【ウエルシア薬局】ペットボトルのリサイクルに関する実証実験を開始/キリンと

【ウエルシア薬局】ペットボトルのリサイクルに関する実証実験を開始/キリンと

【2022.03.25配信】キリンホールディングスとキリンビバレッジ、およびウエルシア薬局は、「ボトル to ボトル」のリサイクルモデルの確立に向けて、使用済みペットボトル容器回収の実証実験を開始する。6 月から埼玉県内のウエルシア約 190 店舖で順次実施するもの。


実証実験の検証を経て、同エリア内のドラッグチェーン業界に対象拡大予定

  今回の実証実験は、ウエルシア薬局が店頭に設置した回収ボックスで使用済みペットボトルの回収・分別し、これをキリンビバレッジがリサイクラーに供給した上で再原料化・再生PETを使用した容器の飲料の製造まで一連のリサイクル工程を管理する。

 ウエルシアの店頭に設置した回収ボックスで集められたペットボトルは、協力会社であるアラインのオンラインシステム上で、店舗ごとの回収量およびリサイクラーへの搬入量がリアルタイムに可視化され、一旦ウエルシアの物流拠点へ集められたのち、リサイクラーの遠東石塚グリーンペット社へ搬入される。その後、再生PET原料を製造する工場にて粉砕・洗浄などの工程を経て、ペットボトルの原料として再原料化される。

 今回埼玉県内のウエルシア約 190 店舗で実証実験の結果検証を経て、同エリア内のドラッグチェーン業界に対象を広げ、将来的には他の小売業界も含め、業界を問わずに活動の規模を拡大させていく予定。

 日本においては、使用済みペットボトルは回収された後、用途を指定せずに売却されることが多いため、ペットボトルからペットボトルへ再生される(ボトル to ボトル)割合は低く、多くが食品トレーや衣類などの他のPET製品に再生されている。こうしたペットボトル以外のPE 製品は、その後繰り返して再生することは困難となる。また、回収される廃ペットボトルの一部にはゴミなどの異物が混在していることも「ボトル to ボトル」を阻害する要因ともなっており、リサイクルに適した廃ペットボトルを安定的に確保する際の課題となっている。

 今回、キリングループとウエルシア薬局はプラスチックが循環し続ける社会を目指し、回収した使用済みペットボトルの用途を、確実にペットボトルへの再生に活用するリサイクルモデルを確立することで、「ボトル to ボトル」に向けた社会インフラの拡充を目指す。
 今回の件における消費者にとっての利点は、市町村による資源物収集は週一回程度の頻度であることが多く、使用済みペットボトルを収集日まで家庭内で保管しなければならず、保管スペースや美観の視点での不便利であるという課題の解決にある。
 毎日営業しているウエルシア店頭での回収により、いつでも持ち込むことが可能となり、消費者自身が持続的な資源循環への貢献を実感していただくことにつながる。

 また、「ボトル to ボトル」を実現し、プラスチックを循環し続けるためには、再生 PET 樹脂のコストを低く抑える必要がある。今回ウエルシアは、店舗から物流センターまでの収集を商品配荷の帰り便トラックを活用して効率化することで、回収~運搬~再生に関わるコストを可能な限り抑えて飲料メーカーに受け渡すなど、将来的な取り組みの拡大も見据え、独自の発想で推進する。

 キリングループは、2020 年 2 月に社会と企業のレジリエンス強化へ向けた新たなビジョン「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、「容器包装を持続可能に循環している社会」を目指すことを宣言している。また「キリングループ プラスチックポリシー」では、2027 年までに日本国内における PET 樹脂使用量の 50%をリサイクル樹脂にすること掲げている。

 ウエルシアは、プラスチック資源循環社会を進めるため 2020 年 9 月より栃木県内店舗店頭でペットボトルの店頭回収の実証実験をスタートし、2021 年 6 月より本格的に栃木県内 56 店舗と 2022 年 2 月茨城県内113店舗の169店舗で「ボトル to ボトル」の取り組みを実施している。今回キリングループと協業の上、ウエルシアの埼玉県内190店舗においても順次開始する。ウエルシアは今後も地域を拡大し PET ボトル資源循環に貢献していく考え。

 キリングループとウエルシアは、今回の取り組みにおいて、消費者とともに持続的に資源が循環し続ける社会を目指すとしている。

この記事のライター

関連する投稿


【ウエルシアHD】調剤、地域⽀援体制加算の経過措置終了も粗利率維持/各種加算の取り組みにより

【ウエルシアHD】調剤、地域⽀援体制加算の経過措置終了も粗利率維持/各種加算の取り組みにより

【2023.07.10配信】ウエルシアホールディングスは7月10日、2024年2月期 第1四半期連結業績(2023年3月1日~2023年5月31日)を公表した。調剤報酬においては地域支援体制加算の経過措置の終了があったが、同社調剤事業では、各種加算の取り組みにより粗利率は維持したという。


