【ドラッグストア協会】経産省と共同リリース/RFID(電子タグ)推進で

【ドラッグストア協会】経産省と共同リリース/RFID(電子タグ)推進で

【2021.03.15配信】日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と経済産業省はRFID(電子タグ)の推進で共同リリースを行った。連携して実装への課題を検証していく。


 経済産業省は、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と同時リリースを発表した。

 経済産業省と日本チェーンドラッグストア協会による「ドラッグストアスマート化宣言」に基づく「スマートストア実現に向けた電子タグ(RFID)実装へのアプローチ」が、経済産業省の委託事業「令和2年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(サプライチェーン各層でのRFID導入コスト及び効果検証事業)」の実施状況を踏まえ、同協会により策定された。

 背景として、流通業においては、少子高齢化による深刻な人手不足やそれに伴う人件費の高騰、消費者ニーズの多様化が進行してきた。また、消費財のサプライチェーン内には多くの事業者が存在しており、全体最適が図られにくく、食品ロスや返品が発生する一因となっているとも言われているとする。

 こうした状況を踏まえ、経済産業省は、平成30年3月に日本チェーンドラッグストア協会(現:一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会)と「ドラッグストアスマート化宣言」を策定し、RFID等を活用したサプライチェーンの効率化を推進してきた。

 令和2年度は、「流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(サプライチェーン各層でのRFID導入コスト及び効果検証事業)」(受託事業者:三菱UFJリサーチコンサルティング株式会社)において、同協会と連携しながら、サプライチェーン全体にRFIDを導入した際の製・配・販各層における導入コスト及び効率化の効果を検証・数値化した。

 この効果検証を踏まえ、同協会はRFID実装に向けて、「スマートストア実現に向けた電子タグ(RFID)実装へのアプローチ」を策定した。

 同省では、引き続き同協会と連携しながら、RFID等のIoT技術を活用しつつ、サプライチェーンの効率化・生産性向上を目指していくとしている。

 これまでの実証実験ではコスト負担の問題なども指摘されてきたことを受け、策定された「実装へのアプローチ」では、「留意事項」として、ドラッグストアが受益に基づいた応分の負担を行うなど、製・配・販における適切な費用負担を目指すと明記した。

 また、ドラッグストアでの店頭での実証実験が行われてきたが、今年度はもう一段“川上”での検証が行われる見通し。
 製造・生産事業者や卸売・物流事業者、小売事業者の物流拠点において物流資材に貼付した電子タグに積みつけた商品を紐付け、配送先に事前出荷情報を送付することによる入出荷検品の効率化、誤配送防止の実現に向けた準備、検証を進めるという。

 また、すでに実装されているような商品を先行して進めることで、“できるところから”進めようとの意向も覗く。
 RFIDのコストは高額商品の方が吸収しやすいとの指摘があったが、「実装へのアプローチ」では、高級化粧品や香水など高額商品にRFIDを実装することにより、盗難の防止に加えて、店頭やバックヤードでの日常的な棚卸しを実施し、在庫情報等を製造・生産事業者と共有することによる迅速な商品補充などを通じた売上拡大の実現に向けた準備・検証を進めていくとしている。

 なお、JACDSでは、RFIDの実証実験報告会をドラッグストアショーポータルサイト内でオンライン配信する予定(17日11:00〜)。

この記事のライター

関連する投稿


【ドラッグストア協会】かかりつけ薬剤師「在籍年数」延長に反対

【ドラッグストア協会】かかりつけ薬剤師「在籍年数」延長に反対

【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。かかりつけ薬剤師指導料の要件見直しについても要望した。


【ドラッグストア協会】敷地内薬局「ただし書き」撤廃でも、「新規開局に限定を」

【ドラッグストア協会】敷地内薬局「ただし書き」撤廃でも、「新規開局に限定を」

【2025.12.06配信】日本チェーンドラッグストア協会は12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定への要望を説明した。敷地内薬局について、施設基準において「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」を削除すべきとの意見が出ていることに対し、撤廃でされたとしても新規開局に限定すべきといった要望を表明した。


【ドラッグストア協会】敷地内薬局「連座制導入」なら「薬局事業撤退せざるを得ない」

【ドラッグストア協会】敷地内薬局「連座制導入」なら「薬局事業撤退せざるを得ない」

【2025.12.05配信】日本チェーンドラッグストア協会12月5日に定例会見を開き、調剤報酬改定要望をを表明した。その中で、敷地内薬局「連座制導入」なら薬局事業から撤退せざるを得ないなどと、強い抵抗感を示した。


【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【日本チェーンドラッグストア協会】「300店舗以上の区分廃止を」/調剤報酬改定で声明公表

【2025.10.17配信】日本チェーンドラッグストア協会は10月17日に定例会見を開き、調剤報酬改定における「300店舗区分」の見直しを求める声明を公表した。


【ドラッグストア協会】若手経営者ディスカッションを開催/ドラッグストアショーで

【ドラッグストア協会】若手経営者ディスカッションを開催/ドラッグストアショーで

【2025.07.29配信】日本チェーンドラッグストア協会は7月29日、定例会見を開き、8月8日から開催する第25回JAPANドラッグストアショーで若手経営者によるパネルディスカッションを開催すると説明した。


最新の投稿


【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【税制大綱】セルメ税制、薬局製造販売医薬品を一部対象に

【2025.12.19配信】自民党と日本維新の会がまとめた税制大綱が公表された。セルフメディケーション税制について期限延長と対象の変更等を記載。薬局製造販売医薬品についても、税制の対象となる一般用医薬品等と同じ成分を有効成分として含有するものを対象に加える。


日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」新発売/第一三共ヘルスケア

日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」新発売/第一三共ヘルスケア

【2025.12.18配信】 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広氏)は12月18日、日本初となるOTC緊急避妊薬「ノルレボ」(要指導医薬品)を2026年2月2日(月)に発売すると公表した。価格(メーカー希望小売価格)は1錠 6800円(税込み 7480円)。


【厚労省】長期収載品の選定療養「患者負担2分の1以上」提案/中医協

【厚労省】長期収載品の選定療養「患者負担2分の1以上」提案/中医協

【2025.12.17配信】厚生労働省は12月17日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、長期収載品の選定療養についてを議題とし、「患者負担2分の1以上」を提案した。


【保険薬局協会】地域加算「基本料1」と「それ以外」で点数・実績要件統一を/次期改定要望

【保険薬局協会】地域加算「基本料1」と「それ以外」で点数・実績要件統一を/次期改定要望

【2025.12.11配信】日本保険薬局協会は12月11日に定例会見を開き、会長の三木田慎也氏が次期調剤報酬改定の要望事項を説明した。調剤基本料に紐づいて区分のある地域支援体制加算について、「基本料1」と「それ以外」での要件や点数を統一することを求めた。


【病院薬剤師会】診療報酬改定議論「期待」/転所時評価などの要望反映で

【病院薬剤師会】診療報酬改定議論「期待」/転所時評価などの要望反映で

【2025,12.10配信】日本病院薬剤師会(日病薬)は12月10日に定例会見を開き、厚労省中医協で議論の進んでいる次期診療報酬改定について、期待できるとの見方を示した。日病薬が要望事項に挙げていた転所時の情報共有への評価などが俎上にのっていることなどを評価した。


ランキング


>>総合人気ランキング