大阪大学医学部附属病院は8月21日に、「薬剤部門システムのプログラム不具合による注射抗がん薬の過量投与の発生」について、公表している。
同院において、2024年2月に2人の患者に対する注射抗がん薬の過量投与が判明し、このうち1人の患者に本件が原因と考えられる神経障害が生じたとしたもの。
過量投与に至った原因を調査したところ、同院で導入している薬剤部門システム(株式会社ユヤマのYUNiCOM-GX)において、「医師の指示した投与量(mg)」を「薬剤師が混合調製するために必要な情報である秤取量(mL)」に変換するプログラムの不具合が明らかになっていた。
この事案への日病薬の対応について質問が出ると、医療安全委員会担当副会長である川上純一氏は、情報システムに関わる「新しいタイプの過誤事案」として、今後、会員である病院薬剤師に対して、対応を支援する意味での通知を発出することも含めて検討しているとした。
事案に関する情報収集については当該社も日病薬を訪問し、説明があったとした。
日病薬としては、「情報収集により内容は理解している」(川上副会長)とする一方、「機器システムに関わる事案であり、何らかの対応は考えたい」とした。いい・悪いの判断ではなく、会員をサポートする意味での通知はあり得るとした。
日病薬には医療安全委員会と情報システム委員会があり、連携して対応を検討したい方針。