【ウエルシアHD】コロナ5類移行後も検査立会を継続

【ウエルシアHD】コロナ5類移行後も検査立会を継続

【2023.05.08配信】ウエルシアホールディングスは5月8日、コロナ5類移行後も検査立会を継続するとリリースした。


【ウエルシアHD】新中計公表/26年2月期に売上30%増の1兆5000億円目標/調剤売上構成比25%目指す

【ウエルシアHD】新中計公表/26年2月期に売上30%増の1兆5000億円目標/調剤売上構成比25%目指す

【2023.04.10配信】ウエルシアホールディングスは4月10日、2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)の決算説明会を開催。足下の決算概況のほか、新中期経営計画を公表した。


【ウエルシア薬局】社長交代

【ウエルシア薬局】社長交代

【2023.02.17配信】ウエルシアホールディングスは2月17日、同日開催の取締役会において、⼦会社であるウエルシア薬局の代表者異動について決議したと公表した。


【ウエルシア薬局】メルカリと「捨てずにお得な大掃除」プロジェクトを始動/大掃除の不用品利活用へ

【ウエルシア薬局】メルカリと「捨てずにお得な大掃除」プロジェクトを始動/大掃除の不用品利活用へ

【2022.12.19配信】ウエルシア薬局は、株式会社メルカリ、一般社団法人 ハウスキーピング協会と連携し、2022年12月14日(水)より「捨てずにお得な大掃除」プロジェクトを始動する。同プロジェクトでは3者が連携し、特別版メルカリ教室を期間限定で首都圏のウエルシア薬局10店舗で順次開始する。


最新の投稿


【市民団体】緊急避妊薬OTC化の試験的運用で要望書を厚労省に提出/染矢代表「調査が条件課す根拠に使われないか、非常に危惧している」

【市民団体】緊急避妊薬OTC化の試験的運用で要望書を厚労省に提出/染矢代表「調査が条件課す根拠に使われないか、非常に危惧している」

【2023.11.28配信】適切かつ安全に緊急避妊薬にアクセスできる社会の実現を目指す「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」は11月28日、「緊急避妊薬OTC化の試験的運用の周知、及び迅速かつ全面的なOTC化実現を求める要望書」を厚生労働省に提出した。厚労省は医薬局医薬品審査管理課長の中井清人氏が受け取った。同日、試験的運用が開始されたことを受けたもの。


【日本薬剤師会】「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業」HP公開/都道府県別対応薬局リストも閲覧可能

【日本薬剤師会】「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業」HP公開/都道府県別対応薬局リストも閲覧可能

【2023.11.28配信】日本薬剤師会は11月28日、「緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業」に関する一般向けのホームページを公開した。同日から同事業が開始されることに合わせたもの。


【医療保険者団体】診療報酬改定要望を武見厚労相に提出/薬価改定では「市場実勢価格引き下げ分は国民に還元を」

【医療保険者団体】診療報酬改定要望を武見厚労相に提出/薬価改定では「市場実勢価格引き下げ分は国民に還元を」

【2023.11.27配信】健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、全国健康保険協会、全日本海員組合、日本経済団体連合会、日本労働組合総連合会の6団体は連名で、武見敬三厚生労働大臣宛てに「令和6年度診療報酬改定に関する要請」を提出した。


【日本薬剤師連盟】薬剤師議員懇談会開催/賃金上昇への改定財源を改めて訴える/加藤勝信前厚生労働相など参席

【日本薬剤師連盟】薬剤師議員懇談会開催/賃金上昇への改定財源を改めて訴える/加藤勝信前厚生労働相など参席

【2023.11.27配信】日本薬剤師会は11月27日、自由民主党薬剤師問題議員懇談会総会を開催した。年度の会計報告を含めた総会を実施するとともに、改めて薬局が物価高騰・賃金上昇に対応するために必要な診療報酬改定財源の確保などを直接、国会議員に求めた。


【訃報】東邦ホールディングス濱田矩男最高顧問

【訃報】東邦ホールディングス濱田矩男最高顧問

【2023.11.27配信】東邦ホールディングスで長く経営トップとして活躍してきた濱田矩男最高顧問が死去した。83歳。


ランキング


>>総合人気ランキング