【日本薬剤師会】オーバードーズに関する啓発資材を作成/相談できる環境を薬局に整える目的

【日本薬剤師会】オーバードーズに関する啓発資材を作成/相談できる環境を薬局に整える目的

【2024.03.08配信】日本薬剤師会はこのほど、オーバードーズに関する啓発資材を作成し、都道府県薬剤師会担当役員に対して周知した。


47都道府県ごとに地域事情に応じた薬務課や精神保健センター、こころのセンターなどの電話番号やサイトURLのQRコードなどを掲載

 オーバードーズに関しては、昨今、若年層を中心に一般用医薬品の乱用、過剰摂取(オーバードーズ)事例が相次ぎ、社会的な問題となっている。

 日本薬剤師会では公衆衛生の向上及び増進に寄与するという観点からも、薬剤師による薬物乱用防止活動は今後ますます重要になるものとの考え。こうした社会的状況も踏まえ、オーバードーズに悩む人、またその家族や友人・知人など周囲の人がまず相談できる環境を薬局に整えることが必要としている。

 相談した人に対しては、適正使用の重要性を伝えるとともに、相談窓口につなげることも重要としている。適正使用の重要性については、「医薬品は決められた用量を超えて服用しないこと」はもちろん、「病気等の治療といった本来の目的や用法等を守らずに医薬品を使用すると薬物乱用となること」、また「それによって引き起こされる健康被害を伝え、オーバードーズによる依存を未然に防ぐための説明」をするとしている。

 一方、すでにオーバードーズという行為が行われていると気づいた場合や薬局での相談応需が困難な場合は、各都道府県にある専門的な相談窓口の周知、啓発も重要であるとし、このほど薬局・薬剤師から各相談窓口につなげることを目的に、薬局に掲示し活用できるポスターを作成した。

 ポスターは都道府県薬から希望部数を日薬に連絡し、日薬から都道府県薬に配布、都道府県薬から会員薬局に配布する。

 ポスター下部のピンク枠で塗りつぶしたスペースには、地域事情に応じた薬務課や精神保健センター、こころのセンターなどの電話番号やサイトURLのQRコードなどを掲載する。
 各都道府県の相談窓口の名称、電話番号や、QR コード情報は都道府県薬から日薬に情報提供する。結果的にポスターは47通り制作される予定。6月以降に会員薬局店頭で順次、掲示予定となる。
 なお、画像はあくまでも現時点での案のため、今後デザインや文言が一部修正される場合がある

この記事のライター

関連する投稿


【“濫用薬”】デキストロメトルファン、「直ちに指定を」/嶋根研究班

【“濫用薬”】デキストロメトルファン、「直ちに指定を」/嶋根研究班

【2025.04.15配信】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究(2024年)」の報告書をホームページに掲載した。


【市販薬の乱用】中学生にも/過去1年間の経験率は1.8%、55人に1人/嶋根研究班

【市販薬の乱用】中学生にも/過去1年間の経験率は1.8%、55人に1人/嶋根研究班

【2025.04.15配信】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2024年)」の報告書をホームページに掲載した。


【東京都薬務課】ODや大麻テーマのショート動画制作、10代等ターゲットにSNS広告へ

【東京都薬務課】ODや大麻テーマのショート動画制作、10代等ターゲットにSNS広告へ

【2025.03.26配信】東京都薬務課は3月26日に定例会見を開き、ODや大麻をテーマにしたショート動画を制作したと説明した。10代等をターゲットに、SNS広告を展開する予定。


【東京都】“濫用薬”ネット販売でルール遵守の形骸化例を確認/監視事業で

【東京都】“濫用薬”ネット販売でルール遵守の形骸化例を確認/監視事業で

【2025.01.28配信】東京都薬事審議会が1月28日に開かれ、薬事監視指導に関連する事業内容について報告があった。


【社説】市販薬の濫用防止策こそ「地方創生」だ

【社説】市販薬の濫用防止策こそ「地方創生」だ

【2025.01.15配信】市販薬の濫用対策の見直しをめぐって、ドラッグストア業界やネット事業者関係者からの“経営視点”での議論の応酬が目に付く。その根底には現状のビジネスの継続に支障となるとの思惑がのぞく。しかし、濫用問題は孤立の問題や相談先の確保、もっと言えば人的なリソースなど、地域でどう若者など守るべき人を守っていくのか、という点に収斂される。地域の持続性をどう確保するのかという、すなわち、石破茂首相が就任以来、掲げてきた「地方創生」にも関わる問題だ。


最新の投稿


【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中

【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。


【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例

【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。


【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環

【2025.07.30配信】東京都薬務課は7月30日、定例会見を開き、7月3日に危険ドラッグに指定した成分について説明した。指定した3成分はいずれも興奮、陶酔又は幻覚作用等を有する。すでに厚労省でも医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する大臣指定薬物に指定され、令和7年7月13日をもって施行された。


【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定

【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、改正薬機法で定める指定濫用防止医薬品の販売に関する業界ガイドラインに関して、年内をメドとする省令発出後に公表する見込みであることを説明した。


【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」

【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、参議院選挙の結果報告をした。


ランキング


>>総合人気ランキング