【厚労省_有識者検討会】「価格交渉代行」について資料に記載

【厚労省_有識者検討会】「価格交渉代行」について資料に記載

【2023.04.04配信】厚生労働省は4月4日、「第11回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を開催し、積み残しの課題について議論した。この中で、事務局は「価格交渉代行」について資料に記載した。


 事務局は「積み残しの論点等について」の資料を提示し、その中で「価格交渉の代行について」を記載。「価格交渉代行」については、「医薬品卸と医療機関や薬局との価格交渉において、医療機関や薬局に代わって医薬品卸と価格交渉を行うことを指しており、共同購入を行うボランタリーチェーンの本部や医療機関や薬局の経営改善の支援の一環としてコンサルタント業者が行っているケースもある」と説明。

 「価格交渉代行のメリット」として、医療機関や薬局は直接価格交渉を行う負担がなくなることや、小規模の薬局は共同購入を行うことにより購入規模が大きくなり、その分、価格値下げ交渉が可能となるとした。また医薬品卸は価格交渉の相手が限定されることから、契約手続の効率化が図れると指摘した。

 「価格交渉代行の問題点」としては、購入規模が大きくなるため、値下げの圧力が強まるほか、成功報酬を得るため、ベンチマーク等を利用して強行に値下げ交渉を行う場合もあると記載。また医薬品の特性や地域的要素を考慮しない一律の価格となる場合があるとした。

 その上で、厚生労働省のこれまでの取り組みとして、「価格交渉の代行を行っていると思われる企業等に対して、流通改善ガイドラインの周知を行った」(令和5年2月1日付医政局医薬産業振興・医療情報企画課事務連絡)と説明している。

この記事のライター

関連する投稿


【座談会】「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を振り返る

【座談会】「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を振り返る

【2023.07.09配信】ある意味で業界が一喜一憂しながら見守ってきた厚労省「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」。10カ月にわたり13回の会議が開催され、6月12日に報告書がとりまとめられた。ドラビズon-lineでは検討会を総括する目的で厚労省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長(医薬産業振興・医療情報企画課セルフケア・セルフメディケーション推進室長併任)安藤公一氏や青山学院大学名誉教授の三村優美子氏、 日本保険薬局協会医薬品流通・OTC検討委員会副委員長の原靖明氏を交えた座談会を実施した。


【中医協】保険者「過度な薬価差について突っ込んだ議論を」/有識者検討会の報告書受けて

【中医協】保険者「過度な薬価差について突っ込んだ議論を」/有識者検討会の報告書受けて

【29023.06.21配信】厚生労働省は6月21日に中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会を開き、令和6年度の薬価改定のスケジュールや主な課題などについて議論した。この中で保険者側である1号委員の全国健康保険協会(協会けんぽ)理事長の安藤伸樹氏は「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の報告書に関連して、過度な薬価差が発生する問題と薬価差の偏在の問題について「突っ込んだ議論が必要」との考えを表明した。


【厚労省_有識者検討会】「適正な医薬品流通」へ向け「流通改善GL改訂」/報告書案

【厚労省_有識者検討会】「適正な医薬品流通」へ向け「流通改善GL改訂」/報告書案

【2023.06.06配信】厚生労働省は6月6日、「第13回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を開催し、検討会報告書(案)を公表した。「適正な医薬品流通」へ向け流通改善ガイドラインを改訂するなどと対策の方向性を示した。報告書の微修正については座長預かりとなり、大筋では了承された格好。


【厚労省_有識者検討会】報告書骨子案を提示/「薬価差縮減のための制度整備」記載

【厚労省_有識者検討会】報告書骨子案を提示/「薬価差縮減のための制度整備」記載

【2023.04.27配信】厚生労働省は4月27日、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を開催し、報告書の骨子案を提示した。「流通取引の改善」については、「薬価差縮減のための制度整備」を記載。「薬価と大きな乖離が発生している取引がある場合は、その見える化と薬価差の偏在の是正に向けた方策を検討」とした。


【厚労省_有識者検討会】「薬剤自己負担に係る議論」について資料に記載

【厚労省_有識者検討会】「薬剤自己負担に係る議論」について資料に記載

【2023.04.04配信】厚生労働省は4月4日、「第11回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を開催し、積み残しの課題について議論した。この中で、事務局は「薬剤自己負担に係る議論」について資料に記載した。


最新の投稿


【次世代研】山本信夫・前日薬会長の特別講演会開催/2026年2月11日に

【次世代研】山本信夫・前日薬会長の特別講演会開催/2026年2月11日に

【2026.11.16配信】次世代薬局研究会(代表理事:武政文彦氏)は2026年2月11日に、前日本薬剤師会会長である山本信夫氏による特別講演会を開催する。


【日本医療機能評価機構】薬包の表記は薬局等で異なるため薬包1包量を確認を/持参薬で

【日本医療機能評価機構】薬包の表記は薬局等で異なるため薬包1包量を確認を/持参薬で

【2025.11.17配信】日本医療機能評価機構は11月17日、「医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.228」を作成・ホームページで公表した。タイトルは、「粉砕調製された持参薬の過量与薬」で、2021年1月1日~2025年9月30日に2件の事例が報告されているもので、第81回報告書「分析テーマ」で取り上げた内容をもとに作成された。


【薬機法改正】「指定濫用防止医薬品」にデキストロメトルファンとジフェンヒドラミン/調査会方針

【薬機法改正】「指定濫用防止医薬品」にデキストロメトルファンとジフェンヒドラミン/調査会方針

【2025.11.11配信】厚生労働省は11月11日、「令和7年度第8回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開き、改正薬機法に定めた「指定濫用防止医薬品」としてデキストロメトルファンとジフェンヒドラミンを指定する方針を了承した。


【薬団連】OTC類似薬についてシンポジウム開催

【薬団連】OTC類似薬についてシンポジウム開催

【2025.11.09配信】薬局団体連絡協議会(薬団連)は11月9日に「第7回シンポジウム」を開き、「OTC類似薬」をテーマに取り上げた。参画団体共通の声明については今後の課題として、今回は策定・公表はしていない。


【東京都薬剤師会】市販緊急避妊薬の「産婦人科医等との連携リスト」関与の方針

【東京都薬剤師会】市販緊急避妊薬の「産婦人科医等との連携リスト」関与の方針

【2025.11.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は11月7日に定例会見を開いた。その中で、市販化の見通しとなった緊急避妊薬の販売条件となる「産婦人科医等との連携体制」のリストについて、都薬としても関与していく方針を示した。


ランキング


>>総合人気ランキング