【倒産件数】調剤薬局やドラッグストア、過去10年で最多/帝国データバンク

【倒産件数】調剤薬局やドラッグストア、過去10年で最多/帝国データバンク

【2024.12.09配信】帝国データバンクは12月9日、調剤薬局やドラッグストアの倒産が過去10年で最多とのレポートを発表した。


 帝国データバンクによると、調剤薬局やドラッグストアなどの「医薬品小売事業者」の倒産が過去10年で最多となった。

 医薬品小売事業者の2024年の倒産件数は11月までに34件発生。
 負債総額は143億9800万円となり、過去10年で最多・最大となった。

 このままのペースで推移すれば、年間件数は37件前後となる見通しという。グループで調剤薬局を経営する「寛一商店」(京都)と関係会社8社が7月、経営不振などを理由に東京地裁へ会社更生法の適用を申請したことで全体の件数を押し上げた。

 34件の内訳を見ると、業態別では「調剤薬局」が28件で最も多く、「ドラッグストア」(3件)、「配置薬」(2件)、「薬店」(1件)が続いた。また、都道府県別では「東京都」(7件)、「宮城県」「新潟県」(各4件)の順となり、負債額別では1億円未満の小規模倒産が20件を占めた。

 帝国データバンクでは、高齢化による調剤医療費の増加に伴い、薬局数も増え続けているとし、業者間の競争は激化していると指摘。経営者の高齢化も深刻とし、帝国データバンクが全国約3900人の医薬品小売事業者を対象に経営者年齢の分布を調査したところ、60歳以上が全体の62.2%を占めた。
 さらに、調剤薬局と密接な関係にある医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産は11月までに57件発生し、過去最多だった2009年(通年で52件)をすでに上回った。
 
 今後も調剤薬局を中心とした医薬品小売事業者の競争が続くなか、経営者の高齢化がより深刻化することで、倒産のみならず休廃業・解散の件数も増加していくと予測している。

この記事のライター

関連するキーワード


帝国データバンク 倒産

関連する投稿


【倒産情報】調剤薬局経営の有限会社ウィスタリア(新潟・村上市)が破産申請へ

【倒産情報】調剤薬局経営の有限会社ウィスタリア(新潟・村上市)が破産申請へ

【2023.09.15配信】東京商工リサーチ新潟支店によると、調剤薬局経営の(有)ウィスタリア(新潟・村上市)が破産による整理を予定している。新型コロナウイルス関連倒産では県内110番目としている。


「薬局」の倒産数、コロナ禍が落ち着き減少へ/2022年度は15件/東京商工リサーチ調べ

「薬局」の倒産数、コロナ禍が落ち着き減少へ/2022年度は15件/東京商工リサーチ調べ

【2023.05.23配信】東京商工リサーチは5月23日、「調剤薬局」の倒産件数の調査結果を公表した。コロナ禍で過去最多となる23件を記録した2021年度からは減少し2022年度は15件だった。同社は「今後はオンライン化で淘汰が加速も」と分析している。


最新の投稿


【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【令和8年度診療報酬改定】本体+3.09%、令和8年度及び令和9年度の2年度平均として

【2025.12.24配信】12月24日の予算大臣折衝を踏まえて、令和8年度の診療報酬改定が決定した。令和8年度及び令和9年度の2年度平均として、本体を+3.09%とする。令和8年度+2.41%、令和9年度 +3.77%とする。


【中医協】オンライン受診施設、保険薬局内の開設に懸念

【中医協】オンライン受診施設、保険薬局内の開設に懸念

【2025.12.24配信】厚生労働省は12月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、オンライン受診施設に関して保険薬局内の開設に関する課題を提示した。委員からは、いわゆる療担規則に規定のある「経済上の利益の提供による誘引の禁止」などに照らすと懸念があるとして反対意見が相次いだ。


【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【日本薬剤師会】会員1671人減少、10万人切る/組織強化委員の報告書は年明け完成見込み

【2025.12.23配信】日本薬剤師会は12月23日に定例会見を開き、日本薬剤師会の全国会員数調査報告について報告した。


【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【2025.12.19配信】自民党と日本維新の会がまとめた税制大綱が公表された。セルフメディケーション税制について期限延長と対象の変更等を記載。薬局製造販売医薬品についても、税制の対象となる一般用医薬品等と同じ成分を有効成分として含有するものを対象に加える。


日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」新発売/第一三共ヘルスケア

日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」新発売/第一三共ヘルスケア

【2025.12.18配信】 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広氏)は12月18日、日本初となるOTC緊急避妊薬「ノルレボ」(要指導医薬品)を2026年2月2日(月)に発売すると公表した。価格(メーカー希望小売価格)は1錠 6800円(税込み 7480円)。


ランキング


>>総合人気ランキング