【新経済連盟】一般用医薬品の販売制度に関する意見を厚労省に提出/濫用のおそれのある医薬品についてオンライン服薬指導を求める方向に反対

【新経済連盟】一般用医薬品の販売制度に関する意見を厚労省に提出/濫用のおそれのある医薬品についてオンライン服薬指導を求める方向に反対

【2023.08.04配信】一般社団法人新経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:三木谷浩史氏)は8月3日、厚生労働省の「医薬品の販売制度に関する検討会」における一般用医薬品の販売制度に関する見直しの議論について、厚生労働省に意見を提出した。新経済連盟はこれまでも、対面原則の撤廃やデジタル化の推進を提言してきた。


 主な意見は以下の通り。

1.要指導医薬品のオンライン服薬指導について
(1)医療用医薬品においてオンライン服薬指導が可能とされていることを踏まえ、要指導医薬品におけるオンライン服薬指導を一刻も早く可能にすべきです
(2)オンライン服薬指導が可能な要指導医薬品の範囲を限定すべきではありません

2.濫用等のおそれのある医薬品の販売方法について
(1)一般用医薬品の濫用がインターネット販売に起因していることを示すデータはありません。濫用等のおそれのある医薬品について、従来のインターネット販売を禁止し、ビデオ通話を義務化する案には強く反対します
(2)対面販売には対面販売の、ネット販売にはネット販売の特徴があり、対面がすべての解決方法ではありません。テキストベースのやりとりもコミュニケーションとして非常に有効です
(3)必要とする人による一般用医薬品へのアクセスを確保したうえで、濫用を防止するためには、販売履歴の蓄積や照合による販売管理、様々なタイミングでの消費者への 周知啓発や相談窓口の案内が重要であり、対面販売であれネット販売であれ、各々の特徴に応じてできることを速やかに実施するべきです

3.「対面神話」からの脱却を
対面であってもオンラインやネットであっても、客観的かつ具体的なルールを、それぞれの販売方法の特徴に応じて設定していくことが必要です

この記事のライター

関連する投稿


【医薬品販売制度検討会】現2・3類薬の情報提供の「努力義務」を「明確化」へ変更

【医薬品販売制度検討会】現2・3類薬の情報提供の「努力義務」を「明確化」へ変更

【2023.12.18配信】厚生労働省は12月18日に「第11回医薬品の販売制度に関する検討会」を開催。事務局は現在の第2類医薬品・第3類医薬品の患者・購入者への情報提供について、現在は「努力義務」としているところを「明確化」する方針を示した。委員から異論なくおおむね了承された格好。


【厚労省医薬品販売制度検討会】ドラッグストア協会、「薬機法上で“医薬品登録販売者”へ名称変更を」

【厚労省医薬品販売制度検討会】ドラッグストア協会、「薬機法上で“医薬品登録販売者”へ名称変更を」

【2023.10.30配信】厚労省は10月30日、「第9回医薬品の販売制度に関する検討会」を開催し、追加の議論として「販売区分について」を議論した。この中で日本チェーンドラッグストア協会は薬機法上の「登録販売者」との名称を「医薬品登録販売者」という名称にすることを要望した。


【日本薬剤師会】デジタル活用したOTC薬の販売制度、「高度な技術の開発が求められる」

【日本薬剤師会】デジタル活用したOTC薬の販売制度、「高度な技術の開発が求められる」

【2023.07.27配信】日本薬剤師会は、デジタル技術を活用することで「販売店舗と有資格者が異なる場所に位置すること等を可能とする」OTC薬販売業のあり方に関して、高度な技術開発が前提との考えを示した。この議論は厚労省「医薬品の販売制度に関する検討会」で議論されているもの。7月26日に開かれた日本薬剤師会の都道府県会長協議会において、担当役員である副会長の森昌平氏が見解を示したもの。


【医薬品販売制度検討会_デジタル技術活用】実証試験運用を提案/日本チェーンドラッグストア協会関口氏

【医薬品販売制度検討会_デジタル技術活用】実証試験運用を提案/日本チェーンドラッグストア協会関口氏

【2023.07.14配信】厚生労働省は7月14日、「第6回医薬品の販売制度に関する検討会」を開催し、「デジタル技術を活用した医薬品販売のあり方」を議論した。この中で日本チェーンドラッグストア協会理事の関口周吉氏は、検討にあたって、まずは実証試験運用を行うことを提案した。


【零売】日薬山本会長、「規制するか否かの議論は本質を見誤っている」/総会会長演述で

【零売】日薬山本会長、「規制するか否かの議論は本質を見誤っている」/総会会長演述で

【2023.06.24配信】日本薬剤師会は6月24日に定時総会を開いた。その中の会長演述で、山本信夫氏は零売の問題に触れた。厚労省の医薬品販売制度に関する検討会について、「闇雲にいわゆる零売を規制するか否かという議論は本質を見誤ったものと言わざるを得ません」と述べ、零売そのものの規制は望ましくないとの意向をにじませた。販売方法についての局長通知に準拠していない販売をまずは指導すべきとの意向も示唆し、「準拠せずに販売することを放置」していると問題提起している。さらに政策提言の“共用薬”について触れた上で、「必要以上の規制が設けられるような事態とならぬよう」、「積極的に意見を主張していかなくてはなりません」と述べた。


最新の投稿


【日本薬剤師会】地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト骨子を策定

【日本薬剤師会】地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト骨子を策定

【2025.05.13配信】日本薬剤師会はこのほど、「地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト」の骨子を策定し、都道府県薬剤師会や地域薬剤師会への説明を開始する。


【社会保障のこれから】田畑裕明議員、勝目康議員、本田あきこ議員に聞く

【社会保障のこれから】田畑裕明議員、勝目康議員、本田あきこ議員に聞く

【2025.05.13配信】政策の最大の争点の1つとなっていると言ってもよいのが社会保障のこれからのあり方だ。特に与党では、政府関係者側の議員も多く、ある意味で決定事項の中でしか意見発信しづらい面もある。個々の議員はどんなビジョンを描いているのか。本紙では座談会を開いた。


【ヒジカタ薬局(東京都新宿区)】「健康チェック体験会」実施

【ヒジカタ薬局(東京都新宿区)】「健康チェック体験会」実施

【2025.05.12配信】ヒジカタ薬局(東京都新宿区)は、地域住民の健康増進をサポートするため「健康チェック体験会」を開催する。開催日時は2025年5月18日(日)14時〜17時、開催場所はヒジカタ薬局(東京都新宿区)。自宅で長時間の心電図検査をすることで心臓病の早期発見が可能な「ホーム心臓ドック®」を提供している株式会社ココロミル(本社:東京都新宿区)との協業で実施する。


【後発薬調剤体制加算】神谷政幸議員が国会質疑/日薬岩月会長も質疑に言及

【後発薬調剤体制加算】神谷政幸議員が国会質疑/日薬岩月会長も質疑に言及

【2025.05.08配信】5月8日、参議院厚生労働委員会が開かれ、薬剤師の資格を持つ国会議員である神谷政幸氏が後発医薬品調剤体制加算について質疑した。同日、質疑後に別途、開かれた日本薬剤師会定例会見でも岩月進会長が関連質疑に対してコメントした。


【社会保障3党協議】維新は次回、公明党案の提示を要望

【社会保障3党協議】維新は次回、公明党案の提示を要望

【2025.05.07配信】自民・公明・維新による社会保障改革に関する3党協議が5月7日に開かれた。


ランキング


>>総合人気ランキング