【令和6年度調剤報酬改定_通知】妥結率の報告書で価格交渉代行の項目など追加

【令和6年度調剤報酬改定_通知】妥結率の報告書で価格交渉代行の項目など追加

【2024.03.06配信】厚生労働省は3月5日、令和6年度調剤報酬に関連する通知を発出した。この中で「妥結率等に係る報告書」において、価格交渉を代行する者に依頼して交渉しているかどうかなどの項目を設ける。


 通知内容は以下の通り。

■妥結率等に係る報告書

報告年月日: 年 月 日
所属する法人・グループ名( )
同一グループの保険薬局数( )

1.当年度上半期の妥結率
当年度上半期に当該保険薬局において購入された医療用医薬品の薬価総額(①) 円
当年度上半期に卸売販売業者と当該保険薬局との間での取引価格が定められた医療用医薬品の薬価総額(②) 円
妥結率  (②/①)% %

2.医療用医薬品の取引の状況
(1)価格交渉の方法(該当する項目に☑を記入すること。)
☐自施設が卸売販売業者と直接交渉している。
☐法人・グループの本部等が代表して卸売販売業者と一括して交渉している。
☐価格交渉を代行する者に依頼して交渉している。
(2)価格交渉の状況(該当する項目に☑を記入すること。)
ア 当年度下半期の取引予定
□ 年間での契約であり、当年度下半期においても、基本的に上半期からの妥結価格の変更はない予定。
□ 年間での契約ではないが、当年度下半期は、上半期の妥結価格を踏まえた価格交渉を行う予定。
□ 年間での契約ではなく、当年度下半期は新たに価格交渉を行う予定。
イ 前年度の取引状況(上半期と比較した下半期の取引状況)
□ 年間での契約であり、基本的に前年度上半期からの妥結価格の変更はなかった。
□ 年間での契約ではないが、前年度の上半期と下半期の妥結価格は同程度であった。
□ 年間での契約ではなく、前年度の下半期における妥結価格は上半期よりも高い妥結価格であった。(上半期より小さい乖離率での取引)
□ 年間での契約ではなく、前年度の下半期における妥結価格は上半期よりも低い妥結価格であった。(上半期より大きい乖離率での取引)

3.医療用医薬品の流通改善に関する取組状況
(1)単品単価交渉の状況(該当する項目に☑を記入すること。)
☐ 全ての品目について単品単価交渉を行っている。
☐ 以下の特に医療上の必要性の高い医薬品の全てについて別枠として単品単価交渉を行っている。
基礎的医薬品、安定確保医薬品(カテゴリーA)、不採算品再算定品、血液製剤、麻薬並びに覚醒剤及び覚醒剤原料
☐ 新薬創出等加算品目について単品単価交渉を行っている。
☐ 単品単価交渉を行っていない。
(2)卸売販売業者との値引き交渉(該当する項目に☑を記入すること。)
☐ 取引条件等は考慮せず、ベンチマークを一律に用いた値引き交渉を行っている。
☐ 取引品目等の相違は考慮せず、同一の総値引率を用いた交渉を行っている。
☐ 取引条件等の相違は考慮せず、同一の納入単価での取引を求める交渉を行っている。
☐ 取引条件や個々の医薬品の価値を踏まえて価格交渉を行っている。
(3)妥結価格の変更(該当する項目に☑を記入すること。)
☐ 随時、卸売販売業者と価格交渉を行っている。
☐ 医薬品の価値に変動がある場合を除き、年間を通じて妥結価格の変更を行っていない。
2.(1)で「価格交渉を代行する者に依頼して交渉している」を選択した場合
(4)価格交渉を代行する者が次に掲げる点を遵守していることを確認している
(該当する項目に☑を記入すること。)
☐ 原則として全ての品目について単品単価交渉を行っていること。
☐ 取引条件や個々の医薬品の価値を踏まえて価格交渉を行っていること。
☐ 医薬品の価値に変動がある場合を除き、年間を通じて妥結価格の変更を行っていないこと。

