ファルモが発売を開始した「EveryPick」は、クラウド型ピッキングアプリ。費用面の導入ハードルを下げるべく、導入初期費用及び月額利用料を業界水準より安価にし、必要な機能に特化した。
導入により、調剤過誤を防ぎ、患者により安全な医療を届けることにつながるとしている。同時に、薬剤師の対物業務における負担を減らし、これまで以上に対人業務に集中することが可能になることを目指す。
「EveryPick」のリリースを記念し、先着で月額費用を 6 ヶ月無料で利用できる「論より証拠、まずは実践キャンペーン」も実施する。
クラウド型ピッキングアプリ「EveryPick」は、医薬品のピッキングミスを防ぎ、薬剤師・患者へ安心安全を提供する。手持ちのスマートフォンのカメラで、取り揃えた薬の GTIN コードを読み取り、処方内容と異なる薬の場合はエラー表示で知らせる。処方せん入力中のピッキング、入力後のピッキング、どちらの運用もカバー可能。
店舗毎のライセンス購入のため、1 店舗に何台導入しても追加費用がかからず、端末代金も不要のため低コストで利用可能。スマートフォン等の端末および wi-fi 環境はファルモから提供しないため、店舗ごとに用意する必要がある。
投薬前に写真でエビデンスを残すことができ、患者さんからの問い合わせ等にもスムーズに対応可能。
オリジナル JAN コードを作成でき、予製剤作成や、半錠にも対応可能。作成したバーコードは印刷もできる。
データの管理をクラウド上で行うため、本部でも薬局でもリアルタイムで調剤情報、監査情報を確認可能。薬局側はアップデート作業が不要で、追加更新費用もなく最新版を利用可能。バックアップも不要なので、災害時でも物理的なデータ損害の心配がない。
詳細はウェブサイトで確認できる。
https://pharumo.jp/everypick/
同社は開発の背景に、薬局薬剤師の対物から対人への業務シフトを挙げる。
2020 年 9 月より薬剤師による投薬後のフォローが義務化され、薬を渡すことを主体とした対物業務からより患者さんとの関わり度合いの高い対人業務へのシフトが求められている。また、コロナ禍が続く中で遠隔服薬指導実施が前倒しされるなど、薬局における対人業務の在り方も多様な形になりつつあり、多くの時間がとられるようになっているため、対物業務の効率化が大きな課題になっている。
薬剤師には、薬剤の渡し間違いを防ぐため、薬剤の種類や数量に間違いがないかを確認する監査業務が義務付けられているが、厚労省の調査によると、調剤監査システムを未導入の薬局は全体の半数以上(※1)であり、多くの薬局で一つ一つ手作業で薬の監査を実施している現状がある。一方で、ピッキング調剤監査システムの導入によって「作業効率が格段に上がった」と考える薬剤師も少なくないとされる調査結果もある。
導入による効果が大きいにも関わらず導入率が高くない原因には、導入初期費用や月額利用料、操作性のハードルなどがある。ファルモのクラウド型ピッキングアプリ「EveryPick」は、導入初期費用及び月額利用料を業界水準より安価にし、低コストで調剤業務の効率化を図れるよう開発をした。また、先行導入企業からのヒアリングにより、本当に必要な機能に特化し、シンプルでかつ操作性にすぐれた仕様にすることでシステム導入のハードルを下げている。これにより、調剤過誤を防ぎ医療安全に貢献するとともに、薬剤師の対物業務の負担を減らし、より対人業務に時間をかけられるよう貢献をしていく方針。
同社は、「今後も薬局薬剤師の業務を支援すべく、さらなる機能追加を予定しています」としている。
※1 厚生労働省『かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書 別添 1 アンケート調査結果』平成 31 年
https://www.mhlw.go.jp/content/000509233.pdf
「論より証拠、まずは実践キャンペーン詳細」は、先着 50 社限定で月額費用(定価 8,000 円)を 6 ヶ月無料で利用できるもの。キャンペーン期間はリリース開始から、50 社契約完了、または 2021 年 7 月末日まで。申込方法は、ファルモお問い合わせフォームまで。
https://pharumo.jp/contact/
申込・導入の流れは、①問い合わせ、②ファルもより顧客要望のヒアリング、③ファルモより最適なサービスの提案、④申込(契約)、⑤マニュアルを参考にシステム導入作業(半日程度)となる。
利用は1 年以上となる。また、システム改善のため、仕様についてのアンケートへ協力依頼がある場合がある。
ファルモは「テクノロジーと人材で薬剤師の可能性に挑戦する」をミッションとして 2012 年に創業。クラウド型調剤情報ハブシステムの「ファルモクラウド」を活用した電子お薬手帳や調剤薬局支援システム「Pharumo every」、地域医療連携などの薬局 ITC 事業に加え、人材紹介や薬学系マッチングなどの人財事業、薬剤師シェアリングサービスなどの教育事業を柱に薬局・薬剤師やそれを取り巻く医療課題を解決するための多角的なソリューションを提供している。
https://pharumo.jp/

【薬局のクラウド型ピッキングアプリ】ファルモ、シンプル・低価格の「EveryPick」リリース/月額定価 8000 円
【2021.06.23配信】薬局支援システム開発などを手掛けるファルモ(本社:東京都新宿区、代表取締役 CEO:廣井 嘉栄氏)は、薬局薬剤師の業務効率化を図るためのクラウド型ピッキングアプリである「EveryPick」を 6 月 21 日にリリースした。
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