【財政審】薬局距離規制に言及、「合理性ある参入規制は検討の余地あり」

【財政審】薬局距離規制に言及、「合理性ある参入規制は検討の余地あり」

【2026.04.28配信】財務省は4月28日に財政制度等審議会「財政制度分科会」を開いた。


 この中で小規模乱立の提供体制や医療機関近隣への群集といった薬局の業界構造に変化が見られない点を問題視。
 その上で、旧薬事法上の薬局距離規制に対する違憲判決に言及。判決以降、薬局への量的規制について行われてこなかったのが実情だが、医療保険財政の観点からの病床規制を合憲とした事例も見られると指摘。規制の目的・手法に鑑み、量的規制に合理性が認められる可能性もあると考えられるとした。

 「例えば」として、薬局の開業そのものへの制約ではない「保険調剤への参入規制の導入」や、単純な距離規制ではない「一定地域内の密集性に着目した規制」であるなら、「検討の余地があるのではないか」と提言した。

薬局に対する量的規制の可能性について考察

 薬局に対する量的規制の可能性についても考察。

 旧薬事法による薬局距離規制への違憲判決(最大判昭和50年4月30日)は、医薬品の安全性確保等の消極的な目的のために、単純な距離制限という薬局開設自体への大きな制約を課すことの合理性を認めなかったものであり、「例えば、保険財政上の必要性から、診療報酬上の措置により薬局に対する量的規制を行うことまでは否定されないのではないか」とした。

 保険財政上の必要性に鑑み量的規制が認められた例として、不必要又は過剰な医療費を発生させ、医療保険の運営の効率化を阻害するおそれがあること等を理由に、医療法上の病院開設中止勧告に従わず病床過剰地域で開設した病院に対して保険医療機関の指定を拒否したことを合憲とした例が存在(最一小判平成17年9月8日)していることも指摘。
 当該判決で広範な立法裁量が認められた理由について、当該処分が開業の自由そのものを制約するものでなく、保険給付への参入資格のみを問題にしていることが挙げられうるとの指摘がある(原田大樹
「保険医療機関指定拒否処分と憲法22条」(2025年2月社会保障判例百選第6版))として、医療保険財政の観点からの「医療分野における量的規制を検討する上で一定の示唆を有するのではないか」としている。

この記事のライター

関連するキーワード


財政審

関連する投稿


【日本保険薬局協会】財政審提言に反論「民間の薬局をどう大規模化・集約化するのか」

【日本保険薬局協会】財政審提言に反論「民間の薬局をどう大規模化・集約化するのか」

【2026.05.14配信】日本保険薬局協会(NPhA)は5月14日に定例会見を開き、財務省の財政制度等審議会(財政審)から薬局の大規模化・集約化などが提言されていることに反論した。「民間の薬局をどう大規模化・集約化するのか」との疑問を呈した上で、「規模の大小や立地ではなく役割や機能、アウトプットで評価すべき」との考えを示した。


【財政審】薬局の“小規模分散”の問題指摘/中医協「調剤その2」の資料引用

【財政審】薬局の“小規模分散”の問題指摘/中医協「調剤その2」の資料引用

【2026.04.23配信】財務省は4月23日、財政制度等審議会「財政制度分科会」を開き、「財政各論」の資料を提示した。この中で薬局について、昨年の中央社会保険医療協議会(中医協)の資料「調剤その2」の資料も引用しつつ、“小規模分散”の問題を指摘した。小規模分散の体制は、対人業務の充実や安定的な医薬品供給の観点から問題があるとした。


【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」

【日本薬剤師会】財政審の改革提言に反論、「薬局増えても調剤報酬増えない」

【2025.11.05配信】日本薬剤師会は11月5日に会見を開いた。この中で、同日公表された財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会の提言に対し反論した。


【日本薬剤師会】「調剤管理料は表面的な業務ではなく調剤の根本に関わる評価」/財政審に反論

【日本薬剤師会】「調剤管理料は表面的な業務ではなく調剤の根本に関わる評価」/財政審に反論

【2025.05.28配信】日本薬剤師会は5月28日に都道府県会長協議会を開いた。この中で財務省「財政制度等審議会」から公表された、いわゆる「春の建議」の内容について見解を示した。


【日本薬剤師会】「過密地域への薬局開設について財務省の目がいった」

【日本薬剤師会】「過密地域への薬局開設について財務省の目がいった」

【2025.05.28配信】日本薬剤師会は5月28日に都道府県会長協議会を開いた。この中で財務省「財政制度等審議会」から公表された、いわゆる「春の建議」の内容について見解を示した。


最新の投稿


【千葉豪雨】5薬局に被害、うち2軒は営業不可/厚労省発表

【千葉豪雨】5薬局に被害、うち2軒は営業不可/厚労省発表

【2026.08.15配信】厚生労働省は、令和8年8月千葉豪雨の被害状況について公表した。薬局に関しては、千葉県健康福祉部薬務課より8月14日17時時点での被害状況について報告があり、5薬局に被害、うち2軒は営業不可となっている。


【スギ薬局】認知症の“未病”の見える化事業/神奈川県等と基本合意

【スギ薬局】認知症の“未病”の見える化事業/神奈川県等と基本合意

【2026.08.12配信】スギホールディングス連結子会社の株式会社スギ薬局(本社:愛知県大府市、代表取締役社長:杉浦 克典氏)は8月12日、ノックオンザドア株式会社とともに、神奈川県と「認知症未病改善データプラットフォーム等に関する基本合意」を締結した。


【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【日本保険薬局協会】調剤報酬改定影響調査/在総加算2が算定率22.1%→3.3%へ急激

【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響」の調査結果を公表した。在宅分野では、在宅薬学総合体制加算2の算定率が22.1%から3.3%へ大きく低下した。


【日本保険薬局協会】穿刺血を用いる検査薬のOTC化等で要望書

【日本保険薬局協会】穿刺血を用いる検査薬のOTC化等で要望書

【2026.08.06配信】日本保険薬局協会は8月6日に定例会見を開き、「穿刺血を用いる検査薬のOTC化等に関する要望書」を厚生労働省 医薬局長宛に提出したことを説明した。


【薬局倒産】株式会社浅川薬品(長野市)/事業停止、自己破産申請へ

【薬局倒産】株式会社浅川薬品(長野市)/事業停止、自己破産申請へ

【2026.08.06配信】帝国データバンク長野支店によると、株式会社浅川薬品(長野市)は7月31日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。


ランキング


>>総合人気ランキング