日薬・渡邊副会長、改定対象品目については平均乖離率の「1倍以上」を求める
議題となっている令和9年度薬価改定は、診療報酬改定のない、いわゆる中間年改定にあたる。令和3年度改定から本格導入された中間年改定においては、平成28年12月の4大臣合意において「価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」とされたことが端緒。このことから、改定品目の範囲をどう考えるかが、その後の中間年薬価改定の1つの大きなテーマとなっている。
議論の中で、日本薬剤師会副会長の渡邊大記氏は、薬価の平均乖離率の状況変化を指摘。
中間年改定導入当初である令和3年度改定時には平均乖離率が「8.0%」であり0.5 倍~0.75倍の中間である「0.625倍」を掛けて「乖離率5.0%を超える」品目を対象とした。
しかし、現在では昨年度(令和7年度)の数値ですでに平均乖離率4.8%となっていることを指摘した。
なお、直近の令和7年度改定時ではカテゴリー別に以下のようなこまかな係数設定をしている。
① 新薬のうち、新薬創出等加算の対象品目 平均乖離率(5.2%)の 1.0 倍(乖離率 5.2%)を超える品目を対象とする。
② 新薬のうち、新薬創出等加算の対象外品目 平均乖離率(5.2%)の 0.75 倍(乖離率 3.9%)を超える品目を対象とする。
③ 長期収載品 平均乖離率(5.2%)の 0.5 倍(乖離率 2.6%)を超える品目を対象とする。
④ 後発品 平均乖離率(5.2%)の 1.0 倍(乖離率 5.2%)を超える品目を対象とする。
⑤ その他 平均乖離率(5.2%)の 1.0 倍(乖離率 5.2%)を超える品目を対象とする。
0.5〜1倍という係数が掛けられていた。
こうした状況を踏まえ、渡邊副会長は令和7年度改定時の「メリハリは検討した上で」、「1以上の係数」を求めた。 「価格乖離率の大きな品目を対象とする趣旨であれば平均乖離率に対して1よりも大きな係数をかけるべきなのではないか」(渡邊氏)。
日薬・渡邊副会長「指標となっている乖離率は、100錠包装の医薬品が100錠出た場合に初めて発生」
加えて日薬・渡邊副会長は、製薬産業に対し包装単位の考慮を求めた。次のように述べた。
「指標となっている乖離率は、100錠包装の医薬品が100錠出た場合に初めて発生する。今後も有効な薬価制度議論をしていくためには可能な限り販売の包装単位を設定されている用法用量、ドクターが処方する量に合わせていく必要がある。多くの薬剤で設定されている100錠包装であれば、ドクターの処方が3錠×28日分で84錠出たとすると16錠の残が生じる。この段階ですでに平均乖離率を割っている状態だ。現場の在庫負担、廃棄損耗を解消することが制度の継続にもつながる。限りある医療資源の有効活用、業務の効率化を図ることは今回の論点にもなっている創薬のイノベーションの推進や国民負担の軽減にもつながるものと考える」(渡邊副会長)。