経済産業省は、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と同時リリースを発表した。
経済産業省と日本チェーンドラッグストア協会による「ドラッグストアスマート化宣言」に基づく「スマートストア実現に向けた電子タグ(RFID)実装へのアプローチ」が、経済産業省の委託事業「令和2年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(サプライチェーン各層でのRFID導入コスト及び効果検証事業)」の実施状況を踏まえ、同協会により策定された。
背景として、流通業においては、少子高齢化による深刻な人手不足やそれに伴う人件費の高騰、消費者ニーズの多様化が進行してきた。また、消費財のサプライチェーン内には多くの事業者が存在しており、全体最適が図られにくく、食品ロスや返品が発生する一因となっているとも言われているとする。
こうした状況を踏まえ、経済産業省は、平成30年3月に日本チェーンドラッグストア協会(現:一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会)と「ドラッグストアスマート化宣言」を策定し、RFID等を活用したサプライチェーンの効率化を推進してきた。
令和2年度は、「流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(サプライチェーン各層でのRFID導入コスト及び効果検証事業)」(受託事業者:三菱UFJリサーチコンサルティング株式会社)において、同協会と連携しながら、サプライチェーン全体にRFIDを導入した際の製・配・販各層における導入コスト及び効率化の効果を検証・数値化した。
この効果検証を踏まえ、同協会はRFID実装に向けて、「スマートストア実現に向けた電子タグ(RFID)実装へのアプローチ」を策定した。
同省では、引き続き同協会と連携しながら、RFID等のIoT技術を活用しつつ、サプライチェーンの効率化・生産性向上を目指していくとしている。
これまでの実証実験ではコスト負担の問題なども指摘されてきたことを受け、策定された「実装へのアプローチ」では、「留意事項」として、ドラッグストアが受益に基づいた応分の負担を行うなど、製・配・販における適切な費用負担を目指すと明記した。
また、ドラッグストアでの店頭での実証実験が行われてきたが、今年度はもう一段“川上”での検証が行われる見通し。
製造・生産事業者や卸売・物流事業者、小売事業者の物流拠点において物流資材に貼付した電子タグに積みつけた商品を紐付け、配送先に事前出荷情報を送付することによる入出荷検品の効率化、誤配送防止の実現に向けた準備、検証を進めるという。
また、すでに実装されているような商品を先行して進めることで、“できるところから”進めようとの意向も覗く。
RFIDのコストは高額商品の方が吸収しやすいとの指摘があったが、「実装へのアプローチ」では、高級化粧品や香水など高額商品にRFIDを実装することにより、盗難の防止に加えて、店頭やバックヤードでの日常的な棚卸しを実施し、在庫情報等を製造・生産事業者と共有することによる迅速な商品補充などを通じた売上拡大の実現に向けた準備・検証を進めていくとしている。
なお、JACDSでは、RFIDの実証実験報告会をドラッグストアショーポータルサイト内でオンライン配信する予定(17日11:00〜)。
【ドラッグストア協会】経産省と共同リリース/RFID(電子タグ)推進で
【2021.03.15配信】日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と経済産業省はRFID(電子タグ)の推進で共同リリースを行った。連携して実装への課題を検証していく。
関連する投稿
【松本清雄氏】ドラッグストア協会・次世代部会の展望にコメント
【2026.06.15配信】日本チェーンドラッグストア協会は6月15日、総会後の会見を開いた。この中で松本清雄氏(マツキヨココカラ&カンパニー代表取締役社長)が協会の次世代部会についてコメントした。
【チェーンドラッグストア協会】“門前減算”、「2年後に撤廃も検討」と受け止めている
【2026.03.25配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月25日に定例会見を開いた。この中で副会長の横山英昭氏(コスモス薬品代表取締役社長)は、協会と厚労省との調剤報酬改定に関する話し合いの進捗についてコメントした。
【チェーンドラッグストア協会】デジタル通貨の研究分科会設置/決済手数料の逓減目指す
【2026.03.25配信】日本チェーンドラッグストア協会は3月25日に定例会見を開いた。この中でデジタル通貨の研究、検討を行う分科会を設置すると説明した。決済手数料の逓減を目指す。
【2026.02.23配信】日本チェーンドラッグストア協会は2月20日に会見を開き、「令和8年度調剤報酬改定に対する見解」を公表、説明した。
【2026.01.21配信】日本チェーンドラッグストア協会は1月21日に定例会見を開いた。
最新の投稿
【CBD製品】安心して利用できる環境の構築を目指して/業界協議会がセミナー
【2026.07.31配信】CBD製品の安全を確保し消費者が安心して利用できる環境を構築することを目的に設立された団体である一般社団法人カンナビジオール安全・安心協議会がセミナーを開催した。7月31日に開かれた「第26回JAPANドラッグストアショー」のビジネスセミナーとして開いたもの。
【ベースアップ評価料】4月から賃金改善の場合は4月との差分報告可能/「疑義解釈その11」発出
【2026.07.31配信】厚生労働省は7月30日、令和8年調剤報酬改定の「疑義解釈その11」を発出した。
【ベースアップ評価料】対象職員0なら翌月から算定不可/「疑義解釈その11」発出
【2026.07.31配信】厚生労働省は7月30日、令和8年調剤報酬改定の「疑義解釈その11」を発出した。
【熊本地震】「開局できなかった薬局」15軒/日本保険薬局協会会員被災状況
【2026.07.30配信】日本保険薬局協会(NPhA)は7月29日現在の会員被災状況を公表した。
【ロキソニンS_2類移行】薬剤師から登販へOJT実施提案も/条件を整理へ
【2026.07.29配信】厚生労働省は7月29日、薬事審議会「医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開き、「ロキソニンS」などのロキソプロフェンを配合する一般用医薬品のリスク区分について議論した。現在の第1類薬から指定第2類薬へ移行することを条件を付す前提で了承した。条件については今後、整理されるが、研修のあり方も論点となり、薬剤師から登録販売者へのOJT実施を求める意見も出た。