1月12日に開かれた日本薬剤師会都道府県会長協議会の場で山本会長が挨拶した。
オミクロン株に苦労している足下の状況に触れつつ、「年末にかけて緊急的に対応しないといけないことが続いたが、改定に関しては予想の範囲内に進んだ。今後は点数配分になる」と振り返るとともに、一方、規制改革の動きも慌ただしくなっていることに触れ、6月の骨太方針のとりまとめや暮れの規制改革のとりまとめなど、課題が山積みとの認識を示した。
リフィル処方箋に関しては、「リフィル処方箋という新しい概念が入った。骨太方針に記載されたことはあるが、見事に蹴飛ばされたことがあるのでどうなるかと思っていたが、財務省にも評価いただいた。医療関係者からは『お前がやったのだろう』と責められているが、リフィル処方箋では今の100倍も200倍も薬剤師の責任は重くなる。はしゃぐような簡単なものではない。これまでは専門家のあとに処方が出て、再診のあとに処方される中で、次のステップの診察がない中で薬剤師が判断を迫られる。薬剤師が担う役割や責任は大きくなる。判断や決断も重くなる。まさに覚悟をもって取り組むべきこと。はしゃいでいるのではといわれるが、はしゃぐほど度胸はない」と述べた。
これらは薬機法改正から続く流れであるとの見方も示した。
「薬機法が変わり、薬局が調剤の場から医薬品提供の場所に変わり、患者のフォローアップが入った。我々が進めてきた薬剤服用歴管理指導が政策に入った形だ。それが実現するかは現場の薬剤師にかかっている」と話した。
リフィル処方箋の仕組みがしっかり定着していくことについては、「薬学生にとっても明るい未来が見えてくる。ただし、一歩、間違えると、社会から薬剤師が消えてしまう」と指摘し、期待感だけでなく危機感を持った対応の重要性を指摘した。
規制改革の動きについては、「いろいろ議論があるが専門職がしっかり議論して決められるべきであるというのが私の信念だ。患者のためにどういう規制改革がいいのか、薬剤師がどのようなパフォーマンスをすると患者のためになるのか」と指摘し、国民のためになる議論に臨む姿勢を示した。
そのほか挨拶の中ではオンライン活用に関して、「コロナ禍で進んだが平時でもオンラインを活用
できる仕組みをつくる必要がある」とした。認定薬局についても、「形だけの認定薬局が進むのは患者にとっても薬剤師にとっても不幸。数だけを競うことなく地域住民への責任を果たしていけるように取り組みたい」とした。
今夏の参議院選挙に触れ、「何としても藤井(基之)先生のあとに、神谷まさゆき氏を据えなければいけない」と語り、地域薬剤師会に協力を求めた。
最後に自身が会長選に立候補したことに触れ、「薬剤師のことを考え国民のためになることをしていきたい」と述べた。

【日本薬剤師会】山本会長「リフィル処方箋で薬剤師の責任は100倍にもなる」/都道府県会長協議会で挨拶
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