【日病薬_通知】抗がん剤の過量投与事例受け注意点の例示

【日病薬_通知】抗がん剤の過量投与事例受け注意点の例示

【2024.10.31配信】日本病院薬剤師会(日病薬)は10月22日、「医薬品の安全管理に関する留意点について」を通知した。抗がん剤の過量投与事例等を受けて具体的な注意点を例示した。


システムの仕組みの理解や動作検証を

 通知は「医薬品の安全管理に関する留意点について(システムが関連した誤投与事例を受けて)」と題したもの。調剤支援システムや医療情報システムは業務効率化や医療安全向上に寄与するものの、システムの不具合やマスタ設定ミスによるインシデントや医療事故も報告されているとして、注意を促している。

 通知の中では、「今日の薬剤業務では、システム利用が当然のようになり、処方チェックや薬剤の取揃えもシステムで補完できるまでに至っている」とする一方、「同時に、機能の追加や複数システムとの連携等により予期せぬ事象が発生するリスクもあり、十分な注意が必要」と注意喚起。また、安全なシステム利用には、利用者の適切な理解や対応とシステムベンダとの連携が不可欠だとしている。

 日病薬の医療情報システム小委員会では、令和 4 年 6 月 10 日に医薬品の安全使用のための業務手順書作成マニュアル 「第 23 章 医薬品関連の情報システムの利用」に関する解説を公表している。今回の通知は、抗がん剤の過量投与事例等を踏まえ、同マニュアルの内容を基本としつつ、具体的な注意点を例示した。
 日病薬としては、医療機関だけで全て対応できるものはないとしながらも、システム利用における重要な視点とし、再発防止や啓発活動に活用してほしいとしている。
 
 具体的な注意点は以下の通り。 

1.システム導入前の準備
正しい理解:システムの仕組みの理解に努め、予期せぬ事態に備える
連携体制 :エラーやインシデント発生時の対応や連絡体制を整備する

2.システム導入時
 動作検証:通常動作に加え、明からに通常量を超えるような処方量の入力によりシステムが停止しないか等を十分確認するなど、想定しうる様々なパターンでの動作確
認を行うよう心掛ける。
 作業記録:システムの動作記録を残し、有事の追跡調査に役立てる記録範囲と期間:医療機関とシステムベンダで予め協議する

3.システム変更時
 動作検証:バージョンアップや修正後の予期せぬ動作の可能性を認識し、確認する

4.インシデント対策
 原因究明と対処:医療機関だけで原因究明は難しいため、システムベンダ等と協力する点検と確認:他施設での事例が、自施設でも発生する可能性の有無の確認に努める

(参考)
日本病院薬剤師会 医療情報システム小委員会,医薬品の安全使用のための業務手順書作成マニュアル「第 23 章 医薬品関連の情報システムの利用」に関する解説,2022 年 6 月 10日
https://www.jshp.or.jp/activity/guideline/20220613-1.pdf

この記事のライター

関連するキーワード


日本病院薬剤師会 調剤過誤

関連する投稿


【薬剤師臨床研修】厚労省概算要求10億円/日病薬は歓迎意向

【薬剤師臨床研修】厚労省概算要求10億円/日病薬は歓迎意向

【2026.10.07配信】日本病院薬剤師会(日病薬)は10月7日に定例会見を開き、厚労省の令和9年度概算要求について、歓迎する意向を示した。


【薬剤師臨床研修】全国31グループで“病院間”連携で実施/日病薬

【薬剤師臨床研修】全国31グループで“病院間”連携で実施/日病薬

【2026.08.20配信】日本病院薬剤師会は8月19日に定例会見を開き、薬剤師臨床研修事業の実施について説明した。全国31グループを認定し、地域の複数の病院や薬局が連携して臨床研修を実施する。単独ではガイドラインに準拠した臨床研修の実施が難しい医療機関でも施設間連携により可能とし、実施施設の増加を目指す。関連する調査研究や指導薬剤師のe-ラーニングは厚労省委託事業として採択された。


【病院薬剤師会】熊本の医療機関へ累計7名の薬剤師派遣/県と病薬の契約なく厚労省から派遣要請受託

【病院薬剤師会】熊本の医療機関へ累計7名の薬剤師派遣/県と病薬の契約なく厚労省から派遣要請受託

【2026.08.19配信】日本病院薬剤師会は8月19日に開いた定例会見で熊本地震への対応について説明した。


【日本病院薬剤師会】薬剤師のキャリア形成“ロードマップ”作成

【日本病院薬剤師会】薬剤師のキャリア形成“ロードマップ”作成

【2026.07.05配信】日本病院薬剤師会は薬剤師のキャリア形成における“ロードマップ”を作成していく方針を示した。6月20日に開かれた総会で武田泰生会長が会長演述の中で示した。


【日本病院薬剤師会】全副会長候補が当選/役員候補者選挙

【日本病院薬剤師会】全副会長候補が当選/役員候補者選挙

【2026.02.28配信】日本病院薬剤師会は2月28日に臨時総会を開催し、令和8・9年度役員候補選挙を行った。現任会長のほか、現任副会長も全員が当選した。正式には6月の通常総会での承認をもって就任となる。


最新の投稿


【パブコメ開始】処方箋なしでの医療用医薬品の販売について

【パブコメ開始】処方箋なしでの医療用医薬品の販売について

【2026.10.16配信】厚生労働省は10月16日、改正薬機法のうち、処方箋なしでの医療用医薬品の販売などの省令案についてパブコメを開始した。


【日薬・NPhA・JACDS】3 団体共同の広告企画/薬剤師が提供する「3 つの安心」訴求

【日薬・NPhA・JACDS】3 団体共同の広告企画/薬剤師が提供する「3 つの安心」訴求

【2026.10.16配信】日本薬剤師会(日薬)、日本保険薬局協会(NPhA)、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の薬局関連3団体は10月16日、共同広告を実施すると公表した。昨年度に続き、薬剤師の専門性や役割について訴求する内容。


【厚労省】R8地域医薬品提供体制の「モデル事業」要項を公表

【厚労省】R8地域医薬品提供体制の「モデル事業」要項を公表

【2026.10.15配信】厚生労働省は10月15日までに「令和8年度 地域における医薬品提供体制等の構築・強化に係るモデル事業」の実施要項を公表した。申し込みは令和8年10月13日(火)から開始しており、締め切りは10月30日(金)まで。


【日薬】薬局関連団体からの「中医協参画」要望にコメント

【日薬】薬局関連団体からの「中医協参画」要望にコメント

【2026.10.14配信】日本薬剤師会(日薬)会長の岩月進氏は10月14日に開かれた定例会見で、日本保険薬局協会など薬局関連団体が中央社会保険医療協議会(中医協)へ委員参画を求める意見を公表したことに対してコメントした。


【日薬_学術大会】来年は東日本大震災を経験した福島県で開催

【日薬_学術大会】来年は東日本大震災を経験した福島県で開催

【2026.10.12配信】10月12日、新潟で開かれた「第59回日本薬剤師会学術大会」が閉幕した。来年、2027年の第60回大会は福島県で開催される。大会運営委員長を務める福島県薬剤師会会長の長谷川祐一氏は、「東日本大震災という困難を乗り越えた経験のある福島だからこそ発信できる学びと実践を全国の皆様と共有できる大会を目指す」と語った。


ランキング


>>総合人気ランキング