【三師会】改定要望で岸田首相に面会/「賃上げ・物価高騰に対応する原資必要」

【三師会】改定要望で岸田首相に面会/「賃上げ・物価高騰に対応する原資必要」

【2023.11.15配信】日本薬剤師会は11月15日に定例会見を開き、同日午後、診療報酬改定への要望で岸田文雄首相に面会したことを明らかにした。賃上げや物価高騰に対応するために十分な原資が必要であることを訴えた。


 三師会がそろって岸田文雄首相に面会した。
 日本医師会会長の松本吉郎氏、日本歯科医師会会長の高橋英登氏、日本薬剤師会会長の山本信夫氏が面会した。

 令和6年度診療報酬改定に向けて、要望した。

 これまで医療機関、薬局においては、感染症対応をはじめ、地域における医療提供に貢献してきたことへ理解を求め、支え手が減少する中での人材確保が不可欠なこと、政府からも持続的な賃上げが呼び掛けられていることを指摘。具体的には今年の春闘では平均賃上げ率 3.58%、人事院勧告では3.3%の上昇が示されており、医療界においても、「これらとの差を埋めるだけでなく、岸田総理が掲げる“賃上げ”という国の重要政策を踏まえて、さらに加速すると見込まれる来春の春闘に匹敵する対応が必要」と訴えている。
 
 その上で、全従事者の 13.5%にも上る医療・介護就業者数約 900 万人に対して、公定価格の引き上げを通じて賃上げ対応することは、我が国全体の賃金上昇と地方の成長の実現につながり、経済の活性化も見込めると提示。加えて、物価高騰には、一時的ではなく、恒常的な対応が必要であるのに対し、公定価格で運営する医科医療機関、 歯科医療機関や薬局等は、その上昇分を価格に転嫁することができないとし、「最低限人事院勧告3.3%に匹敵する賃上げと物価高騰、さらには日進月歩する技術革新への対応には十分な原資が必要不可欠」と訴えている。

 「国民の生命と健康を守るため、 医療・介護分野における物価高騰・賃金上昇に対する取組を進め、質の高い適切な医療・介護を安定的に国民に提供しなければならない」とし、「医療界が一体一丸となって、国の経済対策と歩調をあわせて進んでいく重要な年であり、医師会、歯科医師会、薬剤師会が揃って、 診療報酬改定の大きな方向性において、声を一つにして、歩んでいくべきという想い」を伝えた。
 
 令和6年度診療報酬改定に向けては、原資となる適切な財源の確保を要望した。

 会見した日本薬剤師会会長の山本信夫氏は、医療機関・薬局の厳しい状況を訴えた上で、コストカット型から賃上げに対応するには原資が必要との考えを示すとともに、三師会揃って要望をしたことを強調。財政審の提案に関しては「承服しかねるもの」と指摘した。

 また面会した岸田首相からは、医療業界に対して「これまでの経過でご尽力いただいていることは理解している」とコメントがあったという。その上で、岸田首相は「一方で、経済対策も打たれる中でそのサポートを含めて全体として考えていきたい」と述べたという。

この記事のライター

関連するキーワード


診療報酬改定

関連する投稿


【病院薬剤師会】診療報酬改定議論「期待」/転所時評価などの要望反映で

【病院薬剤師会】診療報酬改定議論「期待」/転所時評価などの要望反映で

【2025,12.10配信】日本病院薬剤師会(日病薬)は12月10日に定例会見を開き、厚労省中医協で議論の進んでいる次期診療報酬改定について、期待できるとの見方を示した。日病薬が要望事項に挙げていた転所時の情報共有への評価などが俎上にのっていることなどを評価した。


【日本病院薬剤師会】入院時の薬局との連携/診療報酬上も働きかけの評価軸を要望

【日本病院薬剤師会】入院時の薬局との連携/診療報酬上も働きかけの評価軸を要望

【2025.02.26配信】日本病院薬剤師会は2月26日に定例会見を開き、令和8年度診療報酬改定要望事項(たたき台)について説明した。


【日本病院薬剤師会】令和8年度診療報酬改定へ向けて特別調査実施/新設の薬剤師外来業務の状況など

【日本病院薬剤師会】令和8年度診療報酬改定へ向けて特別調査実施/新設の薬剤師外来業務の状況など

【2024.12.11配信】日本病院薬剤師会は12月11日に会見を開いた。この中で、令和8年度診療報酬改定へ向けて特別調査を実施することを報告した。新設の薬剤師外来業務の状況などの項目を設けている。


【厚労省】事務連絡/令和6年度診療報酬改定の「施設基準届出チェックリスト」

【厚労省】事務連絡/令和6年度診療報酬改定の「施設基準届出チェックリスト」

【2024.03.25配信】厚生労働省は3月25日、事務連絡「令和6年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの送付について」を発出した。


【医療保険者団体】診療報酬改定要望を武見厚労相に提出/薬価改定では「市場実勢価格引き下げ分は国民に還元を」

【医療保険者団体】診療報酬改定要望を武見厚労相に提出/薬価改定では「市場実勢価格引き下げ分は国民に還元を」

【2023.11.27配信】健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、全国健康保険協会、全日本海員組合、日本経済団体連合会、日本労働組合総連合会の6団体は連名で、武見敬三厚生労働大臣宛てに「令和6年度診療報酬改定に関する要請」を提出した。


最新の投稿


【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調

【大木ヘルスケアHD】アフターピルの情報「しっかり届ける」/慎重な対応強調

【2026.02.13配信】ヘルスケア卸大手の大木ヘルスケアホールディングス(代表取締役社長:松井秀正氏)は2月13日にメディア向け説明会を開いた。その中で、アフターピルの情報提供について触れ、慎重な対応を強調。ただ、メーカー資材を中心として「必要な時に必要な情報を届けられるようにすることも仕事」とし、取り組んでいることを説明した。


【答申】新・地域支援加算、おおむね3点減点か

【答申】新・地域支援加算、おおむね3点減点か

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。後発薬調剤体制や供給体制、地域支援の要件を求める「地域支援・医薬品供給対応体制加算」はこれら要件の旧来の点数の合算から考えると3点の減点ともいえる。


【答申】調剤管理料「2区分」化では「7日以下」では増点の結果

【答申】調剤管理料「2区分」化では「7日以下」では増点の結果

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤管理料(内服薬)では、「長期処方」(28日分以上)以外は10点となる。長期処方は60点。


【答申】調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点

【答申】調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点

【2026.02.13配信】厚生労働省は2月13日に中央社会保険医療協議会総会を開き、令和8年度診療報酬改定について答申した。調剤基本料「1」と「3ーハ」で2点増点する。


【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長

【日本保険薬局協会】門前薬局“減算”、「到底受け入れられない」/三木田会長

【2026.02.12配信】日本保険薬局協会は2月12日に定例会見を開いた。この中で会長の三木田慎也氏は、次期調剤報酬改定の項目、いわゆる“短冊”について触れ、「門前薬局等立地依存減算」について「到底、受け入れらない」と強調した。「患者さんの動向、患者の志向、いわゆるマーケットインの発想が調剤報酬をつくる側に全く意識されていない結果」と述べた。