【調剤医療費】令和5年度、前年比5.5%増の8兆2678億円/厚労省「調剤医療費の動向」

【調剤医療費】令和5年度、前年比5.5%増の8兆2678億円/厚労省「調剤医療費の動向」

【2024.09.03配信】厚生労働省は9月3日、「令和5年度調剤医療費(電算処理分)の動向」を公表した。前年比5.5%増の8兆2678億円だった一方、処方箋1枚当たりは減少した。


技術料の伸び率は+5.7%

 厚労省が公表した「令和5年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」によると、令和5年度の調剤医療費(電算処理分に限る。以下同)は8兆2678億円(伸び率+5.5%)だった。
 処方箋 1 枚当たり調剤医療費は9343 円(伸び率▲0.5%)。

 内訳は、技術料が2兆2474億円(伸び率+5.7%)、薬剤料が6兆41億円(+5.5%)、特定保険医療材料料が162億円(伸び率+1.2%)。
 薬剤料のうち、後発医薬品が1兆1611億円(伸び率+3.2%)だった

 処方箋1枚当たりの調剤医療費を年齢階級別にみると、年齢とともに高くなり、最も高い80歳以上85歳未満では10964 円と、0歳以上5歳未満の 3,470 円の約 3.2倍だった。

後発医薬品割合は数量ベース(新指標)で対前年同期差(伸び幅)+1.5%の85.3%

 後発医薬品割合は、令和5年度末の数量ベース(新指標)で 85.3%(伸び幅+1.5%)、数量ベース(旧指標)で 60.2%(伸び幅+0.3%)、薬剤料ベースで 19.7%(伸び幅▲1.0%)。後発医薬品調剤率が81.3%(伸び幅1.0%)だった。

 内服薬の処方せん1枚当たり薬剤料の伸び率は▲1.0%となっており、この伸び率を「処方せん 1 枚当たり薬剤種類数の伸び率」、「1 種類当たり投薬日数の伸び率」、「1 種類 1 日当たり薬剤料の伸び率」に分解すると、各々+1.0%、▲3.4%、+1.4%だった。

医療費の伸び率は入院3.1%、入院外 1.0%、歯科 1.9%、調剤5.4%

 なお、同日、「令和5年度 医療費の動向」も公表されている。
 令和5年度の医療費は47.3兆円となり、前年度に比べて約1.3兆円の増加。

 医療費の内訳を診療種類別にみると、入院18.7兆円(構成割合39.5%)、入院外16.4兆円(34.7%)、歯科 3.3 兆円(7.0%)、調剤 8.3 兆円(17.6%)となっている。
 
  医療費の伸び率は2.9%。診療種類別にみると、入院3.1%、入院外 1.0%、歯科 1.9%、調剤5.4%となっている。

この記事のライター

関連するキーワード


調剤医療費

関連する投稿


【令和4年度調剤医療費】前年比+1.7%の7兆8332億円/厚労省

【令和4年度調剤医療費】前年比+1.7%の7兆8332億円/厚労省

【2023.09.01配信】厚生労働省は9月1日、「令和4年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」を公表した。令和4年度調剤医療費は前年比+1.7%の7兆8332億円だった。


最新の投稿


【補正予算_閣議決定】薬局は最大23万円を支援/医療・介護等支援パッケージで

【補正予算_閣議決定】薬局は最大23万円を支援/医療・介護等支援パッケージで

【2025.11.28配信】政府は11月28日、2025年度補正予算案を閣議決定した。厚生労働省は「医療・介護等支援パッケージ」のうち、賃上げ・物価上昇に対する支援 として、5341億円(賃上げ1,536億円・物価上昇3,805億円)を計上。薬局には最大23万円を支援する。


【中医協_調剤その2】地域支援体制加算“都市部以外”での実績要件緩和を示唆

【中医協_調剤その2】地域支援体制加算“都市部以外”での実績要件緩和を示唆

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は地域支援体制加算“都市部以外”での基準緩和を示唆する資料を提示した。


【中医協_調剤その2】“地域別”の薬局損益率を提示/特別区の薬局で損益率高く

【中医協_調剤その2】“地域別”の薬局損益率を提示/特別区の薬局で損益率高く

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は“地域別”の薬局損益率を提示。特別市で損益率が高いことを示した。


【中医協_調剤その2】「基本料2」の薬局、損益率・額高いとの分析

【中医協_調剤その2】「基本料2」の薬局、損益率・額高いとの分析

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は「基本料2」の薬局で損益率・額が高いとの分析結果を示した。通常、損益の高い結果が出た際には適正化が行われることが多い。


【中医協_調剤その2】「集中率85%超の基本料1」の薬局、「GE加算3」多く

【中医協_調剤その2】「集中率85%超の基本料1」の薬局、「GE加算3」多く

【2025.11.28配信】厚生労働省は11月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「調剤その2」をテーマとした。この中で、事務局は「集中率85%超の調剤基本料1」の薬局に焦点を当てた。「集中率が高い薬局ほど備蓄品目数が少ないにもかかわらず、他の加算より高い点数の後発医薬品体制加算3を算定していた」とした。


ランキング


>>総合人気ランキング