公的病院への導入計画に係る調査で、回答のあった施設のうち、令和5年度中に電子処方箋導入予
定の病院が214施設だった。回答のあった施設は、(独)地域医療機能推進機構、日本赤十字社、(社)恩賜財団 済生会、自治体病院協議会、(独)労働者健康安全機構、(独)国立病院機構等の計714施設(4月20日時点)。
一方、導入時期未定の施設も多く、周辺薬局の導入状況やベンダ対応状況、費用負担等が導入の課題との指摘があった。マイナンバーカードの利用促進とあわせ、電子処方箋の関連取組と連携した対応が必要としている。
主な意見としては、「オンライン資格確認等システム利用が伸び悩んでおり、導入後に電子処方箋の利用が伸びるのか疑問」「周辺薬局の対応がまだできていないので、翌年度に導入する方向で調整」など、普及進展を疑問視する声があった。
費用負担を危惧する声もあった。「費用負担が大きく予算確保が出来ていない」「電子処方箋の機能拡充は良いが、大きく変わる場合はその度に費用や導入の⼿続き、現場の運用停⽌や医師への説明が必要。ある程度固まった状態で導入を促していただきたい」という意見があった。
そのほか、「大病院では医師・薬剤師の人数も多く、HPKIカードの申請作業や取得状況把握が煩雑」「ベンダの対応が間に合っていない。カードレス認証について、現在ベンダ見積提示の目途が立っていないため、運用開始は『未定』とした」などの指摘もあった。

【公的病院の電子処方箋導入意向】令和5年度中に導入予定は3割
【2023.04.28配信】厚生労働省は4月28日、電子処方箋推進協議会を開催し、公的病院における電子処方箋の導入意向調査結果を明かした。それによると、調査対象714病院中、214病院で比率は約3割だった。
関連する投稿
【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。
【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。
「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>
【2025.01.07配信】2024年12月、厚労省は電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、いったん電子処方箋の発行を停止、一斉点検に入った。重大な健康被害につながる可能性のある事象だ。確認された事象は、医療機関や薬局が使っている独自コードを、電子処方箋が用いるマスタコードに紐づける際のミスで発生した。問題発生の根本には何があったのか。そして、今後、どのような施策が求められるのか。厚労省の電子処方箋等検討ワーキンググループの構成員でもあり、医療情報学の研究者である鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授)に聞いた。
【重要】電子処方箋で処方と異なる医薬品表示事例/マスタ設定の間違い原因
【2024.12.12配信】電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、厚労省は注意喚起している。医療機関・薬局における医薬品マスタの設定が適切に行われていない場合に起こる可能性があるという。医療機関等向け総合ポータルサイト上で厚生労働省からの重要なお知らせとして、掲載した。
【厚労省】薬局の電子処方箋導入のきっかけを公開/奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市
【2024.10.28配信】厚生労働省は10月25日、「地域における薬局の電子処方箋導入拡大によるメリット」をまとめ、HPに公開した。今回は、薬局において電子処方箋の導入が進んでいる地域のうち、奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市の3地域をピックアップし、導入拡大のきっかけや薬局で感じるメリットなどについて聞いた。
最新の投稿
【緊急避妊薬のスイッチOTC】承認取得/あすか製薬、販売元は第一三共HC
【2025.10.20配信】あすか製薬ホールディングスは10月20日、子会社のあすか製薬が緊急避妊薬「ノルレボ」の製造販売承認を取得したと公表した。承認取得を受け、第一三共ヘルスケアが同品の販売元として、発売に向けた情報提供体制の整備を進めるという。
【厚労省_疑義解釈】保険薬局との「特別な関係」で/総合入院体制加算及び急性期充実体制加算施設基準
【2025.10.20配信】厚生労働省は10月20日、令和6年度診療報酬改定に関する「疑義解釈(その30)」を発出した。総合入院体制加算及び急性期充実体制加算の施設基準においては、病院が特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係があれば、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合でも、「特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がない」に該当しないとした。
【日薬・NPhA・JACDS】「安心を守る」薬剤師の役割で共同広告
【2025.10.16配信】公益社団法人日本薬剤師会(日薬)、一般社団法人日本保険薬局協会(NPhA)、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の3団体は、「国民の健康維持・増進を支援する」ため、薬剤師の役割と機能を広く発信する共同広告企画を実施する。
【ジェネリック学会OTC分科会】生活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書公表
【2025.10.13配信】日本ジェネリック・バイオシミラー学会のOTC医薬品分科会(分科会⾧・武藤正樹氏)はこのほど、活習慣病薬のスイッチOTC化の推進で提言書を公表した。10月11日に盛岡市で開催された「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 第19回学術総会」「OTC医薬品分科会」のシンポジウムの場で示したもの。シンポジウムは日本OTC医薬品協会当の共催。
【日本薬剤師会】地域連携薬局「基本的な考え方」で質疑/奈良県薬・後岡会長
【2025.10.11配信】日本薬剤師会は10月11日、都道府県会長協議会を開催。質疑の中で地域連携薬局の「基本的考え方」について質問が出た。奈良県薬剤師会会長の後岡伸爾氏が質問した。