紀平氏はフォーミュラリに関して、「進めていくべきことと報酬で評価すべきことを同列で議論すると錯綜するのでは」との見方を示した。
診療報酬で評価すべきではないという意見が出たことについては、「評価すべきではないということとフォーミュラリを作成することがよくないこととは同義ではないと思っている」(紀平氏)。
「厚労省としてもフォーミュラリを進めていくことは一定重要なことと思っている」との考えを示した。「どう進めるかについては言葉が先行すると中身が入らないこともあるので、関係者が理解してあるべき方向に進めることが重要。進め方については皆さんの意見をお聞きしながら進めるものと思っている」とした。
一方、フォーミュラリのあり方については、「有効性・安全性を確保した上でどうするかが重要。マクロとしての有効性・安全性と、個別の患者さんに当てはめると必ずしもそうではないということもあるので、使い方も重要だ。(市販後の)状況変化も適正に実態に合わせていくことも必要だと思っている」との考えを示した。

紀平薬剤管理官「フォーミュラリは重要」「“進めること”と“報酬で評価すること”を同列で話すと錯綜」
【2021.10.23配信】厚生労働省保険局医療課薬剤管理官の紀平哲也氏は、フォーミュラリに関してコメントし「フォーミュラリを進めていくことは一定重要」との考えを示した。その上で、「進めていくべきことと報酬で評価することを同列で議論すると錯綜するのでは」との見方も示した。日本フォーミュラリ学会が10月21日にオンラインで開いた設立シンポジウムで講演したもの。
関連する投稿
【ドラッグストア協会】紀平薬剤管理官のセミナー報告/リフィル、「薬局が推進するというよりも出てきたものに信頼得る対応が先決」
【2022.03.18配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月18日、日本薬業研修センターなどとの定例合同記者会見を開いた。その中で、日本薬業研修センターは、3月11日に開かれた厚労省紀平哲也薬剤管理官のセミナー内容を報告した。セミナーの質疑応答の中で紀平氏は「リフィル処方箋を薬局薬剤師が推進していく方法があるか」との質問に対し、「リフィル処方せんを推進するのは誰か、何のために行うか。薬剤師・薬局がリフィル処方せんを推進するというより、まずは出てきたリフィル処方せんに対して、 きちんと患者や医師の信頼を得られるような対応をすることが先決である」と回答したとされる。
【地域フォーミュラリ】「11月に始まる大阪府八尾市薬剤師会がモデルになる」/フォーミュラリ学会の今井氏
【2021,10.23配信】日本フォーミュラリ学会は10月23日、学会設立記念シンポジウムをオンラインで開催した。この中で、同学会理事長の今井博久氏(東京大学大学院)は、「今年11月に大阪府八尾市で地域フォーミュラリが始まる。これはモデルケースになるだろう」と指摘した。また、病院フォーミュラリに関しては、同じ地区に3病院で別々に作成されたケースがあるとして、「地域の医師会・薬剤師会と連携していないので地域フォーミュラリの概念が崩れかねない」との懸念を示した。
【薬剤師によるコロナワクチン接種】厚労省紀平薬剤管理官、「接種後に起こる事象への対処も課題」
【2021.05.23配信】保険薬局経営者連合会(薬経連)は5月23日、「薬経連第11回スプリングフォーラム」を開催し、シンポジウムに臨んだ厚労省保険局医療課薬剤管理官の紀平哲也氏は薬剤師によるコロナワクチン接種の問題に関して意見を求められ、「接種後に起こる事象に対する対処も課題だと思う」と述べた。
最新の投稿
【2025.04.18配信】ウエルシアホールディングス株式会社は4月18日、代表取締役の異動(退任)に関するお知らせを公表した。
【医療・介護・福祉】「現場を守る緊急要望」特設ページ開設/自民参議院議員有志
【2025.04.18配信】参議院自民党の医療福祉に専門性を持つ有志議員は、「医療・介護・福祉の現場を守る緊急要望」特設ページを開設した。4月18日に関係団体や自民党国会議員らが集まり「医療・介護・福祉の現場を守る緊急集会」を開催するほか、その後、代表者が石破茂内閣総理大臣に面会し、要望することなどを報告している。
【2025.04.17配信】4月17日、衆議院本会議が開かれ、薬機法の改正法案について可決した。このあと、参議院に送られる。
【改正薬機法_付帯決議】「リフィル処方箋の更なる利用促進」/衆議院
【2025.04.16配信】衆議院は4月16日に厚生労働委員会を開催し、改正薬機法を原案通り賛成多数で可決した。また19の付帯決議も決した。
【改正薬機法_付帯決議】緊急避妊薬の薬局での販売、「若い世代の当事者を検討会に参画を」/衆議院
【2025.04.16配信】衆議院は4月16日に厚生労働委員会を開催し、改正薬機法を原案通り賛成多数で可決した。また19の付帯決議も決した。