[記載上の注意]
1 医療用医薬品とは、薬価基準に収載されている医療用医薬品をいう。
2 薬価総額とは、各医療用医薬品の規格単位数量×薬価を合算したものをいう。
3 規格単位数量とは、使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量のことをいう。
4 単品単価交渉とは、他の医薬品の価格の影響を受けず、地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえ、取引先と個別品目ごとに取引価格を決める交渉をいう。
5 当年度上半期とは、当年4月1日から9月 30 日までをいい、当年度下半期とは、当年 10月1日から翌年3月 31 日までをいう。
6 前年度上半期とは、前年4月1日から9月 30 日までをいい、前年度下半期とは、前年 10月1日から当年 3 月 31 日までをいう。
7 価格交渉を代行する者とは、医療用医薬品の共同購買サービスを提供する事業者、医療機関や薬局に代わり卸売販売業者との価格交渉を行う事業者等をいう。
8 保険薬局は、報告年度の4月1日から9月 30 日の実績を、本報告書により、同年度の 10月1日から 11 月末までに報告すること。報告しない場合は、調剤基本料が所定点数の 100 分の 50 に相当する点数により算定されることに留意すること。
9 同一グループ内の保険薬局の処方箋受付回数の合計が1月に3万5千回を超えると判断されるグループに属する保険薬局については、保険薬局と卸売販売業者で取引価格の決定に係る契約書の写し等妥結率の根拠となる資料を添付すること。

この記事のライター

関連するキーワード


調剤報酬改定

関連する投稿


【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。


【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。


【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開いた。その中で岩月進会長は、10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で、「調剤」の議題の中で「病院薬剤師」について多くの意見が挙がったことについてコメントした。


【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【厚労省】次期調剤報酬改定へ「現在の薬局の立地に至った経緯」調査

【2025.07.10配信】厚生労働省は7月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の調査票案」を提示した。次期調剤報酬改定議論の基礎資料となるもの。


【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【日本保険薬局協会】物価・賃上げ分のプラス改定求める/厚労相に要望書提出

【2025.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定例会見を開き、前日の14日に福岡厚労大臣宛てに「2026 年度診療報酬改定等に関する要望書」を提出したことを説明した。その中で、物価上昇および賃上げ分を含めたプラス改定を求めている。


最新の投稿


【敷地内薬局】日医委員、診療所除外規定「削除も含めて検討すべき」/中医協

【敷地内薬局】日医委員、診療所除外規定「削除も含めて検討すべき」/中医協

【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。敷地内薬局を巡っては、令和2年度診療報酬改定において従来から存在する医療モールへの配慮として、「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」で除外規定が設けられていた。しかし昨今、特別な関係のある病院の敷地内にある保険薬局の同一建物に、別途診療所を誘致することで、ただし書きにより、特別調剤基本料Aの対象となることを回避する薬局事例などが問題になっていた。この問題に関連し、日本医師会委員は「ただし書きの削除も含めて検討すべき」と述べた。


【敷地内薬局】日薬「グループ減算含め検討を」/中医協

【敷地内薬局】日薬「グループ減算含め検討を」/中医協

【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の森昌平氏は前回改定で答申書付帯意見に落ち着いた敷地内薬局の“グループ減算”について、「敷地内薬局問題の改善が見えないのであればこのグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考える」と述べた。


【日本保険薬局協会】“48薬効”、一定販売実績は3カテゴリーのみ/調査公表

【日本保険薬局協会】“48薬効”、一定販売実績は3カテゴリーのみ/調査公表

【2025.10.23配信】日本保険薬局協会は10月23日、定例会見を開き、「一般用医薬品等の取扱いに係る調査報告書」を公表した。それによると、地域支援体制加算の届出薬局等に求められる「基本的な48薬効群」に関して、1カ月間で販売実績があった割合が30%を超えたのはわずか3カテゴリーに留まったとした。協会では「一律的な備蓄」から、「地域医療のニーズや、薬剤師の専門的な知見に基づき推奨する品目を備蓄する」という、柔軟な仕組みを求めたい考え。


【日本保険薬局協会】「獣医療薬学研修」を開催/東京薬科大学と協力した研究で

【日本保険薬局協会】「獣医療薬学研修」を開催/東京薬科大学と協力した研究で

【2025.10.23配信】日本保険薬局協会は10月23日に定例会見を開き、獣医療薬学研修を開催することを説明した。


【日本病院薬剤師会】高市政権に「期待」

【日本病院薬剤師会】高市政権に「期待」

【2025.10.22配信】日本病院薬剤師会は10月22日に定例会見を開き、高市政権に関して「期待している」とコメントした。


ランキング


>>総合人気ランキング