会員は362社で、2024年度に21社の入会があった。
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、新理事4名の就任を了承した。
最新の投稿
【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査
【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。
【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ
【2025.07.02配信】奈良県議会は7月2日、奈良県議会本会議において「薬価制度の抜本的改正を求める意見書」を会派全会一致で採決した。
【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。
【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。
【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。