中間答申では、「一般用医薬品(スイッチOTC)選択肢拡大」について、 「令和5年度措置」と明記。
個人の健康管理に係る自発的な取組を促す観点から、セルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること (世界保健機関))の推進が果の閣議決定(経済財政運営と改革の基本方針等) によっても求められているとし、安全性の確保を前提としつつ、患者がより効果の高い医薬品に円滑にアクセスできることが必要であり、一般用医薬品(スイッチOTC)の選択肢拡大が求められていると明記。
「スイッチ・ラグ」についても取り上げた。「いわゆるスイッチ・ラグ(海外において医師の診察が必要な医薬品から医師の診察が不要なOTC医薬品に転用された時点から同医薬品が日本でOTC医薬品に転用される時点までの時間差)が長期間にわたる医薬品が多数(和5年12月現在、胃酸分泌抑制薬、片頭痛薬など70成分以上)存在し、特に、患者ニーズが高いと認められる医薬品についても最長20年以上スイッチOTC化の遅れが生じている」と問題を指摘。「我が国において過去3年間(令和3年4月から令和5年12月現在まで)でスイッチOTC化されたのは7成分に過ぎない」と現状を説明。一方で、厚生労働省は、令和2年度措置が閣議決定されていたスイッチOTC化を促進するための目標を設定していないとも指摘した。この結果、会議がスイッチOTC化の進捗を評価することも行うことができない状況にあるとしている。
国民皆保険との関係については、我が国では国民皆保険が採用されているが、それは国民に対し医療にアクセスできる自由を確保している一方で、国民に受診が強制されるものではなく、また、医療へのアクセス自体も年々困難になっているため、スイッチ0TCの必要が何ら減じるものではないと述べている。 厚生労働省に対しては、こうした状況を踏まえ、令和5年末時点で海外2か国以上でスイッチOTC化されている医薬品については、原則として3年以内(令和8年末まで)に日本でもOTC化する(スイッチ・ラグを解消する)ことを目標として設定し、関係審議会等の審査・審議・意思決定プロセスの見直し等必要な措置を講ずることにより、国内でスイッチOTC化の要望があり申請されたものについては、原則として、①「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」への要望書の提出時点から総期間1年以内に検討結果を取りまとめ、また、②承認申請から承認の可否を判断するまでの総期間1年以内とするとした。

【規制改革中間答申】スイッチOTC化加速を明記/複数国でOTC化された成分「原則3年以内」
【20232.12.26配信】内閣府は12月26日、規制改革推進会議と国家戦略特別特区諮問会議合同会議を開催し、規制改革推進に関する中間答申をまとめた。
関連する投稿
【2025.06.02配信】エーザイは6月2日、国内 OTC 医薬品として初めて製造販売承認を取得したプロトンポンプ阻害薬(PPI)である「パリエットS」を発売した。
【日本薬剤師会】緊急避妊薬の調査事業を報告/「世の中の流れはスイッチ化と理解」
【2025.05.22配信】日本薬剤師会(日薬)は5月22日に定例会見を開催した。その中で緊急避妊薬の薬局販売にかかる調査事業について報告した。
【2025.05.15配信】あすか製薬は5月15日、 緊急避妊薬のスイッチ OTC について、製造販売承認申請を行ったと公表した。
【スイッチOTC】胃酸抑制するPPIや睡眠薬ロゼレム、片頭痛薬ミグリステンを承認/厚労省審議会
【2024.12.23配信】厚生労働省は12月20日、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開き、胃酸の分泌を抑制する成分であるPPI(プロトンポンプ阻害薬)3成分の要指導医薬品への指定を承認した。片頭痛薬マイフェミン、ミグリステンSや、睡眠薬ロゼレムも承認「可」とした。
【規制改革推進会議WG】スイッチOTC促進議論/令和8年末までOTC化目指す成分リスト公開
【2024.03.29配信】内閣府規制改革推進会議「健康・医療・介護ワーキング・グループ」(WG)が3月28日に開かれ、スイッチOTCの促進について議論された。
最新の投稿
【医薬品情報把握システムの検討活発化】薬剤師会“アクションリスト”実践へ/MSNW「LINCLEちいき版」を全国の都道府県薬へ提案中
【2025.08.08配信】日本薬剤師会が公表した「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」。このうちの1つの事項である「地域の医薬品情報の把握・共有の取組」。この実践へ向けて情報共有のためのシステム選定の動きも活発化してきた。こうした中、メディカルシステムネットワーク(MSNW)では、もともと地域薬剤師会と共に開発を進めてきた「LINCLEちいき版」の提案を強化している。すでに10以上の都道府県薬剤師会への提案を進行中だという。
【厚労省】保険調剤「確認事項」公表/2枚処方箋で投薬期間上限を超えるなど不適切事例
【2025.08.08配信】厚生労働省はこのほど、保険調剤「確認事項」(令和7年度改訂版)を公表した。2枚処方箋を受け付けることにより、投薬期間上限を超えるなどの不適切事例を指摘している。
【東京都薬務課_危険ドラッグ】オピオイド受容体に働く成分を新規指定/水際対策の一環
【2025.07.30配信】東京都薬務課は7月30日、定例会見を開き、7月3日に危険ドラッグに指定した成分について説明した。指定した3成分はいずれも興奮、陶酔又は幻覚作用等を有する。すでに厚労省でも医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する大臣指定薬物に指定され、令和7年7月13日をもって施行された。
【ドラッグストア協会】濫用防止薬に関わる業界販売ガイドライン、年内省令発出後の公表予定
【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、改正薬機法で定める指定濫用防止医薬品の販売に関する業界ガイドラインに関して、年内をメドとする省令発出後に公表する見込みであることを説明した。
【ドラッグストア協会】参議院選挙結果報告/「本田顕子氏を本気で応援した」
【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日に定例会見を開き、参議院選挙の結果報告をした。