【通期決算】カワチ薬品、売上高+5.2%、営業利益+86.1%

【通期決算】カワチ薬品、売上高+5.2%、営業利益+86.1%

【2021.04.27配信】カワチ薬品は2021年3月期 決算短信を公表した。それによると、売上高は前期比+5.2%、営業利益は同+86.1%と好調だった。


 カワチ薬品の2021年3月期の連結業績(2020年3月16日~2021年3月15日)は、売上高2844億9200万円(前期比5.2%増)だった。利益については、前年の新ポイントカード移行に伴うポイント引当金の影響がなくなったこと等に加え、予防関連商材等の需要増により粗利益率を押し上げたこと、また販促施策の見直しに伴い広告宣伝費等の販管費が抑制されたこと等から大幅な伸びとなった。営業利益は105億6000万円(前期比86.1%増)、経常利益は115億8100万円(前期比76.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は71億900万円(前期比86.0%増)となった。

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により停滞していた経済活動が、徐々に再開するにつれ持ち直しの動きがみられたものの、感染症は再拡大傾向となる等、収束の見通しが立たないこと等から、先行き不透明なまま推移した。個人消費については、将来の各種負担増に加え、経済の下振れリスク等の懸念もあり、節約志向は続いている。一方、新しい生活様式への対応に加え、感染拡大傾向となるにつれ、予防関連商材は堅調に推移するとともに、緩和されつつも外出自粛傾向は続いたこと等から内食需要や生活必需品等の需要は増加する傾向となった。
 
 ドラッグストア業界においては、感染症予防関連商材や外出自粛に伴う関連商材の販売動向は堅調となる一方、インバウンド需要低迷の他、競合各社の出店増、異業種・異業態間における価格競争の
熾烈化は続いており、経営環境は一層厳しさを増している。

 このような中、同社グループでは、有事における小売業としての使命を果たすべく、その機能強化に努め、医薬関連商材や生活必需品等の商品の集荷及び供給に努めてきた。また、創業60周年を迎えたことから記念キャンペーンを実施した。

 新規出店では、既存地区である、栃木県に5店舗、福島県、茨城県、埼玉県に各1店舗、計8店舗を出店。調剤薬局については、栃木県に3件、宮城県、山形県、福島県、茨城県に各1件、計7件
を既存店に併設した。なお、新潟県の1店舗を退店した。

 これによりグループの店舗数は、計346店舗(内、調剤併設123店舗)となった。

 商品部門別売上の状況は下表の通りで、調剤を含む医薬品の伸びが顕著。

今期2022年3月期の連結業績は売上高−0.9%を計画

 次期におけるわが国経済は、海外情勢における地政学的リスクの高まりに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から経済活動停滞リスクの長期化が懸念され、先行き不透明感は一段と増している。消費環境においては、物価や生活費等の上昇が相次ぐ中、経済活動の停滞による将来不安等もあり、一層厳しい環境が続くものと予想する。
 
 このような中、同社グループでは、変化の激しい昨今の経営環境に対応するべく、一層の経営基盤
強化に取り組むため、物流を含めた生産性向上と全体効率化を目的に、DX推進策に基づくシステム化・機械化に取り組む方針。また、ドミナントエリアの出店を進めるとともに、競争激化に対する差別化策として、既存店舗への調剤薬局併設を進める一方、健康意識の高まりに対応した品揃えに加え、ヘルス&ビューティーケア強化策として、美容及び予防も含めた健康の維持・増進、健康寿命延伸に向け、資格者による相談機能の強化を図ることにより、専門性強化策を推進する。

 さらに、生活防衛意識の高まる消費環境に対応するべく「安心・安全」に配慮された商品を、安心価格で提供することに注力し、地域のインフラとしての機能を備えながら地域に一層密着した店舗づくりを進め、地域における生活者の生活の質の向上及び満足度向上に尽力する考え。

 出退店については、主に既存エリアへの出店を15店舗、退店を2店舗計画。専門性強化策を推進するため、調剤薬局を既存店舗に10件併設、1件閉局する予定。

 2022年3月期の連結業績は、売上高2820億円(前期比−0.9%)、営業利益75億円(同−29.0%)、経常利益85億円(同−26.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益55億円(同−22.6%)を見込む。

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