2022年度の「薬学教育評価」は、岐阜薬科大学、京都大学、京都薬科大学、就実大学、昭和大学、千葉科学大学、同志社女子大学、東邦大学、徳島文理大学、九州保健福祉大学に関して行われ、九州保健福祉大学以外では「薬学教育評価」の結果、「薬学教育評価 評価基準」に対して適合認定された。
しかし、九州保健福祉大学薬学部に関しては「内部質保証」、「教育課程の実施」及び「学修成果の評価」の事項に関して重大な問題点が認められるとし、総合判定が保留された。いずれも適合水準に達していないため、薬学科として早急に改善に取り組むことが求められるとした。
機構の評価報告書によると、まず「内部質保証」については、自己点検・自己評価委員会を設置して随時取り組む体制を取っているものの、大学全体の自己点検・自己評価委員会の下部組織としての役割が強く、薬学科における学位プログラムレベルの自己点検・評価とその結果に基づいた改善・向上に向けて機能しているとは言い難いとした。当該薬学科に対しては、第1期の薬学教育第三者評価において薬学教育プログラムに係る多くの問題点を指摘したが、今回の第2期第三者評価において未だ改善・向上に至っていない重大な問題点が相当数あるほか、第2期の評価基準に照らして新たに重大な問題点も明らかになっており、内部質保証が機能していない所以と指摘。「内部質保証」が機能していないことによる教育プログラムにおける問題点は項目「1 教育研究上の目的と三つの方針」、「3-1 教育課程の編成 」、「4 学生の受入れ」、「5 教員組織・職員組織」においても認められるとしている。
次に、「教育課程の実施」に関しては、問題解決能力の醸成に関わる教育で重要な役割を持つ卒業研究において、研究発表を各講座1名の学生しか行わないこと、卒業研究の成績評価を講座の教員のみの判断で行うことなど評価の客観性が懸念されること、実務実習で教員の実習施設へ訪問指導が行われていないこと、卒業の可否判断に重要な影響を持っている「薬学総合演習Ⅰ・Ⅱ」の合否判定に学外業者による模試の成績を含め、学科教員が責任をもって単位認定している状況にないことなどを挙げ、いずれも6年制薬学教育の適切な実施に抵触する重大な問題点であり、早急な改善が必要と指摘している。
また、「学修成果の評価」では、アセスメント・ポリシーが明確ではなく、教育課程の進行に対応した評価に至っておらず、またその評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用できる体制となっていないと言及。そのため、こういった不備は進級率や修業年限内での卒業率の低迷などの原因となっていると考えられるとした。
このように、九州保健福祉大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、機構の評価基準に照らして評価すると、多くの改善を必要とする重大な問題が見出される結果となったとしている。九州保健福祉大学薬学部薬学科には、6年制薬学教育の向上・発展を図ることを期待するとしている。
【九州保健福祉大学薬学部】薬学教育評価で「重大な問題点」/薬学教育評価機構
【2023.04.11配信】薬学教育評価機構は3月31日、2022年度の「薬学教育評価」の結果を公表した。その中で九州保健福祉大学薬学部に関して「内部質保証」、「教育課程の実施」及び「学修成果の評価」の事項に関して重大な問題点が認められるとし、総合判定が保留された。
最新の投稿
【厚労省】過活動膀胱症状改善薬「バップフォー」の2類移行議論/安全対策調査会
【2026.08.23配信】厚生労働省は8月27日、薬事審議会医薬品等安全対策部会「安全対策調査会」を開催し、プロピベリン塩酸塩の一般用医薬品のリスク区分について議論する。プロピベリン塩酸塩は「バップフォーレディ」(第1類医薬品)などとして販売されている。
【薬剤師臨床研修】全国31グループで“病院間”連携で実施/日病薬
【2026.08.20配信】日本病院薬剤師会は8月19日に定例会見を開き、薬剤師臨床研修事業の実施について説明した。全国31グループを認定し、地域の複数の病院や薬局が連携して臨床研修を実施する。単独ではガイドラインに準拠した臨床研修の実施が難しい医療機関でも施設間連携により可能とし、実施施設の増加を目指す。関連する調査研究や指導薬剤師のe-ラーニングは厚労省委託事業として採択された。
【2026.08.19配信】厚生労働省は8月19日、要指導・一般用医薬品部会を開催。ビラノアNとアレジオン点眼薬を要指導薬に指定する要否について議論し、両剤ともに要指導医薬品に指定する方針とした。
【病院薬剤師会】熊本の医療機関へ累計7名の薬剤師派遣/県と病薬の契約なく厚労省から派遣要請受託
【2026.08.19配信】日本病院薬剤師会は8月19日に開いた定例会見で熊本地震への対応について説明した。
【日本総研レポート】「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」/成瀬道紀氏
【2026.08.18配信】日本総研は8月12日、経済・政策レポート「社会保険料負担軽減の焦点は医療保険制度改革」を公表した。執筆は成瀬道紀氏。レポートでは骨太の方針に現役世代の社会保険料率引き下げが明記されたこと触れ、医療保険料率をどこまで引き下げられるかが焦点となると指摘。医療費への税投入増加を展望しにくい財政環境だとし、OTC類似薬など患者自己負担の増加の政策がとられているものの大きな財政効果は見込みにくいとし、医療の必要性に応じた給付のメリハリや供給側における効率的な医療サービス提供を促す改革が求められるとしている。