【ドラッグストア協会】紀平薬剤管理官のセミナー報告/リフィル、「薬局が推進するというよりも出てきたものに信頼得る対応が先決」

【ドラッグストア協会】紀平薬剤管理官のセミナー報告/リフィル、「薬局が推進するというよりも出てきたものに信頼得る対応が先決」

【2022.03.18配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月18日、日本薬業研修センターなどとの定例合同記者会見を開いた。その中で、日本薬業研修センターは、3月11日に開かれた厚労省紀平哲也薬剤管理官のセミナー内容を報告した。セミナーの質疑応答の中で紀平氏は「リフィル処方箋を薬局薬剤師が推進していく方法があるか」との質問に対し、「リフィル処方せんを推進するのは誰か、何のために行うか。薬剤師・薬局がリフィル処方せんを推進するというより、まずは出てきたリフィル処方せんに対して、 きちんと患者や医師の信頼を得られるような対応をすることが先決である」と回答したとされる。


紀平氏「現状の敷地内薬局の要件では判別しにくいところがあるため見直しはある」

 日本薬業研修センターは3月11日に、日本女性薬局経営者の会と共催セミナーを開催した。

 3月18日の会見ではセミナー開催を次のように報告した。

 受講申込者数901名、当日の受講者約680名。

 テーマは「2022 年度調剤報酬改定と改定に込めた狙い」
座長:中込和哉(日本薬業研修センター理事長)
講師:紀平哲也氏(厚生労働省 保険局 医療課)
質疑:堀美智子(日本女性薬局経営者の会会長、日本薬業研修センター医薬研究所所長)
内容:紀平氏より 2022 年度調剤報酬改定の概要について説明の後、質疑応答が行われました。 主な質問の一部を紹介します。

・敷地内薬局の要件見直しはあるか?
回答→現状の敷地内薬局の要件では判別しにくいところがあるため見直しはある。

・リフィル処方せんを薬局・薬剤師が推進していく方法があるか?
回答→リフィル処方せんを推進するのは誰か、何のために行うか。薬剤師・薬局がリフィル処方せんを推進するとういうより、まずは出てきたリフィル処方せんに対して、 きちんと患者や医師の信頼を得られるような対応をすることが先決である。

・保険者側で重複投与、併用禁忌、多剤投与、さらに生活習慣病の受診勧奨が一定基準もとに 行われている。このような保険者サービスが充実すると薬局薬剤師の将来が不安になるが、いかがか。
回答→その通りだと思う。しかし薬剤師が、データヘルスにどう関わっていくか、また薬剤師が関わることで、事前にどう改善したか、または治療、健康づくりの質を向上させたか、そのエビデンスをいかに発信していくか、それによって関係者の理解を得られると思われる。

・今、調剤の外部委託など効率化・適正化などを大義名分に、薬剤師の役割が画一化されて来ているように思えるが、次回の調剤報酬改定ではその辺はどうなのか?
回答→率直に言えば、その不安感があったから「薬局ビジョン」をつくり、いろんな取り組みを6年、7年前から行ってきた。オンラインや外部委託がいいか悪いかは議論が必要だが、それがいいとなっても、みんながその方向にいくことはおそらくない。そのなかで薬剤師が患者さんに薬を渡すときに、または処方せんをみて調剤するとき、その薬のことが分からない薬剤師は、剤形の変更を含めていろんなアドバ スができないとも思われる。そうなれば薬剤師の専門性より、効率化の方向に向か うのも一つの流れだと思われる。そういう意味では国の方針や調剤報酬の問題ばかりにとらわれるのではなく、目の前の患者さんにどれだけ評価してもらえるか、薬局・薬剤師としてどれだけ納得がいく患者サービスを提供していくかが、一番重要だと思われる。

この記事のライター

関連する投稿


【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【ドラッグストア協会】森副会長、「200店舗」などへの波及警戒/調剤報酬改定要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】調剤額伸び率鈍化、「まだ併設出店意欲ある」/今後の伸び率維持に自信

【ドラッグストア協会】調剤額伸び率鈍化、「まだ併設出店意欲ある」/今後の伸び率維持に自信

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日、定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】OTC類似薬の保険適用除外論議にコメント

【ドラッグストア協会】OTC類似薬の保険適用除外論議にコメント

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】調剤額前年比8.4%増の1兆5205億円に/JACDSドラッグストアの実態調査

【ドラッグストア協会】調剤額前年比8.4%増の1兆5205億円に/JACDSドラッグストアの実態調査

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


【ドラッグストア協会】300店舗以上、敷地内薬局等への不利益解消を厚労大臣に要望

【ドラッグストア協会】300店舗以上、敷地内薬局等への不利益解消を厚労大臣に要望

【2025.03.26配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月26日に定例会見を開いた。


最新の投稿


【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【奈良県議会】薬価制度の抜本的改正を求める意見書を採決/奈良県薬が働きかけ

【2025.07.02配信】奈良県議会は7月2日、奈良県議会本会議において「薬価制度の抜本的改正を求める意見書」を会派全会一致で採決した。


【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【厚労省】電子処方箋の新目標を公表

【2025.07.01配信】厚生労働省は7月1日、第7回「医療DX令和ビジョン2030」を開催し、電子処方箋普及の新目標を公表した。


【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【日本薬剤師会】定時総会会長演述/岩月進会長

【2025.06.29配信】日本薬剤師会は6月28・29日に第106回定時総会を開き、その中で岩月進氏が会長演述を行った。


【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【OTC医薬品の遠隔販売】支援システム構築へ/MG-DX社

【2025.06.26配信】株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋氏)の連結子会社である医療AIカンパニー、株式会社MG-DX(本社:東京都渋谷区、代表取締役:堂前紀郎、以下「当社」)は、薬局特化型の接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」において、OTC医薬品の遠隔販売に特化した新たなシナリオを構築したと公表した。


【薬学生】薬局就職者、奨学金利用率は平均上回る39.7%/日病薬

【薬学生】薬局就職者、奨学金利用率は平均上回る39.7%/日病薬

【2025.06.25配信】日本病院薬剤師会は6月25日に定例会見を開き、薬学生の4・5・6年生を対象した調査を行った。その結果、奨学金を利用している学生は33.8%。就職活動終了者921人のうち奨学金の活用者は320人(34.7%)だった。うち、保険薬局への就職者では奨学金の利用率は39.7%で平均を上回っていた。