【日本保険薬局協会・首藤正一会長/年頭所感】電子処方箋のスムーズな導入と運用に会を挙げて取り組む

【日本保険薬局協会・首藤正一会長/年頭所感】電子処方箋のスムーズな導入と運用に会を挙げて取り組む

【2023.01.01配信】日本保険薬局協会の首藤正一会長は、2023年の年頭にあたり、年頭所感を公表した。その中で、2023年1月に開始を見込む電子処方箋のスムーズな導入と運用に会を挙げて取り組むとした。


 日本保険薬局協会・首藤正一会長の「年頭所感」は以下の通り。

 2023 年の新春を迎えるにあたり、一般社団法人日本保険薬局協会を代表して新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、一年を表す漢字が「戦」であったように、引き続き新型コロナウィルスの変異によって繰り返された感染の波、ロシアによるウクライナへの侵攻、参議院議員選挙期間中の前総理大臣銃撃事件という暗く悲しい出来事が続きました。しかし、年の締めくくりに、サッカーワールドカップにおいて日本が優勝実績のあるドイツ、スペインに勝利し、代表選手による世界レベルのプレーの数々に勇気をもらい、「三苫の 1 ミリ」から最後まで諦めず勝利を追求する志の学びを得ました。

 福岡での日本薬局学会学術総会は、切望しておりましたリアルでの開催を三年ぶりに実施することができました。実際にはオンライン配信も合わせたハイブリッド形式にて開催し、会場にお越しの方 4,000 名、オンラインにてご聴講の方 3,300 名の合計7,300 名もの方にご参加いただき、厚生労働省をはじめとしました各界の皆様のご協力のおかげで盛会のうちに閉会することができました。
 薬局の現場では、日々の業務に加え、新型コロナ抗原検査キットや内服薬の供給、ワクチン接種の各種相談、さらには医薬品の供給問題対応も重なり大変多忙な中、参加していただきました皆様にあらためて御礼申し上げます。

 さて、当業界におきましては昨年の調剤報酬改定で、管理や指導等、薬局における薬剤師の業務ごとに報酬が細かく分類されたことなどに加え、リフィル処方箋の仕組みも新たに導入されました。当協会では「リフィル処方箋の手引き(薬局版)」を作成するなど、薬局が患者さまの状態確認、処方医への情報提供、受診勧奨等を適切に行えるよう、積極的に対応してまいりました。
 また、コロナ禍により顕在化したデジタル化の遅れを取り戻すべく、医療界においてもマイナンバーをキーとして DX が進んでいくことでしょう。オンライン資格確認、保険証とマイナンバーカードの統合、そして電子処方箋の運用も始まります。導入には様々な困難もありますが、これらによってもたらされるメリットは計り知れません。行政や他業種とも緊密に連携を取りながらスムーズな導入と運用に向け、会を挙げて取り組んでまいります。

 日本保険薬局協会は今年設立 20 年を迎えます。おかげさまで会員薬局数は全薬局の30%を超える規模の組織に成長いたしました。最近は、調査や研究の協力依頼を多くいただくようになり、経営者団体だからこそ得られる情報を適時収集・分析して会員のみならず各方面に提供しております。今後は、未来の薬局の在り方や役割も具現化して発信できるよう、研究活動と広報にも力を入れてまいります。

 収まる兆しの見えないコロナ禍や医薬品の供給不足に対しましては、引き続き地域や他団体と連携して対策を講じてまいります。保険薬局が地域住民のニーズに寄り添ったサービスの提供を行い、その機能を強化することで日本の医療の発展に貢献できればと願っております。
 本年も皆様の変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

この記事のライター

関連するキーワード


日本保険薬局協会 年頭所感

関連する投稿


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


【日本保険薬局協会】会長に三木田慎也氏続投/専務理事に柳樂 晃洋氏

【日本保険薬局協会】会長に三木田慎也氏続投/専務理事に柳樂 晃洋氏

【2024.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定時総会を開催。次期会長には三木田慎也氏(総合メディカル株式会社)が続投するなど、役員体制を報告した。


【日本保険薬局協会】加盟社の調剤売り上げが3兆円大台突破

【日本保険薬局協会】加盟社の調剤売り上げが3兆円大台突破

【2024.05.15配信】日本保険薬局協会は5月15日に定時総会を開催。5月10日現在の加盟社売り上げが3兆円の大台突破したことを報告した。


【日本保険薬局協会】夜間・休日対応の周知で相談窓口設置へ/会員が困った事例あれば対応

【日本保険薬局協会】夜間・休日対応の周知で相談窓口設置へ/会員が困った事例あれば対応

【2024.05.09配信】日本保険薬局協会は5月9日に定例会見を開いた。その中で2024年度調剤報酬改定で地域支援体制加算などの要件となっている薬局の夜間・休日対応の周知について、協会として窓口を設けることになったと説明した。


【日本保険薬局協会】薬剤師会の“傘下”のような取り組み、「違和感」/休日・夜間対応リスト作成で三木田会長

【日本保険薬局協会】薬剤師会の“傘下”のような取り組み、「違和感」/休日・夜間対応リスト作成で三木田会長

【2024.04.11配信】日本保険薬局協会は4月11日に定例会見を開いた。


最新の投稿


【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【厚労省】“研究用”抗原検査キット、薬機法で取り締まりの方向/該当性判断の上

【2024.07.25配信】厚生労働省は7月25日に「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しについて議論した。その中で「研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応」を議題とした。


【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【日薬】オーバードーズ問題でマニュアル作成を検討中

【2024.07.24配信】日本薬剤師会は7月24日、都道府県会長協議会を開催した。


【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【厚労省】処方箋保存期間の検討を提示/薬局検討会

【2024.07.19配信】厚生労働省は、現在3年間となっている処方箋の保存期間について見直す方針を示した。「第7回薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で提示した。診療録の保存期間が5年となっている中、電子処方箋については処方箋を調剤済みとなった日から5年間保存するサービスを提供しているなどの環境変化を挙げている。今後、制度部会で議題とする方針。


【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【コンソーシアム】大阪市から調剤外部委託で4社8薬局が確認通知受領を公表

【2024.07.19配信】薬局DX推進コンソーシアムは7月19日、大阪市から調剤業務一部委託事業の確認通知を受け取ったと公表した。


【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【日本保険薬局協会】健康サポート薬局と地域連携薬局「違いない」/厚労省検討会に意見書

【2024.07.19配信】日本保険薬局協会は7月19日に開かれた厚労省「第7回 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で意見書を提出した。「健康サポート薬局、地域連携薬局、地域支援体制加算届出薬局が描く薬局像は、小異こそあれ、分立させるほどの違いはない」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング