【リフィル処方箋】手引きを日本保険薬局協会が公表

【リフィル処方箋】手引きを日本保険薬局協会が公表

【2022.09.12配信】日本保険薬局協会は9月8日に定例会見を開き、その中で「リフィル処方箋の手引き」を作成したことを報告した。今後、協会ホームページで公開する予定という。



 手引きは、「1対応フロー」「2処方箋例」「3調剤日と調剤可能期間」などのコンテンツとなっている。

 フローでは、受け取り時の確認、妥当性判断、服薬指導、服薬指導後の対応、必要に応じて対応、次回来局などの流れにそって、それぞれ留意するべきポイントをまとめている。

 例えば、受け取り時には「レ点があるか」「使用回数」(上限3回まで)「医薬品種類」などを確認するとしている。
 留意点としては、リフィル欄に手書き記載があった場合には偽造を疑い医療機関に確認するほか、投薬量に限度が定められている医薬品 (新薬や向精神薬、麻薬等)及び湿布薬 (63枚の制限あり)についてはリフィル処方箋による投薬を行うことはできないことなどを明記。

 また、外用薬のリフィル処方の場合、 1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数の記載に加えて、投与日数の記載が必要(例:点眼液6瓶 1日6回両目に点眼 *30日分)としている。

 リフィル処方可の薬剤と不可の薬剤が混在する場合(例:降圧剤と湿布薬)、薬剤毎にリフィル回数が異なる場合(例:降圧剤はリフィル3回、頓服使用の鎮痛剤は1回のみ) は、処方箋を別に分けて発行する必要がある。
 さらに、有効期間を確認する。2回目以降は、原則として、前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内を有効期間とする。
 例として、「次回調剤予定日が6月13日だった場合、その日を含まない前後7日間である6月6日から6月20日の間で調剤が可能」などと記載している。

 このように、それぞれのタイミングごとに確認事項などが細かく記載されていて分かりやすい。薬局現場で、間違いのないリフィル処方箋への対応に寄与しそうだ。

 また「調剤日と調剤可能期間」の項では、カレンダー形式で調剤可能な期間を表示している。

 巻末では、患者向けのリーフレットも掲載。患者に対してもリフィル処方箋の利用の流れを図説しているとともに、下部には「次回の処方箋有効期間」を大きく記入するスペースを設け、患者に期限切れが起こらないように促している。
 
 協会では、今回の手引き作成、公表に関して、「リフィル処方箋は薬剤師の職能が試され、医薬分業の是非にも大きく影響しうるということを重く受け止める必要がある」とした上で、「手引きが国民にリフィル処方箋のメリットを感じていただき、薬剤師が医師と連携を図りながら丁寧・適切に対応していく一助となれば」としている。

この記事のライター

関連する投稿


【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。


【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査

【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。


【日本保険薬局協会】「OTCセルフケア推進委員会」新設

【日本保険薬局協会】「OTCセルフケア推進委員会」新設

【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で、「OTCセルフケア推進委員会」を新設したと公表した。


【日本保険薬局協会】“処方箋40枚規定”にも提言を「挑戦」/医療制度検討委員会

【日本保険薬局協会】“処方箋40枚規定”にも提言を「挑戦」/医療制度検討委員会

【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で医療制度検討委員会は、“処方箋40枚規定”に関する提言も「挑戦したい」とした。


【日本保険薬局協会】2025年5月1日時点の会員数公表/正会員は362社

【日本保険薬局協会】2025年5月1日時点の会員数公表/正会員は362社

【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、5月1日時点での正会員数などを公表した。正会員は362社で、2024年度に21社の入会があった。


最新の投稿


【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【エフィエント錠】PTPシートのGS1コード誤表示/第一三共

【2025.09.30配信】このほど、抗血小板剤「エフィエント錠3.75㎎」のPTPシートに印字されたGS1コード(調剤包装単位コード)に誤りがあったとして、製造販売元の第一三共より報告がされている。それを受け、日本薬剤師会でも注意喚起の文書を発出した。


【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【日薬学術大会】ブース出展/災害備蓄や認知症の服薬支援で技術紹介/アルフレッサ

【2025.09.30配信】医薬品の流通を担う社会インフラ企業であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介氏)は、2025年10月12日(日)~13日(月・祝)に国立京都国際会館にて開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」に出展する。「かかりつけ薬剤師の新たな挑戦!健康・生活を支える商品と信頼」をテーマに、医療現場の業務効率化と患者様の満足度向上に貢献するソリューションを紹介する予定。


【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【日本薬剤師連盟】神谷まさゆき氏を組織内統一候補に選任

【2025.09.26配信】日本薬剤師連盟は9月25日に開催した臨時評議員会で、組織内統一候補に神谷まさゆき参議院議員を選任した。神谷氏が自身のSNSで報告した。


【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【健保連】OTC薬に代替可能な薬や簡易な検査「保険給付から除外」を/『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』

【2025.09.25配信】健康保険組合連合会は9月25日、新たな提言『「ポスト2025」健康保険組合の提言 』を公表した。OTC医薬品に代替可能な医療用医薬品や簡易な検査などについて、保険給付から除外あるいは給付割合の見直しを図ることなどを提言している。同種同効の医薬品のうち、正当な理由なく、より高額な医薬品を選択する場合に自己負担を増加させる選定療養の活用も提案している。


【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【日薬】緊急避妊薬のスイッチ化でパブコメ提出/「賛成」

【2025.09.25配信】日本薬剤師会は9月25日、定例会見を開き、緊急避妊薬のスイッチOTC化に関して、パブコメを提出したことを説明した。


ランキング


>>総合人気ランキング