【中医協】オンライン服薬指導の「1割以下」の制限撤廃提示

【中医協】オンライン服薬指導の「1割以下」の制限撤廃提示

【2022.01.26配信】厚生労働省は中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、2022年度診療報酬改定について「個別改定項目」を提示した。その中で、オンライン服薬指導に関して、これまで規定してきた「当該保険薬局において、一月当たりの次に掲げるものの算定回数の合計に占める情報通信機器を用いた服薬指導の算定回数の割合が一割以下であること」との要件を撤廃することを示した。当該項目は、経団連(日本経済団体連合会)などから撤廃要望が出ていた。IT産業など異業種による薬局への参入障壁を下げるものと考えられる。


「3月以内に再度処方箋を提出した患者」とそれ以外を評価区分

 「情報通信機器を用いた服薬指導の評価の見直し」として、以下を示した。

・基本的な考え方
 オンライン服薬指導に係る医薬品医療機器等法のルールの見直しを踏まえ、外来患者及び在宅患者に対する情報通信機器を用いた服薬指導等について、要件及び評価を見直す。

・具体的な内容
1.外来患者に対する情報通信機器を用いた服薬指導について、服薬管理指導料に位置付け、要件及び評価を見直す。

<主な変更点>
現行:情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合 43点
改訂案:情報通信機器を用いた服薬指導
を行った場合
イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合 ●●点
ロ イの患者以外の患者に対して行った場合 ●●点

手帳を提示しない場合は評価区分(評価引き下げか)

現行:別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科点数表」という。)の区分番号A003に掲げるオンライン診療料に規定する情報通信機器を用いた診療の実施に伴い、処方箋が交付された患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、当該処方箋受付において、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、月1回に限り所定点数を算定する。この場合において、注4から注10までに規定する加算は算定できない。
改訂案:情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、4のイの患者であって手帳を提示しないものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は、4のロにより算定する。

施設基準は全て撤廃

 以下の施設基準は全て削除する。

[施設基準]
 九の二 薬剤服用歴管理指導料の注3に規定する保険薬局の施設基準

(1) 情報通信機器を用いた服薬指導を行うにつき十分な体制が整備されていること。
(2) 当該保険薬局において、一月当たりの次に掲げるものの算定回数の合計に占める情報通信機器を用いた服薬指導の算定回数の割合が一割以下であること。
① 区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料
② 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料

九の三 薬剤服用歴管理指導料の注3に規定する厚生労働大臣が定めるもの
 原則三月以内に区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料1又は2を算定したもの

この記事のライター

関連するキーワード


中医協 オンライン服薬指導

関連する投稿


【令和6年調剤報酬改定_答申】基準見直しの調剤基本料「2ーイ」、集中率上位3医療機関で7割超

【令和6年調剤報酬改定_答申】基準見直しの調剤基本料「2ーイ」、集中率上位3医療機関で7割超

【2024.02.14配信】厚生労働省は2月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、答申について議論し、最終案を提示した。


【令和6年調剤報酬改定_答申】調剤基本料3点増点/賃上げ対応で

【令和6年調剤報酬改定_答申】調剤基本料3点増点/賃上げ対応で

【2024.02.14配信】厚生労働省は2月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、答申について議論し、最終案を提示した。


【中医協_答申書の附帯意見案】日薬森氏、敷地内薬局の議論にコメント

【中医協_答申書の附帯意見案】日薬森氏、敷地内薬局の議論にコメント

【2024.01.31配信】厚生労働省は1月31日に中央社会保険医療協議会(中医協) 総会を開き、答申書の附帯意見案について議論した。この中で日本薬剤師会副会長の森昌平氏は敷地内薬局についてコメントした。


【中医協】改定議論整理案で追記/薬局に関しては「夜間・ 休日対応を含めた体制に係る調剤基本料等の評価を見直す」

【中医協】改定議論整理案で追記/薬局に関しては「夜間・ 休日対応を含めた体制に係る調剤基本料等の評価を見直す」

【2024.01.12配信】厚生労働省は1月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)の追記部分を議論した。賃上げ対応について前回の議論の内容を追加したもの。


【中医協】日医、賃上げ把握で「評価の収入」と「かかる支出」の総額把握による簡素化を要望

【中医協】日医、賃上げ把握で「評価の収入」と「かかる支出」の総額把握による簡素化を要望

【2024.01.09配信】厚生労働省は1月9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、賃上げ対応について議論した。


最新の投稿


【日本薬剤師会】夜間・休日対応で通知/5月9日までに都道府県薬の対応状況を回答

【日本薬剤師会】夜間・休日対応で通知/5月9日までに都道府県薬の対応状況を回答

【2024.04.27配信】日本薬剤師会は都道府県薬剤師会担当役員宛てに「地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)の構築、 リスト化及び周知等について【重要】(その5)」を発出した。5月2日の算定に係る届出開始、6月の施行を踏まえ、日薬として全国的な準備状況について確認するため、5月9日までのアンケート回答を依頼している。


【調剤報酬_疑義解釈】夜間休日対応の周知、「薬剤師会会員のみの整理」は算定不可

【調剤報酬_疑義解釈】夜間休日対応の周知、「薬剤師会会員のみの整理」は算定不可

【2024.04.26配信】厚生労働省は4月26日、令和6年度調剤報酬改定の「疑義解釈資料の送付について(その3)」を発出した。


【東京都】災害薬事コーディネーターを任命/都薬副会長の宮川昌和氏など

【東京都】災害薬事コーディネーターを任命/都薬副会長の宮川昌和氏など

【2024.04.24配信】東京都薬務課は4月24日、定例会見を開いた。


【東京都】市販薬の適正使用へ/小学生向け教材作成へ/乱用推進計画

【東京都】市販薬の適正使用へ/小学生向け教材作成へ/乱用推進計画

【2024.04.24配信】東京都薬務課は4月24日、定例会見を開いた。


【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【楽天三木谷氏】“濫用薬”の規制方向「撤回を」/デジタル社会構想会議で表明

【2024.04.24配信】デジタル庁は4月24日、第 9 回デジタル社会構想会議を開いた。この中で三木谷浩史氏(楽天グループ株式会社/一般社団法人新経済連盟)は厚労省の進める“濫用薬”の規制方向を撤回するよう意見した。


ランキング


>>総合人気ランキング