【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【中医協】日本薬剤師会森昌平副会長が委員退任挨拶

【2026.06.24配信】厚生労働省は6月24、中央社会保険医療協議会(中医協)を開いた。この中で、同日付けで委員を退任する日本薬剤師会副会長の森昌平氏が退任に際し挨拶をした。


 森氏の退任挨拶は以下の通り。


 退任の挨拶の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日をもって中央社会保険医療協議会委員を退任することになりました。
 コロナ禍2023年1月18日に就任し、そこから2回の診療報酬改定を経験させていただきました。
 薬剤師会の中医協委員の先輩たちからは、“中医協委員は特に緊張する”と言われていましたが、就任の挨拶の時これまでにない緊張感と身の引き締まる思いだったのが、つい先日のように思い出されます。
 新型コロナウィルス感染症が5類に変更されたことに伴い、2023年5月10日より3年1カ月ぶりに対面開催となりました。普段は各委員がそれぞれの立場で厳しい議論をする場ですが、その日の中医協では委員・事務局全員が次期改定に向けて皆保険を堅持して国民に質の高い医療を提供するためにこのメンバーで議論していくぞ、という空気感の中で中医協が行われ、このメンバー・事務局と議論できる喜びと改めて薬剤師を代表する委員としてしっかりと取り組んでいこうと思いました。

 就任の挨拶で2つのことをお話させていただきました。1つは薬剤師の委員として現場のことを丁寧に説明していきたいということ、もう1つは医療へのアクセスと質とコストの3つのバランスをどう取っていくのか、非常に難しい課題がある中、国民皆保険を堅持して国民が必要な医療・医薬品にアクセスできるように薬剤師の代表としてしっかりと努めていきたいということを述べました。
 18万人の薬局薬剤師、6万人の医療機関の薬剤師の思いと期待、そして6万軒の薬局の経営を背負うこと、、正直、毎回、想像以上のプレッシャーでした。日本で医薬分業は医師による処方箋の発行、薬剤師による調剤ということで進めてきましたが、本来、医薬分業制度とは国民がどこに住んでいても品質の確保された医薬品に迅速・確実にアクセスできる、安全・安心に医薬品を使用できる体制のことです。中医協ではこの医薬分業制度を構築することが国民のためと考え一貫して発言してきました。

 薬局は医療機関と異なり、薬局法人がありません。そのため、所謂営利法人としての運営になりますが、まず重要なことは薬局は医療提供施設として高い企業理念を持ち、医薬品提供拠点として機能することです。そして、薬剤師が医療の担い手としてかかりつけ機能を強化して質の高い薬剤師サービスを提供することを念頭に発言してきました。
 人口減少、人口構造の変化、疾病構造の変化、過疎化の進展、地域差等、2040年に向けて社会が大きく変わると言われています。薬局を集約化、大規模化すべきと言われていますが、そもそも薬局は小規模で、そうした小規模の薬局が地域医療を支えています。医療提供に医薬品は不可欠です。集約化することにより国民の医薬品アクセスに大きな影響を及ぼし、結果、国民が困ることになります。
 地域に薬局があり、医薬品があり、そして薬剤師がいるから、国民が迅速・確実に医薬品にアクセスすることが出来ます。そうした体制が維持できるような報酬体系をお願いしたいと考えています。

 2つ目の医療へのアクセス、コスト、質のバランスは非常に難しい課題ですが、公的保険制度により国民が安心して必要な医療・医薬品にアクセスできることが国民の幸せ、そして国民を守ることになります。医療費削減ありきではなく、今後も国民の医療へのアクセス、医療の質の確保を第一に考えていくべきと考えます。
 最後に城山現会長、小塩前会長をはじめとした、公益委員、1号側委員、専門委員の皆様、私を支えていただいた2号側委員の皆様、膨大な資料の作成、大変な中医協の運営をいただいた厚労省の皆様、そして最後に私をずっと支えていただいた日本薬剤師会の役員、委員会の委員、事務局のスタッフに感謝申し上げます。
 次回の中医協からは、画面の向こうから委員の皆様、事務局を応援したいと思います。本当にありがとうございました。

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