【日本薬剤師会】サイバーインシデント発生時の事業継続計画の薬局向けひな形を公表

【日本薬剤師会】サイバーインシデント発生時の事業継続計画の薬局向けひな形を公表

【2024.07.31配信】日本薬剤師会は7月31日に定例会見を開き、サイバーインシデント発生時の事業継続計画の薬局向けひな形を公表した。


今年度中に各薬局での整備必要

 令和5年4月に改正薬機法施行規則が施行され、薬局の管理者が遵守すべき事項として、サイバーセキュリティの確保について必要な措置を講じることが追加されている。厚労省から示されている「サイバーセキュリティ対策チェックリスト」の中には、「サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)を策定している」旨が示され、その策定を支援するために、このほど、日薬が雛形を示したもの。日薬のホームページでも公開した。
 本件の備えは、薬事監視の対象の内容となる。BCPは今年度中に薬局に備えておくことが求められている。
 
 原口亨副会長は、「あくまでも今回示したものは雛形であって、ベンダーとの契約状況など、多様なシステムが入っているため、各薬局の状況にそって対応いただきたい」と説明した。

 記者から、「この雛形の内容を理解できる薬局・薬剤師の人は多くはない印象がある。雛形の提示以外に講習会の開催などは予定しているか」と質問が出ると、原口副会長は委員会で対応を協議する可能性があることを指摘した。

 原口副会長は、IT・ICTの分野は薬学の専門領域の学習の過程で知識習得の機会が少ない可能性を指摘し、リテラシーに差があることに危惧を示した。その上で、今後、委員会を立ち上げる方針を示し、その委員会が活動する中で地域から講習会などの要望が出てくることがあれば対応を検討していくことも考えられるとした。

■日薬公開ページ
https://www.nichiyaku.or.jp/pharmacy-info/cybersecurity/

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