【調剤報酬改定_疑義解釈】選定療養説明の特定薬剤管理指導料3の「ロ」、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可

【調剤報酬改定_疑義解釈】選定療養説明の特定薬剤管理指導料3の「ロ」、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可

【2024.03.29配信】厚生労働省は令和6年度調剤報酬改定における疑義解釈その1を発出した。


特定薬剤管理指導加算1の「イ」又は「ロ」は、1回の処方ではいずれかを算定

 疑義解釈内容は以下の通り。

【特定薬剤管理指導加算1】

問 16 特定薬剤管理指導加算1について、「イ」又は「ロ」に該当する複数の医薬品がそれぞれ処方されている場合に「イ」及び「ロ」はそれぞれ算定可能か。
(答)特定薬剤管理指導加算1はハイリスク薬に係る処方に対して評価するものであり、1回の処方で「イ」又は「ロ」に該当する複数の医薬品が存在し、それぞれについて必要な指導を行った場合であっても、「イ」又は「ロ」のみ算定すること。

<編集部注>
・特定薬剤管理指導加算1 イ(10点/1回につき)は、「新たに処方された患者に対して必要な指導を行った場合」の加算
・特定薬剤管理指導加算1 ロ(5点/1回につき)は、「用法又は用量の変更、患者の副作用の発現状況等に応じて必要な指導を行った場合」の加算

特定薬剤管理指導加算1の「イ」、患者として継続服用している場合は算定不可

問 17 特定薬剤管理指導加算1の「イ」について、以下の場合には算定できないと考えてよいか。
① 患者としては継続して使用している医薬品ではあるが、当該薬局において初めて患者の処方を受け付けた場合
② 同一成分の異なる銘柄の医薬品に変更された場合
(答)いずれもそのとおり。なお、いずれの場合においても、保険薬剤師が必要と認めて指導を行った場合には、要件をみたせば特定薬剤管理指導加算1の「ロ」が算定可能。

特定薬剤管理指導加算3の「イ」と「ロ」は1回の処方で併算定可

 【特定薬剤管理指導加算3】

 問 18 特定薬剤管理指導加算3について、1回の処方で「イ」に該当する医薬品と「ロ」に該当する医薬品が同時に処方されている場合に、「イ」及び「ロ」をそれぞれ算定可能か。
(答)特定薬剤管理指導料3の「イ」及び「ロ」は算定できる対象が異なることから、必要事項を満たした説明を行うのであれば算定可能。

<編集部注>
・特定薬剤管理指導料3の「イ」は、「特に医薬品の安全性に関する説明・指導を行った場合(医薬品リスク管理計画に基づく説明資料、緊急安全性情報等の情報に基づく説明・指導)の加算
・特定薬剤管理指導料3の「ロ」は、調剤前に医薬品の選択に係る情報の説明・指導を行った場合(選定療養の対象となる先発医薬品を選択する患者、医薬品の供給状況により調剤する医薬品を変更する必要がある患者への説明・指導)の加算

 問 19 特定薬剤管理指導加算3について、1つの医薬品が、「イ」と「ロ」の両方に該当する場合に、「イ」と「ロ」を重複して算定することが可能か。
(答)当該事例が生じることは想定されないが、それぞれの観点で必要な説明をしているのであれば算定可能。

 問 20 特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、患者向けの医薬品リスク管理計画(以下、RMPという。)に係る資材を用いて指導を行った場合は、指導に使用した患者向けRMP資材を薬剤服用歴等に添付もしくは資材の名称等を記載する必要があるのか。
(答)患者向けRMP資材の薬剤服用歴等への添付及び資材の名称等の記載は不要であるが、指導の要点を薬剤服用歴等に記載すること。

 問 21 特定薬剤管理指導加算3の「イ」について、RMPに係る患者向け資材がない医薬品については算定できないのか。また、薬機法の再審査が終了し、RMPの策定・実施が解除された医薬品については算定の対象外になるのか。
(答)いずれの場合も算定不可。RMP提出品目及び資材については、医薬品医療機器総合機構のウェブサイトにて最新の情報を確認した上で指導をすること。
(https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/itemsinformation/rmp/0001.html)

問 22 特定薬剤管理指導加算3の「ロ」の後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合には、患者が先発医薬品を希望しているにもかかわらず、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可能か。
(答)可能である。

この記事のライター

関連するキーワード


調剤報酬改定 疑義解釈

関連する投稿


【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、物価上昇および賃上げ分を含めたプラス改定を求めている。


【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】敷地内薬局基本料の変更求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、いわゆる敷地内薬局を対象とした基本料である「特別調剤基本料A」に設けられている「7種類以上の内服薬を調剤した場合には薬剤料が90/100 に減算」となる報酬体系を撤廃することを求めている。


【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】300店舗以上、敷地内薬局等への不利益解消を厚労大臣に要望

【ドラッグストア協会】300店舗以上、敷地内薬局等への不利益解消を厚労大臣に要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【長期品の選定療養】患者が負担する「特別の料金」、医療費控除の対象/厚労省疑義解釈

【長期品の選定療養】患者が負担する「特別の料金」、医療費控除の対象/厚労省疑義解釈

【2025.03.18配信】厚生労働省は3月14日、「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その4)」を発出した。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【大木ヘルスケアHD】“推し活”キーに医薬品需要に気付き/目薬や喉ケア/秋冬商品提案で

【2025.06.15配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングスは6月11日に、事業部説明会を開催した。来る6月17日(火)~6月18日(水)にTRC 東京流通センターで開く「2025OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会2025 年 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」の事前説明会の位置付け。OTC医薬品に関しては、“推し活”市場の拡大を背景に、“推し活”をきっかけに需要に気付きを与える提案を実施することを説明した。


【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【骨太方針_閣議決定】「高齢化の伸び」に経済・物価動向の増加分を加算

【2025.06.13配信】政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、いわゆる骨太方針を閣議決定した。医療・介護に関連しては、「高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と記載した。これまでは、社会保障関係費の伸びを高齢化の範囲内に抑える方針がとられてきた。薬剤師で参議院議員の神谷政幸氏はXで「税収増を踏まえた経営の安定化や確実な賃上げに繋がる対応がついに反映」と投稿。医療介護業界の声が届いたとの考えを示唆した。


【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【奈良県薬剤師会】「健康ハートの日 2025」に協賛/気になる“nara”測ろう血圧ポスター作成

【2025.06.12配信】奈良県薬剤師会(後岡伸爾会長)は、「健康ハートの日 2025」に協賛する。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【日本医師会】自公維3党合意に見解公表/病床削減と医療DXに「総論賛同」

【日本医師会】自公維3党合意に見解公表/病床削減と医療DXに「総論賛同」

【2025.06.10配信】日本医師会は6月9日、自由民主党、公明党、日本維新の会の3党合意についての見解を公表した。