ゲンキー、独禁法違反の疑いに関し確約計画が認定。センターフィーや返品にも言及

ゲンキー、独禁法違反の疑いに関し確約計画が認定。センターフィーや返品にも言及

【2020.08.05配信】Genky Drugstoresは、子会社のゲンキーに対する公正取引委員会による調査が終了したことを告知した。ゲンキーは、2018年11月から納入業者に対する出店協力要請などで独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による調査を受けていた。このほど、独占禁止法第48条の2から9までに規定する手続(以下「確約手続」)により、ゲンキーが提出した確約計画について公正取引委員会の認定を受け、調査は終了した。なお、公正取引委員会による確約計画の認定は、ゲンキーが独占禁止法に違反したことを認定するものではない。


【2020.08.05配信】Genky Drugstoresは、子会社のゲンキーに対する公正取引委員会による調査が終了したことを告知した。
 ゲンキーは、2018年11月から納入業者に対する出店協力要請などで独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による調査を受けていた。
 このほど、独占禁止法第48条の2から9までに規定する手続(以下「確約手続」)により、ゲンキーが提出した確約計画について公正取引委員会の認定を受け、調査は終了した。
 なお、公正取引委員会による確約計画の認定は、ゲンキーが独占禁止法に違反したことを認定するものではない。
 
 同社は、「2018 年11 月の公正取引委員会による調査開始以来、納入業者をはじめとする関係先に多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪。その上で、確約計画を確実に実行するとともに、独占禁止法の遵守をはじめとするコンプライアンスの徹底を一層強化していくとした。

 確約手続とは、事業者が、独占禁止法違反の疑いについて、公正取引委員会との合意により
自主的に解決するための制度。また、確約計画とは、自主的な解決のために事業者が実施する措置に関する計画のことをいう。

 認定内容については、公正取引委員会が公表している。
 それによると、まず、「違反被疑行為の概要」は、遅くとも平成28年1月頃以降、平成30年12月頃までの間、自ら販売する商品をゲンキーに直接販売して納入する事業者のうち、ゲンキーと継続的な取引関係にあるもの(「納入業者」)に対し、次の行為を行っていたとする。
 ⑴ 新規開店,改装又は閉店に際し,納入業者に対し、これらを実施する店舗において、当該納入業者が納入する商品以外の商品を含む当該店舗の商品の移動、自社の従業員が定めた棚割りに基づく商品の陳列等の作業を行わせるため、あらかじめ当該納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、当該納入業者の従業員等を派遣させていた。
⑵ ゲンキーが一般消費者向けに販売するクリスマスケーキ又はお節料理について、納入業者に対し、ゲンキーと当該納入業者との取引に関係がないにもかかわらず、購入を要請していた。
⑶ア 自社が主催した「わくわくキャンペーン」と称する催事について、その実施に要する費用を確保するため、納入業者に対し、「わくわくキャンペーン協賛」等の名目で,あらかじめ算出根拠について明確に説明することなく、金銭の提供を要請していた。
 イ 自社の物流センターについて、その運営に要する費用を確保するため,当該物流センターを通じて納品する納入業者に「センターフィー」等の名目で提供させている料金の料率の引上げの実施に際し、納入業者に対し、あらかじめ算出根拠について明確に説明することなく、引上げ後の料率を適用して算出した額の金銭の提供を要請していた。
ウ ゲンキーの物流センターへの商品の搬入を行う際にゲンキーが納入業者に使用させている「クレート」と称するケースについて、その購入に要する費用を確保するため,納入業者に対し、「クレート貸出し」等の名目で、あらかじめ算出根拠について明確に説明することなく、金銭の提供を要請していた。
エ バーコードラベル(注2)について、その発行等に要する費用を確保するため、納入業者に対し、「ラベル印刷代」等の名目で、あらかじめ算出根拠について明確に説明することなく、金銭の提供を要請していた。
⑷ 売行きが悪く在庫となった商品及び販売期間中に売れ残ったことにより在庫となった季節品(以下「売上不振商品」という。)について、納入業者に対し、売上不振商品を納入した当該納入業者の責めに帰すべき事由がなく、売上不振商品の購入に当たって当該納入業者との合意により返品の条件を定めておらず、かつ、当該納入業者から売上不振商品の返品を受けたい旨の申出がないにもかかわらず、その返品に応じるよう要請していた。

 次に、「確約計画」の概要は以下の通り。
⑴ 次の事項を取締役会で決議すること。
 ア 前記2⑴から⑷までの行為を取りやめていることを確認すること。
 イ 前記2⑴から⑷までの行為と同様の行為を行わないこと。
⑵ 前記⑴に基づいて採った措置を,納入業者に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底すること。
⑶ 前記2⑴の行為に関する納入業者における金銭的価値を回復すること。
⑷ 前記2⑴から⑷までの行為と同様の行為を行わないこととし,この措置を今後3年間実施すること。
⑸ 次の事項を行うために必要な措置を講じること。
 ア 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の自社の従業員に対する周知徹底
 イ 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査
 ウ 独占禁止法違反行為に関与した役員及び従業員に対する処分に関する規程の改定
 エ 独占禁止法違反行為に係る通報を行った者に対する適切な取扱いを定める規程の作成
 オ 独占禁止法違反行為に係る通報制度の納入業者及び自社の従業員に対する周知
 カ 法務・コンプライアンスに係る担当の取締役の新設
⑹ 前記⑴,⑵,⑶及び⑸の措置の履行状況を公正取引委員会に報告すること。
⑺ 前記⑷の措置及び⑸イに基づいて講じた措置の履行状況を,今後3年間,毎年,公正取引委員会に報告すること。

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