武田会長は、臨時総会開催にあたって挨拶し、まず能登半島地震に言及し、被災した人へのお見舞いを述べるとともに、日病薬としても被災地支援を行ってきたことを報告した。
災害登録薬剤師やボランティア薬剤師など、臨時総会開催当日も86名の薬剤師が現地で支援にあたっているという。武田会長は支援している薬剤師に敬意を表するとともに、送り出した医療施設にも感謝の言葉を述べた。「快く送り出してくださった施設の皆さまにも御礼申し上げます」と述べた。その上で、現在も日病薬のホームページでボランティアを募集していることを紹介し、検討してほしいとした。
武田会長は会長就任からの約1年半を振り返り、活動の3つの柱について言及した。
1つ目は、職能拡大。医師の負担軽減にも資する病棟業務のさらなる充実に取り組んできたとし、令和6年診療報酬改定においては、薬剤総合評価調整加算の算定要件からカンファレンスの参加がなくなり、「算定しやすくなった」と評価した。
また、がん薬物療法体制充実加算では、薬剤師が医師の診察の前に状況を確認することによって、タスクシェアにも資すると評価した。
改定内容に関しては、救急業務への薬剤師の評価などについては至らなかったとして、次回改定へ向けて準備を進めたいとした。
活動の2つ目の柱は、資質の向上。医薬品のモダリティの変化や、核酸医薬、遺伝子治療、細胞治療など複雑化する医療技術の習得を目的とした研修を今後も拡充していきたいとした。
3つ目の柱は、薬剤師不足、地域偏在の解消。会長就任当初から特別委員会を設置して精力的に取り組んできたことを報告した。第8次医療計画への盛りこみなどがされたが、その対応状況の把握などに努めたほか、好事例の収集・周知を通して各地域の事情に見合った計画の策定がされることに取り組んできたとした。
改定に関しては、薬剤業務向上加算を挙げ、「限られた医療機関しか算定できないとは思うが、しっかりとした新任薬剤師の研修体制の構築や、出向を通してシームレスな薬物治療をつなぎ、第8次医療計画を後押しするものと期待している」と述べた。
【日病薬】武田会長、改定の「薬剤業務向上加算」、第8次医療計画を後押しするもの
【2024.02.17配信】日本病院薬剤師会は2月17日に臨時総会を開いた。挨拶した武田泰生会長は今回の診療報酬改定にも触れ、薬剤業務向上加算については、「新任薬剤師の研修体制の構築や、出向を通してシームレスな薬物治療をつなぎ、第8次医療計画を後押しするものと期待している」と評価した。
関連する投稿
【病院薬剤師会】対人業務充実効果を確認/「薬剤業務向上加算」で出向先に調査
【2025.04.02配信】日本病院薬剤師会は4月2日に定例会見を開いた。この中で、令和6年度診療報酬改定で新設された薬剤業務向上加算についての調査結果を報告した。今回は出向先の薬剤部長に聞いた。
【日本病院薬剤師会】薬学生リクルートコーナー実施/3月の日本薬学会年会で
【2025.02.27配信】日本病院薬剤師会は2月26日に定例会見を開き、薬学生向けのリクルートコーナーの実施について説明した。今年3月に開かれる日本薬学会第145年会(福岡)で出展する。昨年12月の会見でも開催を報告していたが、今回、完成した薬学生向け案内チラシを公表。独立行政法人国立病院機構(NHO) や、複数の大学医学部附属病院の出展も決定している。
【日本病院薬剤師会】入院時の薬局との連携/診療報酬上も働きかけの評価軸を要望
【2025.02.26配信】日本病院薬剤師会は2月26日に定例会見を開き、令和8年度診療報酬改定要望事項(たたき台)について説明した。
【日本病院薬剤師会】日本薬学会で薬学生向けリクルートコーナー出展/2025年3月
【2024.12.11配信】日本病院薬剤師会は12月11日、会見を開き、2025年3月27日〜29日に開かれる日本薬学会の年会で、薬学生向けのリクルートコーナーを出展することを報告した。
【日本病院薬剤師会】令和8年度診療報酬改定へ向けて特別調査実施/新設の薬剤師外来業務の状況など
【2024.12.11配信】日本病院薬剤師会は12月11日に会見を開いた。この中で、令和8年度診療報酬改定へ向けて特別調査を実施することを報告した。新設の薬剤師外来業務の状況などの項目を設けている。
最新の投稿
【石川県薬剤師会】モバイルファーマシー「お披露目式」/スターリンクを搭載でDX対応
【2025.10.31配信】石川県薬剤師会は10月31日、モバイルファーマシーお披露目式を開催した。
【東京都・厚労省】11月24日に「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」
【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日に定例会見を開き、令和7年11月24日(月曜日・祝日)13時30分から15時45分まで、令和7年度「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動東京大会」を開催することを説明した。今年は2年に一度の厚労省との共催年で、広い層に関心を持ってもらうため、多彩なタレントを招聘している。
【東京都薬務課】試買で指定薬物検出/前年9品目増の11物品から
【2025.10.29配信】東京都薬務課は10月29日、定例会見を開き、試買検査によって11物品から危険ドラッグを検出したことを説明した。9月29日に公表済み。前回公表の昨年11月の検査結果では2物品からの検出であり、薬務課では「11物品からの検出は多く驚いている」としている。今回の結果を受け、今後の試買を適切に行っていく方針。
【敷地内薬局】日医委員、診療所除外規定「削除も含めて検討すべき」/中医協
【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。敷地内薬局を巡っては、令和2年度診療報酬改定において従来から存在する医療モールへの配慮として、「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」で除外規定が設けられていた。しかし昨今、特別な関係のある病院の敷地内にある保険薬局の同一建物に、別途診療所を誘致することで、ただし書きにより、特別調剤基本料Aの対象となることを回避する薬局事例などが問題になっていた。この問題に関連し、日本医師会委員は「ただし書きの削除も含めて検討すべき」と述べた。
【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の森昌平氏は前回改定で答申書付帯意見に落ち着いた敷地内薬局の“グループ減算”について、「敷地内薬局問題の改善が見えないのであればこのグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考える」と述べた。