「中医協の外で詳細な制度設計への言及が散見」
日本医師会の城守氏は、答申書の附帯意見案に関する議論の中で、「附帯意見案に関しては意見は特にない」とした上で、「最近の中医協の審議の在り方について2点気になることがある」として、次のように述べた。
「1点目は審議事項の決定プロセスについて。中医協は以前から社会保障審議会の医療部会、そして医療保険部会で策定をされました改定の基本方針を踏まえた上で医療技術等の評価に関してエビデンスに基づいて有効性と安全性を確認して保険財源を勘案しつつ保険収載の開始判断をするとともに、その技術等が安全かつ適切に行われるために算定要件や施設基準に関して中医協の場で検討した上で決定をしております。とりわけこの医療政策色の強いテーマにおきましては中医協の外で一定の方針が決められることもありましたが、その場合も詳細な制度設計は中医協の場で常に有効性と安全性を確認して医療提供体制に歪みが生じないように検討されてきたという経緯がございます。しかしながら近年、中医協の外で詳細な制度設計にまでですね言及をされるテーマが散見されるのはいかがなものかと考えております。診療報酬に関するテーマは基本的に厚生労働大臣の諮問機関である中医協における主体的な議論を踏まえて決定されるべきと意見具申致します」とした。
「最も重要な判断基準はエビデンスに基づいた有効性と安全性」
加えて次のように述べた。
「2点目でございますが、審議の決定要因に関してでございます。中医協ではこれまで有効性・安全性が確認された技術等は速やかに保険収載とする方針で対応してまいりましたが、近年は決定に際して利便性という判断基準の影響が顕著になってきておりますことから、今回の改定の議論の中でも有効性や安全性を確保したうえで利便性を重視してというご発言が目立っております。利便性はもちろん重要でございますが、中医協で保険適用の可否を審議する際に最も重要な判断基準はエビデンスに基づいた有効性と安全性であるという認識を、各委員には改めて強く認識していただきたいというふうに思っております」とした。