【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【2025.08.29配信】厚生労働省は8月29日、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開催。緊急避妊薬「レボノルゲストレル」(一般名、あすか製薬)のスイッチOTC化を了承した。改正薬機法で規定する「特定要指導医薬品」として初めて指定した。


 レボノルゲストレルを含有する医療用医薬品「ノルレボ錠1.5 mg」を要指導・一般用医薬品に転用するもの。
 適正使用を確保するため、必要な条件を満たした薬局又は店舗販売業の店舗において、緊急避妊薬の取り扱いに係る研修を修了した薬剤師によってのみ販売又は授与されるよう、必要な措置を講じる。
 
 改正薬機法における特定要指導医薬品、期間を定めない要指導医薬品として新たに指定。現行法における要指導医薬品としても新たに指定する。
 

(公財)日本薬剤師研修センターHPにて、9月19日(金)オンライン研修オープン予定

 審査報告書のポイントは以下の通り。
<用法・用量について>
 ①性交後できる限り速やかに使用することが求められていること、②評価検討会議において「悪用の懸念がある」旨の意見が示されていることを踏まえ、薬剤師の面前使用が適切と判断した。これに伴い、本剤の用法・用量は「性交後72時間以内に本剤1錠を薬剤師から受け取り、その場で服用する。」へ変更。

<使用対象集団について>
 ①医療用ノルレボ錠での海外臨床試験の組入れ基準には年齢制限は無いこと、②医療用ノルレボ錠の国内での使用成績調査に13歳の症例も含まれていたが、いずれの症例も安全性上の懸念は認められていないこと、③緊急避妊薬が要指導・一般用医薬品として販売されている海外の複数の国において年齢制限がないこと、を踏まえ、年齢制限は不要と判断した。

<使用上の注意について>
 本剤の効果について、全ての本剤使用者に対して注意喚起すべき点として、「その他の注意」に、服用3週間後に、妊娠検査薬の使用、又は医療機関の受診により、妊娠の有無を確認する旨を記載した。

<情報提供資料について>
 令和6年度の調査事業報告書にて必要とされている対応が反映されていることを確認した。また、販売にあたっては、医師をはじめ、関連する者との連携等も考慮の上、適正な情報を伝達するための対策が十分になされることが重要であることを確認・指示した。

<販売体制について>
 販売店に求める要件をはじめ、本剤の販売体制が、令和6年度の調査事業と同様に設定されており、十分な体制確保がなされていることを確認した。

 承認条件等は以下の通り。
◆スイッチOTC化に当たっては、調査事業において本剤の適正使用に資すると判断された要件を「承認条件」として課す。
◆ また、詳細な要件については、本剤承認時等に発出する留意事項通知で示す。
<承認条件>
1. 承認後、少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査を実施すること。
2. 本剤の適正使用を確保するため、必要な条件を満たした薬局又は店舗販売業を有する店舗において、緊急避妊薬の取り扱いに係る研修を修了した薬剤師によってのみ販売又は授与されるよう、必要な措置を講じること。
<留意事項通知で規定する内容>
• 本剤を販売・授与する薬剤師は、必要な研修を修了した上で、販売・授与する旨を厚生労働省に申告すること。なお、厚生労働省は当該内容を踏まえ、必要な情報を厚生労働省のHPにて公表すること。
• 製造販売業者は、以下の全てを満たす薬局等であることを確認した上で、本剤を卸すこと。
①必要な研修を修了し、厚生労働省のHPにて掲載されている薬剤師が勤務していること
②プライバシーへの十分な配慮等に対応できるような体制を整備していること
③近隣の産婦人科医等との連携体制を構築していること
• 16歳未満(性交同意年齢未満)の者に対する販売等における留意点


