【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【中医協】日本薬剤師会・渡邊副会長、不採算再算定取引の考え方問う/薬局現場で大きくなる「逆ザヤ」問題

【2026.08.27配信】厚生労働省は8月26日、中央社会保険医療協議会(中医協) 薬価専門部会を開き、次期薬価改定へ向けて関係業界からの意見聴取を行った。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の渡邊大記氏は、不採算再算定の取引に関して企業の考え方について質問。流通コストを考慮して欲しいと要望した。


「逆ザヤ」6.9%に上昇/卸連がデータ提示

 同日の部会で意見陳述した日本医薬品卸売業連合会(卸連)は、医薬品の「逆ザヤ」が品目数割合で6.9%に及んでおり、年々増加しているとのデータを示した。
 ただし、卸連の「逆ザヤ」は「対薬価仕切価率が100%以上の品目」であり、すなわちメーカーが卸に提示する仕切価の段階で川下に償還される薬価を上回っているもの。卸から医療機関・薬局へ提示される納入価段階ではさらに「逆ザヤ」が多い状況となっている可能性もある。

 他方、卸連が定義する「逆ザヤ」であっても、安全保障上重要とされる「重要供給確保医薬品」ですら薬価20円以上では4.3%、薬価20円未満においては1.9%の逆ザヤがあるとされた。さらには薬価の下支え対応された不採算品再算定を受けた医薬品の中にも、薬価20円以上で12.4%、薬価20円未満においては26.5%も逆ザヤが存在しているという。

 卸連では重要供給確保医薬品、不採算品再算定品、薬価20円未満の品目において薬価を引き上げることを要望した。

GE薬協、不採算再算定品は「不採算品の約1割にとどまっている」

 日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は、令和8年度薬価改定で不採算品再算定の適用対象となった158品目について不採算品目の約1割にとどまっているとのデータを提示。現行の引き上げ額では、深刻なインフレ実態を十分にカバーできているとは言い難いと主張した。
 不採算品再算定ルールの課題としては、企業申請が実績の薬価ベースとなっているため、足下の物価高騰を反映しきれない「構造的なタイムラグ」があるとした。

日薬・渡邊副会長、不採算再算定の申請は「流通コストを考慮しているか」

 こうした意見陳述に対し、日薬副会長の渡邊大記氏は、不採算再算定に関して「申請には流通コストを考慮しているか、あるいはこれから考慮していく考えはあるか」と質問した。
 
 これに対し、GE薬協の上部団体でもある日本製薬団体連合会(日薬連)会長の安川健司氏は、「流通改善について製造販売業者側の努力というご質問だと理解している。一般論で恐縮だが、流通改善ガイドラインに示されたメーカーの役割については承知しており、各団体で周知徹底していると理解している。また流通に関わる諸問題は流改懇の方で議論が行われていると思うので、そこで承った指摘に対しては業界として真摯に対応してまいる所存」とした。
 
 今年3月に改訂された流通改善ガイドラインでは、メーカーと卸間の交渉に関して、「物価水準等を考慮した人件費や流通コスト等の実情も考慮しながら設定すること」とされた。
 公定価格と物価上昇の板挟みで苦しんでいるのはメーカーも卸も医療機関・薬局も同様であり、流通コストを吸収できないような薬価への下支えが拡充される方向は望ましいといえる。
 しかし、医療機関や薬局、患者まで医薬品が届く段階までを想定して流通全体で交渉がされなければ、薬価が上がっても医療機関・薬局における「逆ざや」は解消しないことになってしまう。

編集部コメント

 日薬連・安川氏の発言は「流通問題は流通改善懇談会の場で議論すること」との趣旨にも受け取れたが、最終的な薬価の問題は中医協で議論する事項。国内の医薬品供給不安とも関連している流通課題への認識について、中医協の場でしっかり見解を示す必要があるのではないか。

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