【公的病院の電子処方箋導入意向】令和5年度中に導入予定は3割

【公的病院の電子処方箋導入意向】令和5年度中に導入予定は3割

【2023.04.28配信】厚生労働省は4月28日、電子処方箋推進協議会を開催し、公的病院における電子処方箋の導入意向調査結果を明かした。それによると、調査対象714病院中、214病院で比率は約3割だった。


 公的病院への導入計画に係る調査で、回答のあった施設のうち、令和5年度中に電子処方箋導入予
定の病院が214施設だった。回答のあった施設は、(独)地域医療機能推進機構、日本赤十字社、(社)恩賜財団 済生会、自治体病院協議会、(独)労働者健康安全機構、(独)国立病院機構等の計714施設(4月20日時点)。

 一方、導入時期未定の施設も多く、周辺薬局の導入状況やベンダ対応状況、費用負担等が導入の課題との指摘があった。マイナンバーカードの利用促進とあわせ、電子処方箋の関連取組と連携した対応が必要としている。

 主な意見としては、「オンライン資格確認等システム利用が伸び悩んでおり、導入後に電子処方箋の利用が伸びるのか疑問」「周辺薬局の対応がまだできていないので、翌年度に導入する方向で調整」など、普及進展を疑問視する声があった。
 費用負担を危惧する声もあった。「費用負担が大きく予算確保が出来ていない」「電子処方箋の機能拡充は良いが、大きく変わる場合はその度に費用や導入の⼿続き、現場の運用停⽌や医師への説明が必要。ある程度固まった状態で導入を促していただきたい」という意見があった。
 そのほか、「大病院では医師・薬剤師の人数も多く、HPKIカードの申請作業や取得状況把握が煩雑」「ベンダの対応が間に合っていない。カードレス認証について、現在ベンダ見積提示の目途が立っていないため、運用開始は『未定』とした」などの指摘もあった。

この記事のライター

関連するキーワード


電子処方箋

関連する投稿


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【電子処方箋】院内処方機能のプレ運用開始

【2025.01.20配信】厚生労働省は1月23日から、電子処方箋の院内処方登録機能のプレ運用を開始する。


「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

「電子処方箋の誤表示問題」の背景にあるもの/鳥飼幸太氏に聞く<群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授>

【2025.01.07配信】2024年12月、厚労省は電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、いったん電子処方箋の発行を停止、一斉点検に入った。重大な健康被害につながる可能性のある事象だ。確認された事象は、医療機関や薬局が使っている独自コードを、電子処方箋が用いるマスタコードに紐づける際のミスで発生した。問題発生の根本には何があったのか。そして、今後、どのような施策が求められるのか。厚労省の電子処方箋等検討ワーキンググループの構成員でもあり、医療情報学の研究者である鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授)に聞いた。


【重要】電子処方箋で処方と異なる医薬品表示事例/マスタ設定の間違い原因

【重要】電子処方箋で処方と異なる医薬品表示事例/マスタ設定の間違い原因

【2024.12.12配信】電子処方箋において処方とは異なる医薬品が薬局側で表示される事例が確認されたとして、厚労省は注意喚起している。医療機関・薬局における医薬品マスタの設定が適切に行われていない場合に起こる可能性があるという。医療機関等向け総合ポータルサイト上で厚生労働省からの重要なお知らせとして、掲載した。


【厚労省】薬局の電子処方箋導入のきっかけを公開/奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市

【厚労省】薬局の電子処方箋導入のきっかけを公開/奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市

【2024.10.28配信】厚生労働省は10月25日、「地域における薬局の電子処方箋導入拡大によるメリット」をまとめ、HPに公開した。今回は、薬局において電子処方箋の導入が進んでいる地域のうち、奈良県大和郡山市、香川県東かがわ市、熊本県菊池市の3地域をピックアップし、導入拡大のきっかけや薬局で感じるメリットなどについて聞いた。


最新の投稿


【中医協】診療側意見、「かかりつけ薬剤師・薬局に対する評価」要望

【中医協】診療側意見、「かかりつけ薬剤師・薬局に対する評価」要望

【2025.12.26配信】厚生労働省は12月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。令和8年度診療報酬改定への各号意見が表明された。


【中医協】支払側意見、調剤基本料1除外を要望/600 回超かつ集中率 85%超、特に都市部薬局で

【中医協】支払側意見、調剤基本料1除外を要望/600 回超かつ集中率 85%超、特に都市部薬局で

【2025.12.26配信】厚生労働省は12月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開いた。令和8年度診療報酬改定への各号意見が表明された。


【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【2025.12.24配信】12月24日の予算大臣折衝を踏まえて、令和8年度の診療報酬改定が決定した。令和8年度及び令和9年度の2年度平均として、本体を+3.09%とする。令和8年度+2.41%、令和9年度 +3.77%とする。


【中医協】オンライン受診施設、保険薬局内の開設に懸念

【中医協】オンライン受診施設、保険薬局内の開設に懸念

【2025.12.24配信】厚生労働省は12月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、オンライン受診施設に関して保険薬局内の開設に関する課題を提示した。委員からは、いわゆる療担規則に規定のある「経済上の利益の提供による誘引の禁止」などに照らすと懸念があるとして反対意見が相次いだ。


【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【2025.12.23配信】日本薬剤師会は12月23日に定例会見を開き、日本薬剤師会の全国会員数調査報告について報告した。


ランキング


>>総合人気ランキング