手引きは、「1対応フロー」「2処方箋例」「3調剤日と調剤可能期間」などのコンテンツとなっている。
フローでは、受け取り時の確認、妥当性判断、服薬指導、服薬指導後の対応、必要に応じて対応、次回来局などの流れにそって、それぞれ留意するべきポイントをまとめている。
例えば、受け取り時には「レ点があるか」「使用回数」(上限3回まで)「医薬品種類」などを確認するとしている。
留意点としては、リフィル欄に手書き記載があった場合には偽造を疑い医療機関に確認するほか、投薬量に限度が定められている医薬品 (新薬や向精神薬、麻薬等)及び湿布薬 (63枚の制限あり)についてはリフィル処方箋による投薬を行うことはできないことなどを明記。
また、外用薬のリフィル処方の場合、 1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数の記載に加えて、投与日数の記載が必要(例:点眼液6瓶 1日6回両目に点眼 *30日分)としている。
リフィル処方可の薬剤と不可の薬剤が混在する場合(例:降圧剤と湿布薬)、薬剤毎にリフィル回数が異なる場合(例:降圧剤はリフィル3回、頓服使用の鎮痛剤は1回のみ) は、処方箋を別に分けて発行する必要がある。
さらに、有効期間を確認する。2回目以降は、原則として、前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内を有効期間とする。
例として、「次回調剤予定日が6月13日だった場合、その日を含まない前後7日間である6月6日から6月20日の間で調剤が可能」などと記載している。
このように、それぞれのタイミングごとに確認事項などが細かく記載されていて分かりやすい。薬局現場で、間違いのないリフィル処方箋への対応に寄与しそうだ。
また「調剤日と調剤可能期間」の項では、カレンダー形式で調剤可能な期間を表示している。
巻末では、患者向けのリーフレットも掲載。患者に対してもリフィル処方箋の利用の流れを図説しているとともに、下部には「次回の処方箋有効期間」を大きく記入するスペースを設け、患者に期限切れが起こらないように促している。
協会では、今回の手引き作成、公表に関して、「リフィル処方箋は薬剤師の職能が試され、医薬分業の是非にも大きく影響しうるということを重く受け止める必要がある」とした上で、「手引きが国民にリフィル処方箋のメリットを感じていただき、薬剤師が医師と連携を図りながら丁寧・適切に対応していく一助となれば」としている。
【リフィル処方箋】手引きを日本保険薬局協会が公表
【2022.09.12配信】日本保険薬局協会は9月8日に定例会見を開き、その中で「リフィル処方箋の手引き」を作成したことを報告した。今後、協会ホームページで公開する予定という。
関連する投稿
【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント
【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。
【マイナ保険証】活用で「多重受診・過剰処方」発見効果/日本保険薬局協会調査
【2025.06.12配信】日本保険薬局協会は6月12日に定例会見を開き、「保険薬局における医療DX活用と業務貢献等の実態調査」の結果を説明した。「多重受診・過剰処方」の発見など効果がみられた。
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で、「OTCセルフケア推進委員会」を新設したと公表した。
【日本保険薬局協会】“処方箋40枚規定”にも提言を「挑戦」/医療制度検討委員会
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、今期、22期の活動計画を報告した。この中で医療制度検討委員会は、“処方箋40枚規定”に関する提言も「挑戦したい」とした。
【日本保険薬局協会】2025年5月1日時点の会員数公表/正会員は362社
【2025.05.21配信】日本保険薬局協会は5月21日に定時総会を開き、5月1日時点での正会員数などを公表した。正会員は362社で、2024年度に21社の入会があった。
最新の投稿
【日本医療機能評価機構】薬包の表記は薬局等で異なるため薬包1包量を確認を/持参薬で
【2025.11.17配信】日本医療機能評価機構は11月17日、「医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.228」を作成・ホームページで公表した。タイトルは、「粉砕調製された持参薬の過量与薬」で、2021年1月1日~2025年9月30日に2件の事例が報告されているもので、第81回報告書「分析テーマ」で取り上げた内容をもとに作成された。
【薬機法改正】「指定濫用防止医薬品」にデキストロメトルファンとジフェンヒドラミン/調査会方針
【2025.11.11配信】厚生労働省は11月11日、「令和7年度第8回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開き、改正薬機法に定めた「指定濫用防止医薬品」としてデキストロメトルファンとジフェンヒドラミンを指定する方針を了承した。
【2025.11.09配信】薬局団体連絡協議会(薬団連)は11月9日に「第7回シンポジウム」を開き、「OTC類似薬」をテーマに取り上げた。参画団体共通の声明については今後の課題として、今回は策定・公表はしていない。
【東京都薬剤師会】市販緊急避妊薬の「産婦人科医等との連携リスト」関与の方針
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会(都薬)は11月7日に定例会見を開いた。その中で、市販化の見通しとなった緊急避妊薬の販売条件となる「産婦人科医等との連携体制」のリストについて、都薬としても関与していく方針を示した。
【東京都薬剤師会】改定議論、「大手に誤解進むのは怖い」/髙橋正夫会長
【2025.11.07配信】東京都薬剤師会は11月7日に定例会見を開いた。この中で髙橋正夫会長は、調剤報酬改定の議論に触れ、「大手の方々に誤解進むのは怖い」と話した。