 緊急避妊薬のスイッチOTC化の要件
【全般的な販売対策】
• 販売する薬剤師への研修修了を義務付け
• 販売する薬局等は、以下の要件を満たす必要あり
① 研修修了薬剤師が販売すること
② プライバシーへの十分な配慮等に対応できる体制を整備していること
③ 近隣の産婦人科医等との連携体制を構築していること
• 販売薬局・薬店・薬剤師を国で管理・把握し、必要な情報(プライバシー保護策等)を適切に公表
• 適正使用確保の観点から、対面販売・面前服用を義務付け。妊娠状態のフォローアップのため、3週間後の受診勧奨や、妊娠検査薬の販売等の確認手段の提供を薬局等に徹底する。
• 臨床試験や再審査等から安全性は確認されているため、医療用と同様、使用年齢に制限は付けない。
• 親の同意に関わりなく、予期せぬ妊娠を希望しない若者を支援すべき観点から、親の同意は不要。
• 購入者全員に対し、年齢確認を行うとともに、年齢に応じた販売対策を行う。また、販売をその先の支援に適切につなげるきっかけとする観点から、こども家庭庁とも連携しつつ、若年者に対して適切な相談・情報提供を行う等について関係支援機関に誘導し、連携した対策を講じる。
• 厚労省において、面前服用を含む販売方法のあり方について検討を行い、一定期間後、見直しについて議論を行う。

【性交同意年齢(16歳)未満の者や性犯罪被害等が疑われる場合の付加的な販売対策】
○ 関係機関の地域連携ネットワークによる支援体制
• スイッチOTC化が性犯罪や性搾取の「隠蔽手段」にならないよう、薬剤師が窓口となり、保護が必要な購入者の情報を支援機関と共有し、地域の支援機関が切れ目なく連携して被害者を救済できる体制を整備する。
• 薬局等とワンストップ支援センター・児童相談所・産婦人科医等の連携については、情報共有やカウンセリングの連携を基本とし、薬局等は、地域で連携可能なワンストップ支援センター・児童相談所・産婦人科医等を予め把握しておくなど、薬剤師のみでの対応が困難な場合に備えること。
○ 薬局等での対応
• チェックシートやブラウザ・アプリ等により、購入者の適格性や年齢等を確認。
• 服薬指導時等に聴取した情報を踏まえ、16歳未満の者及び短期間で繰り返し購入を行う者の場合には、産婦人科や小児科に受診するよう伝えるとともに、購入者を保護すべき相当の事由(性暴力等)を見い出した場合には、
✓ 社会的支援が必要と認められる場合には、ワンストップ支援センター等の支援機関に連絡を促す。
必要に応じ、薬剤師が支援機関に連絡するとともに、状況によっては児童相談所や産婦人科・小児科等とも連携。
✓ 特に、虐待が疑われる場合は、薬局から直接、児童相談所へ通報。
✓ 性犯罪の証拠保全の必要がある場合、産婦人科を紹介するとともに警察等にも相談。

 【性交同意年齢(16歳)未満の者や性犯罪被害等が疑われる場合の付加的な販売対策】
○行政の対応
• こどもの保護の観点から、厚労省とこども家庭庁が連携して緊急避妊薬販売時を端緒とした対策に取り組んでいくともに、OTCとしての販売状況の実態を販売後もモニターしていく。
• 薬局等と関係機関の地域連携については、薬剤師からのアプローチのみでなく、ワンストップ支援センターや児童相談所等の支援機関・産婦人科・小児科等医療機関関係団体宛てに、行政から協力依頼を行う。
• 購入者に配布するよう、支援情報や支援機関の連絡先等をまとめたリーフレット等を作成し、薬局等に配置、サイトに掲載。

 研修開始時期等について
(公財)日本薬剤師研修センターHPにて、9月19日(金)オンライン研修オープン予定

研修修了薬剤師からの申告及び公表内容
研修修了薬剤師からの申告に基づき、厚労省HPに掲載する情報は以下を想定。
• 薬局名
• 住所(電話番号等含む)
• 開局時間
• 時間外対応の有無(時間外の電話番号含む)
• 研修修了薬剤師に関する情報
• 調剤/販売の別
• プライバシー確保策(個室、衝立、時間差対応等)

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