【敷地内薬局】日薬「グループ減算含め検討を」/中医協

【敷地内薬局】日薬「グループ減算含め検討を」/中医協

【2025.10.24配信】厚生労働省は10月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「敷地内薬局」を個別事項として議論した。この中で日本薬剤師会(日薬)副会長の森昌平氏は前回改定で答申書付帯意見に落ち着いた敷地内薬局の“グループ減算”について、「敷地内薬局問題の改善が見えないのであればこのグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考える」と述べた。


 日薬・森氏は敷地内薬局の問題について、まず全体的な認識として、「保険薬局は経済的・構造的・機能的に保険医療機関と独立していることが重要であり、患者さんの医薬品適正使用の推進、そして適切な医薬分業制度のためには保険医療機関からの独立が不可欠」との考えを示した。「当たり前の話ですが、医薬分業の先進国では医師が薬局を経営することや薬局と金銭的契約を結ぶことを禁止しています。このような理念や考え方の下、これまで敷地内薬局に対しては診療報酬上による適正化を行ってきましたが、残念ながら不適切な事例やルールをすり抜ける事例が散見されている。このような状況を踏まえれば敷地内薬局については引き続き適正化に向けた対応が必要であると考えています」とした。

日薬森氏「ルールをすり抜けるケースに対しては診療報酬上のルールの厳格化や是正が必要」

 その上で、事務局の論点について言及。論点1つ目の「特別調剤基本料Aのただし書きは、従来から存在する医療モールへの配慮であったが、病院での敷地内薬局の適用外に用いられている例があり、この適用範囲について、どのように考えるか」と、論点2つ目の「医療モールへのただし書きの適用例は多いなか、その適用範囲についてどのように考えるか」については、「スライドの14ページや18ページ等を見ていただければ分かる通り、構造的規制や経済的規制をすり抜ける事例が数多く見受けられる。経済的規制に関しては賃貸借についてあたかも特別な関係には見えない方法で、また構造的規制に関しては病院が所有する敷地内に全く別の医療機関を開設すれば敷地内薬局として取り扱われないというあたかも規制の趣旨を逸脱するかのような方法ですりぬけている事例が存在することは極めて残念であるとしか言えない」と表明。敷地内薬局の取扱いに係る除外規定はあくまでも従来からあるものに対する配慮から設けられたものであるとし、「こうしたルールをすり抜けるケースに対しては診療報酬上のルールの厳格化や是正が必要であると考えます。敷地内薬局については経済的規制ルール、構造的規制ルールが設けられており、あくまでもそのルールに従い判断すべきと考えます」(森氏)と述べた。

 論点3つ目の「医療資源の少ない地域における敷地内薬局等の、特別調剤基本料Aの適用について、どのように考えるか」については、「誰がどこにどんな目的で敷地内薬局を出店しようと、経済的・構造的・機能的な独立は不可欠。そのことを前提とした上で離島や僻地などのような無薬局地域で、住民が医薬品のアクセスに困っているケースについては医薬品提供体制を確保するために行政が関与する対応などを考える必要があると思います」(森氏)とした。

 論点4つ目の「特別調剤基本料Aに該当する薬局において算定することができない薬学管理料等の取扱いについて、薬局の機能を評価する観点から、どのように考えるか」については、「薬局における薬学管理はどの薬局でも必要な機能で、高度な医療を提供する病院の近隣に薬局で高度な薬学管理が求められることは当然で、そうしたことは敷地の中、敷地の外かに関係のないところです。敷地内薬局については繰り返しになりますが、医薬分業の理念に鑑みて診療報酬上の評価を適正化してきたものであり、薬局の機能によらず現行の評価を堅持すべきものと考えます」(森氏)とした。

日薬森氏、敷地内薬局について「年間2億円を超えるような超高額な賃料や40億円にものぼる立体駐車場付きヘリポートの整備などをしていれば実調で損益状況が悪化しているように見えても不思議ではない」

 論点5つ目の「これらに関する具体的な検討については、第25回医療経済実態調査の結果等を踏まえて行うこととしてはどうか」については、「敷地内薬局に対しては診療報酬上による対応が何回も行われてきましたが、保険薬局が果たすべき機能とは全く関係ない、例えば年間2億円を超えるような超高額な賃料や40億円にものぼる立体駐車場付きヘリポートの整備などを提供していることが問題となり、これまで強い対応が行われたものと記憶しています。そのようなことをしていれば、医療経済実態調査において当該施設の損益状況が悪化しているように見えたとしても、不思議ではありません」(森氏)とした。

 最後に、「先ほど申し上げた通り、ルールのすり抜け、解釈の逸脱だと言わざるを得ない対応が続いています。令和6年度改定では参考資料38ページ目にあるグループ減算について中医協で議論を行い、結果的に答申書付帯意見に落ち着いたところですが、敷地内薬局問題の改善が見えないのであれば、このグループ減算も含め、あらゆる措置を引き続き検討していく必要があると考えます」(森氏)とした。

 敷地内薬局を巡っては、令和2年度診療報酬改定において、特別な関係の適用範囲を診療所に拡大する際に、従来から存在する医療モールへの配慮として、施設基準において「ただし、当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」という「ただし書き」で除外規定が設けられていた。しかし昨今、特別な関係のある病院の敷地内にある保険薬局の同一建物に、別途診療所を誘致することで、ただし書きにより、特別調剤基本料Aの対象となることを回避する薬局事例などが問題になっていた。

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