健康保険者によるスイッチOTC活用の通知事業で愛知県薬剤師会と連携

健康保険者によるスイッチOTC活用の通知事業で愛知県薬剤師会と連携

【2024.06.26配信】保険者によるOTC薬推進事業が進展している。協会けんぽの愛知支部は今年2月、県内花粉症患者の1.8万人に対してスイッチOTCを活用する通知事業を展開した。地元・愛知県薬剤師会と連携したことも特徴だ。


医療用⇔OTC薬の成分紐づけも鍵

 案内の対象は愛知支部の加入者、20~64歳。レセプトデータを用いて花粉症治療者を抽出。中等や重症の併存疾患がある人は除外。その上で、処方された対象服用薬におけるスイッチOTC薬があるか・ないかや、併存疾患の有無などで優先順位を設定、適切な通知対象者を抽出した。将来的にはこの対象者に通知を送付しない「非介入群」も設定することで効果を検証する。
 
 通知ではスイッチOTCとは何かの説明のほか、自己負担額のシミュレーション例なども提示。自己負担額が減額となるケースもあることを示した。また「スイッチOTC医薬品を活用してみたいと思ったら、まずは薬剤師さんに相談してみましょう!」とのメッセージを記載。薬剤師への相談の動線をつくった。愛知県薬に対して、協会けんぽ愛知支部から協力依頼の文書も発出するとともに、研修会も開催。県内加入者へリーフレットを送付したことの連絡とともに、リーフレットを受け取った加入者から相談があった場合の対応、協力を依頼している。

 この事業の中には今後のスイッチOTCの促進に向けた重要な鍵がいくつか含まれている。
 
 1つは「医療用とOTC薬の成分紐づけ」が現状、されていないことだ。今回、愛知県薬が協力事業者であるホワイトヘルスケア社の協力も得ながら、花粉症薬に関して「スイッチ可能なOTC医薬品」の比較図表を作成した。
 
 この“紐づけ”については、さきごろ創設された日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会「OTC薬分科会」でもテーマに掲げられている内容だ。
 同分科会創設シンポジウムでは日本OTC医薬品協会理事長の磯部総一郎氏が、財務省のOTC類似薬の“保険負担のあり方見直し”方針に対して「明確に反対」と明言していた。
 その理由として、過去の自己負担変更政策がOTC薬市場にプラスに働かないことが分かっているからだとしていた。「われわれはもっとスイッチOTCについての認知度は高まっていると思っていた。しかし、ホワイトヘルスケア社の調査では、花粉症薬について医療用と同じ成分があるという認知度がとても低い」(磯部氏)。
 利用する肝心の生活者がスイッチOTCとは何なのか、価格や社会的意義について理解を深めなければ一足飛びにOTC薬は促進されるようにならない。その認識向上に役立てるポジションにいるのが、まさに薬局・薬剤師だといえるだろう。

 なお、ホワイトヘルスケア社はこれまで、健康保険組合に対してスイッチOTC推進事業ではネット上でOTC薬購入ができるスキームを提供してきた。今回は薬局・薬剤師の機能に着目。愛知県薬の協力も重要として、公益性を優先したスキームで愛知県薬と協力することとした。

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